7月25日から8月7日まで、埼玉県のさいたまスーパーアリーナにて開催されている東京オリンピックの男子バスケットボール競技では、12か国が集結し金メダルをかけた戦いを繰り広げている。
8月4日現在ではグループフェーズが終了し、スロベニア、フランス、アメリカ、オーストラリアの4か国が準々決勝を勝ち上がり、準決勝へと駒を進めた。
今大会には大会記録となる49人の現役NBA選手が参加しており、過去にNBA経験のある選手も含めると合計67選手にものぼる。
アメリカは全12選手が現役NBA選手であり、ナイジェリアとオーストラリアが8人で次に多い。
最も多くの現役選手を送り込んでいるNBAチームは、マイアミ・ヒートの4人で、デンバー・ナゲッツ、ミルウォーキー・バックス、そしてユタ・ジャズが3人で続く。
最も多くオリンピック選手を送り込んでいるのはスペインのリーガACBの強豪であるレアル・マドリードの8人だ。スロベニアのエースとしてプレイするルカ・ドンチッチの出身チームでもあり、先日NBAドラフト2021でヒューストン・ロケッツに指名されたウスマン・ガルーバもレアル・マドリードの選手として、スペイン代表で今大会に参加している。
それでは今大会で活躍しているNBA選手に注目してみよう。
ルカ・ドンチッチの鮮烈デビュー
まずはとにかく先述したドンチッチの活躍が際立つ。平均得点(1位、26.3得点)、リバウンド(2位、10.0リバウンド)、アシスト(2位、8.0アシスト)、ブロック(2位タイ、1.3ブロック)でトップ2以上にランクインしており、その圧倒的な活躍でオリンピック初出場のスロベニアを準決勝まで導いている。
オリンピックデビュー戦となるアルゼンチンとの試合で、オリンピックでの1試合最多得点歴代2位となる48得点を叩き出したドンチッチは、準決勝のドイツ戦では20得点、8リバウンド、11アシストでトリプルダブルに近いオールラウンドな活躍を見せた。
今大会の平均得点ランキングでは、トップ10のうち8選手が現役NBA選手だ。そして3位には八村塁(22.3)、9位には渡邊雄太(17.7)となんと日本からは2選手がランクインしている。渡邊は平均リバウンドランキングでも6位(8.0)にランクインしており、3連敗で予選敗退とはなったものの、キャプテンとして日本代表を支え続けた。
代表戦と言えばルビオとミルズ
代表戦で活躍するNBA選手で、外せないのがスペインのリッキー・ルビオとオーストラリアのパティ・ミルズだ。ルビオは平均25.5得点(2位)、6.0アシスト(4位)の活躍で、スペインを準々決勝まで牽引。敗退が決まったアメリカ戦ではフィールドゴール20本中13本の成功で、38得点、4リバウンドの奮闘を見せた。
4回目のオリンピック出場となるミルズは、平均20.8得点(5位)、5.3アシスト(6位)でオーストラリアの快進撃の原動力となっている。オーストラリアはオリンピックでメダルを獲得したことがなく、チーム全体のモチベーションが際立っている。
ほかにもオーストラリアからは、今大会が代表選手として初出場となるマティース・サイブルが平均3.3スティール(1位)を記録しており、スティールから多くのトランジションオフェンスを生み出しているのが目立つ。
注目度の高いアメリカ代表
アメリカは全選手が現役NBA選手ということもあり、出場時間が他チームよりも配分されており、ひとりの選手が飛び抜けた活躍を見せるような構成にはなっていない。大会序盤はお互いが譲り合ってしまうシーンも目立ち、フランス相手に黒星スタートを切った。
そんな中でも、少しずつエースとしての役割が増えてきたのがケビン・デュラントだ。スペインとの準々決勝では唯一30分を超える出場時間で、3ポイントショット4本成功を含む29得点の活躍で、アメリカを勝利へと導いた。
8月5日の準決勝ではアメリカとオーストラリア(13:15開始)、フランスとスロベニア(20:00開始)がそれぞれ対戦する。勝利したチームが決勝戦へと進み、負けたチームは3位決定戦に回る。金メダルを獲得するのはどの国なのか、世界中を沸かせる活躍を見せるのは誰なのか、まだまだ東京オリンピックから目が離せない。