NBA選手たちがブリオナ・テイラーさん射殺事件の判決に不満の声

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3月13日(日本時間14日)にケンタッキー州ルイビルの自宅にて、ルイビル市警に射殺されたブリオナ・テイラーさんの事件に関わった警官3人に対する大陪審による判決が発表された。しかし、死亡責任は問われず、3人のうちひとりが軽微な罪で起訴されるだけという結果を受け、NBA選手やコーチたちからは嘆きの声が多く発せられた。『AP』のティム・レイノルズ記者が詳しく報じている。

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9月23日(同24日)、ブリオナ・テイラーさんが警官に射殺された事件で、発砲に関わったルイビル市警の3人に対する大陪審による判決が発表され、起訴されたのはテイラーさんの隣人の家にまで発砲が届いていたブレット・ハンキソン被告(免職)のみとなった。この判決は、多くのNBA選手やコーチにとって、驚くものではなかった。自分たちが希望する結果にはならないという感覚が、すでにあったのだ。

デンバー・ナゲッツのマイケル・マローン・ヘッドコーチは「我々のプラットフォームを通して、選手たちの声を届け、ブリオナ・テイラーさんのための正義を訴え続けてきた」と話す。

「しかしその正義が下されることはなかった」。

NBAはシーズンを再開させ、優勝チームを決めるためにウォルト・ディズニー・ワールドにバブル(新型コロナウイルス拡大を防ぐための隔離施設)を作ったが、それと同時にこのプラットフォームを利用して社会に変化をもたらす手助けをしたいという思いを強く持っている。選手もコーチも、人種的平等をもたらし、警察による暴力をなくしたいという声が高まるこの時代に、選手やコーチたちはNBAというスポットライトを利用してそれぞれの意見を発してきた。

3月13日(同14日)、26歳の黒人女性であるテイラーさんは、ルイビル市警が『no-knock warrat』(抜き打ち捜索令状)の名の下、彼女の住むアパートのドアを破壊。しかし、捜索中だった容疑者はそこに住んでおらず、発砲に巻き込まれたテイラーさんが死亡する結果となった。この事件に対して多くのNBA選手が声を上げてきた。多くが彼女の家族とバーチャル上で会話をするなど、支援を申し出ている。記者会見などでは彼女の名前を出し、シャツに掲出したり、スニーカーに書き込んだりしてきた。

ボストン・セルティックスのフォワードであるジェイレン・ブラウンは「我々には母がいる。姉妹、姪、伯母がいる。有色人種の男性が多くの悲劇を経験してきたのと同様に、女性も多くを経験してきた」と語る。

「これはこの国の女性に起こりうる悲劇の一例だ。だからこそ、彼女たちに寄り添いながらも、自分たちだけではないのだと主張していきたかった。この時代は女性だと思っているので、自分たちが女性を大切に思っていることを見せていくのは重要なことだ。とても大事なことなんだ」。

多くのNBA選手は、今回の判決に対する嘆きの声をソーシャルメディアに投稿している。

「今日、僕は言葉を失っている! 打ちのめされ、傷付き、悲しみ、怒りを感じている! 我々はブリオナ・テイラーの正義を求めていたのに、彼女の美しい命ではなく隣人の壁のための正義だけが執行された。この判決に驚きはないが、それでもやはり傷つき、とても心が重い!」(レブロン・ジェームズ/ロサンゼルス・レイカーズ)

「ルイビルには3年間住んでいたこともあり、自分にとってもはやホーム。なのに、そこで一体何が起きた? これが起訴内容なのか?😔🤦🏿‍♂️ まじか、言葉がないとしか言いようがない!」(モントレズ・ハレル/ロサンゼルス・クリッパーズ)

「ブリオナ・テイラーを殺害した警官たちは、事件発生時からこうなることをわかっていた。正義が執行される心配なんて彼らには全くなかったんだ」(ジャマール・クロフォード/フェニックス・サンズ)

「なんてこと。 だからこそ、彼女らの、彼らの名前を言い続ける必要がある。 #BreonnaTaylor #EmmettTill」(ミシェル・ロバーツ/NBA選手会事務局長)

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ