【解説】NBAのプレイイン・トーナメントとは?

大西玲央 Reo Onishi

及川卓磨 Takuma Oikawa

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NBAプレイイン・トーナメントの仕組み

日本時間4月15日(現地14日)に2023-2024レギュラーシーズンの全日程を終了したNBAは、17日(現地16日)からプレイイン・トーナメント、21日(現地20日)からプレイオフが始まる。

ここでは、2020-2021シーズンから現行フォーマットとして導入されているNBAのプレイイン・トーナメントの仕組みを解説する。

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プレイイン・トーナメントとは? 

NBAのプレイイン・トーナメントは、プレイオフに進出する第7シードと第8シードのチームを決めるための順位決定戦だ。東西各カンファレンスごとに行われる。

レギュラーシーズン最終成績及び順位により、プレイオフ進出境界線上のチーム(プレイオフ自動出場を勝ち取ったチームとプレイオフ逸失が決定したチーム以外のチーム)が、プレイオフ出場権を争う短期決戦だ。レギュラーシーズン終了後、プレイオフ開幕前に行われる。

プレイオフはレギュラーシーズンを勝ち抜いた上位チームによる優勝決定戦である一方、プレイインはそのプレイオフに進むために残された最後の2枠(東西合計4枠)を争う順位決定戦である。

プレイイン・トーナメントの出場チームは?

プレイイン・トーナメントには、東西各カンファレンスのレギュラーシーズン7位~10位の4チーム(東西合計8チーム)が出場する。2023-24シーズンの出場チームは以下の通り。

イースタン・カンファレンス

7位 フィラデルフィア・76ers(47勝35敗)
8位 マイアミ・ヒート(46勝36敗)
9位 シカゴ・ブルズ(39勝43敗)
10位 アトランタ・ホークス(36勝46敗)

ウェスタン・カンファレンス

7位 ニューオーリンズ・ペリカンズ(49勝33敗)
8位 ロサンゼルス・レイカーズ(47勝35敗)
9位 サクラメント・キングス(46勝36敗)
10位 ゴールデンステイト・ウォリアーズ(46勝36敗)

プレイイン・トーナメントの対戦カードは?

プレイイン・トーナメントではまず、各カンファレンスの7位と8位、9位と10位がそれぞれ対戦する。7位対8位の勝利チームは第7シードとしてプレイオフ進出が決定する。敗戦チームは9位対10位の勝利チームと第2戦を戦い、勝ったほうが第8シードとしてプレイオフ進出となる。

つまり、7~8位のチームはプレイイン最大2試合のうち1勝すればプレイオフ進出となるが、9~10位のチームはプレイインで2連勝しないとプレイオフに進出できない。

2023-24シーズンのプレイイン・トーナメントの対戦カードは以下の通り。

イースタン・カンファレンス

①ヒート 対 76ers:勝者が第7シードでプレイオフ進出。敗者は③へ。
②ホークス 対 ブルズ:勝者は③へ。敗者は敗退。
③ ②の勝者 対 ①の敗者:勝者が第8シードでプレイオフ進出。敗者は敗退。

ウェスタン・カンファレンス

①レイカーズ 対 ペリカンズ:勝者が第7シードでプレイオフ進出。敗者は③へ。
②ウォリアーズ 対 キングス:勝者は③へ。敗者は敗退。
③ ②の勝者 対 ①の敗者:勝者が第8シードでプレイオフ進出。敗者は敗退。

プレイインゲームの開催地はどこ?

レギュラーシーズン順位の高いほうのチームの本拠地で試合を開催する。

プレイイン・トーナメントの日程・中継・放送予定は?

2023-24シーズンのプレイイン・トーナメントは4月17~20日(現地16~19日)に行われる。中継はNBA公式動画配信サービス『NBA Rakuten』と『WOWOW NBA』でライブ及び見逃し配信される予定だ。各試合の日程は以下の通り。

日本時間4月17日(現地16日)

①午前8:30 (西8位)レイカーズ 対 (西7位)ペリカンズ
②午前11:00 (西10位)ウォリアーズ 対 (西9位)キングス

日本時間4月18日(現地17日)

③午前8:00 (東8位)ヒート 対 (東7位)76ers
④午前10:30 (東10位)ホークス 対 (東9位)ブルズ

日本時間4月19日(現地18日)

試合なし

4月20日(現地19日)

時間未定  ③の勝者 対 ①の敗者
時間未定  ④の勝者 対 ②の敗者

プレイイン・トーナメントはいつ、なぜ始まった? 

新型コロナウイルスの感染拡大によるシーズン中断期間を経て再開された2019-20レギュラーシーズン終了後、東西各カンファレンスの第8シードを決める順位決定戦として実施されたのが、NBA史上初めてのプレイイン・トーナメントだった。

このときは、各チーム8試合の再開シーズンを含むレギュラーシーズン全日程を終えた時点の順位で、8位のチームと4ゲーム差以内の9位のチームが1試合のプレイインゲームを行い、勝ったチームが第8シードを得る、という方式で実施された。再開シーズンがわずか8試合という短期日程であり、かつ各チームの試合数が不揃いだったという事情から、プレイオフ進出チーム決定の公平性を保つために導入された。

その結果、西地区8位のポートランド・トレイルブレイザーズと0.5ゲーム差で9位だったメンフィス・グリズリーズがプレイインゲームを行い、勝利したブレイザーズが第8シードとしてプレイオフ進出を果たした。東地区は8位のオーランド・マジックがワシントン・ウィザーズに7.5ゲーム差をつけていたため、プレイインゲームは行われなかった。

この試合が非常に盛り上がったこともあり、短縮日程(各チーム72試合制)で開催された翌2020-21シーズンにもプレイイン・トーナメントの導入が決定。現行フォーマットである7~10位の4チーム(東西合計8チーム)による順位決定戦が行われるようになった。このときは、西地区8位だったゴールデンステイト・ウォリアーズが2連敗してプレイオフを逃した一方、同9位のメンフィス・グリズリーズが2連勝してプレイオフ進出を果たすという逆転劇が起こった。

通常日程(各チーム82試合制)に戻った2021-22シーズンも同様に導入されることが開幕前に決定し、現行形式としては今年で導入4年目となる。

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大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。

及川卓磨 Takuma Oikawa

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スポーティングニュース日本版編集長。千葉県生まれ、茨城県育ち。2000年日本大学卒。大学在学時を含めて丸14年間バスケットボール専門誌の編集者として企画立案・取材・執筆・編集・誌面制作・マルチメディア運営等に携わる。2013年秋にNBA日本公式ウェブサイト『NBA Japan』編集長就任。サイトやNBA日本公式ソーシャルメディアの新規開設に携わると同時にメディア運営を主導。2022年4月より現職。主な競技経験はバスケットボール、野球、サッカー。