日本時間4月10日(現地9日)に2022-2023レギュラーシーズンの全日程を終了したNBAは、12日(現地11日)からプレイイン・トーナメント、16日(現地15日)からプレイオフが始まる。
ここでは、2020-2021シーズンから現行フォーマットとして導入されているNBAのプレイイン・トーナメントの仕組みを解説する。
プレイイン・トーナメントとは?
NBAのプレイイン・トーナメントは、プレイオフに進出する第7シードと第8シードのチームを決めるための順位決定戦だ。東西各カンファレンスごとに行われる。
レギュラーシーズン最終成績及び順位により、プレイオフ進出境界線上のチーム(プレイオフ自動出場を勝ち取ったチームとプレイオフ逸失が決定したチーム以外のチーム)が、プレイオフ出場権を争う短期決戦だ。レギュラーシーズン終了後、プレイオフ開幕前に行われる。
プレイオフはレギュラーシーズンを勝ち抜いた上位チームによる優勝決定戦である一方、プレイインはそのプレイオフに進むために残された最後の2枠(東西合計4枠)を争う順位決定戦である。
プレイイン・トーナメントの出場チームは?
プレイイン・トーナメントには、東西各カンファレンスのレギュラーシーズン7位~10位の4チーム(東西合計8チーム)が出場する。2022-23シーズンの出場チームは以下の通り。
イースタン・カンファレンス
7位 マイアミ・ヒート(44勝38敗)
8位 アトランタ・ホークス(41勝41敗)
9位 トロント・ラプターズ(41勝41敗)
10位 シカゴ・ブルズ(40勝42敗)
ウェスタン・カンファレンス
7位 ロサンゼルス・レイカーズ(43勝39敗)
8位 ミネソタ・ティンバーウルブズ(42勝40敗)
9位 ニューオーリンズ・ペリカンズ(42勝40敗)
10位 オクラホマシティ・サンダー(40勝42敗)
プレイイン・トーナメントの対戦カードは?
プレイイン・トーナメントではまず、各カンファレンスの7位と8位、9位と10位がそれぞれ対戦する。7位対8位の勝利チームは第7シードとしてプレイオフ進出が決定する。敗戦チームは9位対10位の勝利チームと第2戦を戦い、勝ったほうが第8シードとしてプレイオフ進出となる。
つまり、7~8位のチームはプレイイン最大2試合のうち1勝すればプレイオフ進出となるが、9~10位のチームはプレイインで2連勝しないとプレイオフに進出できない。
2022-23シーズンのプレイイン・トーナメントの対戦カードは以下の通り。
イースタン・カンファレンス
①ホークス 対 ヒート:勝者が第7シードでプレイオフ進出。敗者は③へ。
②ブルズ 対 ラプターズ:勝者は③へ。敗者は敗退。
③ ②の勝者 対 ①の敗者:勝者が第8シードでプレイオフ進出。敗者は敗退。
ウェスタン・カンファレンス
①ウルブズ 対 レイカーズ:勝者が第7シードでプレイオフ進出。敗者は③へ。
②サンダー 対 ペリカンズ:勝者は③へ。敗者は敗退。
③ ②の勝者 対 ①の敗者:勝者が第8シードでプレイオフ進出。敗者は敗退。
プレイインゲームの開催地はどこ?
レギュラーシーズン順位の高いほうのチームの本拠地で試合を開催する。
プレイイン・トーナメントの日程・中継・放送予定は?
2022-23シーズンのプレイイン・トーナメントは4月12~15日(現地11~14日)に行われる。中継はNBA公式動画配信サービス『NBA Rakuten』でライブ及び見逃し配信される予定だ(テレビ放送の予定はなし)。各試合の日程は以下の通り。
日本時間4月12日(現地11日)
①午前8:00 (東8位)ホークス 対 (東7位)ヒート
②午前11:00 (西8位)ウルブズ 対 (西7位)レイカーズ
日本時間4月13日(現地12日)
③午前8:00 (東10位)ブルズ 対 (東9位)ラプターズ
④午前10:30 (西10位)サンダー 対 (西9位)ペリカンズ
日本時間4月14日(現地13日)
試合なし
4月15日(現地14日)
時間未定 ③の勝者 対 ①の敗者
時間未定 ④の勝者 対 ②の敗者
プレイイン・トーナメントはいつ、なぜ始まった?
新型コロナウイルスの感染拡大によるシーズン中断期間を経て再開された2019-20レギュラーシーズン終了後、東西各カンファレンスの第8シードを決める順位決定戦として実施されたのが、NBA史上初めてのプレイイン・トーナメントだった。
このときは、各チーム8試合の再開シーズンを含むレギュラーシーズン全日程を終えた時点の順位で、8位のチームと4ゲーム差以内の9位のチームが1試合のプレイインゲームを行い、勝ったチームが第8シードを得る、という方式で実施された。再開シーズンがわずか8試合という短期日程であり、かつ各チームの試合数が不揃いだったという事情から、プレイオフ進出チーム決定の公平性を保つために導入された。
その結果、西地区8位のポートランド・トレイルブレイザーズと0.5ゲーム差で9位だったメンフィス・グリズリーズがプレイインゲームを行い、勝利したブレイザーズが第8シードとしてプレイオフ進出を果たした。東地区は8位のオーランド・マジックがワシントン・ウィザーズに7.5ゲーム差をつけていたため、プレイインゲームは行われなかった。
この試合が非常に盛り上がったこともあり、短縮日程(各チーム72試合制)で開催された翌2020-21シーズンにもプレイイン・トーナメントの導入が決定。現行フォーマットである7~10位の4チーム(東西合計8チーム)による順位決定戦が行われるようになった。このときは、西地区8位だったゴールデンステイト・ウォリアーズが2連敗してプレイオフを逃した一方、同9位のメンフィス・グリズリーズが2連勝してプレイオフ進出を果たすという逆転劇が起こった。
通常日程(各チーム82試合制)に戻った2021-22シーズンも同様に導入されることが開幕前に決定し、さらに2022-23シーズン開幕前には正式に導入されることが決定。現行形式としては今年で導入3年目となる。