NBAは今季もクリスマスデーに魅力的な対戦カードをそろえている。
その筆頭は、過去3シーズンのファイナルで顔を合わせたクリーブランド・キャバリアーズとゴールデンステイト・ウォリアーズの再戦だ。だが、ほかにも今季競えそうなチームや将来競えそうなチームがうまくバランスの取れたカードとなっている。レブロン・ジェームズやジェームズ・ハーデンといったビッグネームから、ジョエル・エンビードやカール・アンソニー・タウンズといった有望選手たちまで、スターも勢ぞろいだ。
それを踏まえたうえで、今年のクリスマスデーのカードを見てみよう。
フィラデルフィア・76ers対ニューヨーク・ニックス: ユニコーンの対決 AM 2:00~ Rakuten NBA Special / NBAリーグパス
クリスマスデーの初戦は「ユニコーン同士の対決」と言える。この対戦で興味深いのは、ベン・シモンズとエンビード、そしてクリスタプス・ポルジンギスの対決だが、それぞれ異なる理由から彼らはユニコーン=稀有な存在と言えるだろう。
ペイント外では得点源として脅威にならないにもかかわらず、シモンズはオールスター選出レベルのパフォーマンスを披露している。また、エンビードはどのチームも現代のNBAでセンターに望むすべてを持ち合わせている選手だ。リングを守り、高さで競え、ポストでピック&ポップや自らショットを打つこともできる。また、ポルジンギスはビッグマンながら守備も向上を続けているところだ。
彼らはそれぞれ24歳に満たず、いつか各々のポジションでリーグ最高の選手となるだけのポテンシャルを有している。また、ニックスと76ersはそれぞれプレイオフ進出を競うだろう。現状で、マイアミ・ヒートを含めた3チームが、イースタン・カンファレンス8位の座を争っている。それだけに、こういった試合はプレイオフ進出に向けて大きな意味合いを持つ可能性があるのだ。
クリーブランド・キャバリアーズ対ゴールデンステイト・ウォリアーズ: ドウェイン・ウェイドのインパクト AM 5:00~ Rakuten NBA Special / NBAリーグパス
カイリー・アービングがいなくなったこと以外に、昨季と今季のキャバリアーズの最大の違いと言えば、今季はリーグ最高級の控え選手を擁しているという点だ。昨季はジェームズがコートにいないときに対戦相手に苦しめられていたキャバリアーズだが、現在は彼がベンチにいても相手を上回っている。
その点で大きく成功している要因が、ウェイドの存在だ。スターターとしては苦しんだが、控えガードの筆頭となったことで、自分と仲間のためのプレイをするのに必要な自由を手にした。『NBA.com』によると、ウェイドが出場し、ジェームズがベンチにいるとき、キャバリアーズは100ポゼッションごとに107.0得点を記録。その間に相手を99.4得点に抑えており、100ポゼッションごとのネットレーティングは7.6得点を記録している。
あとは、ウェイドがNBA最高級のチームを相手にしても、そのレベルを見せることができるかどうかだ。ウォリアーズはその相手として格好の存在だろう。昨季のファイナルで、ジェームズがコートにいた212分間はウォリアーズがキャバリアーズを上回ったのは7得点だが、ジェームズがベンチにいた28分間はその数字が27得点だった。
ジェームズがコートにいる限り、キャバリアーズがウォリアーズに競えるのは明白だ。よって、ウェイドがセカンドユニットのリーダーとして差を縮められるかどうかが注目される。
ワシントン・ウィザーズ対ボストン・セルティックス: 昨季最大のライバル関係 AM 7:30~ NBAリーグパス / WOWOW(AM 7:15~)
もはやNBAに本当のライバル関係にあるチームは多くないが、過去2シーズンのウィザーズとセルティックスはそういう関係だった。昨季は両チームがイースタン・カンファレンスで好成績を収めただけに、なおのことエキサイティングだった。レギュラシーズンで何度か激しいぶつかり合いを演じた末に、両チームはプレイオフのカンファレンス・セミファイナルで対戦。7試合の末にセルティックスが制している。
それから多くのことが変わった。特にセルティックスだ。ウィザーズの先発は昨季と同じだが、セルティックスはスターターが4人(アービング、ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウン、アーロン・ベインズ)が変わり、ベンチメンバー(ダニエル・テイズ、シェーン・ラーキン、シェミ・オジェレイ)も新しくなった。ジェイ・クラウダーと特にアイザイア・トーマスの退団は大きい。両チーム間の騒動の多くは、彼らがその中心にいたからだ。
ウィザーズとセルティックスはもう“ライバル”ではないが、クリスマスデーの対戦が興味深いことは変わらない。今季のセルティックスは力強いスタートでイースト首位に立っている。ウィザーズは苦しんだが、昨季の同時期と同様の成績だ。
プレイオフで再び彼らが顔を合わせる可能性は大いにある。そして両チームとも、キャバリアーズを倒すことを目指している。
ヒューストン・ロケッツ対オクラホマシティ・サンダー: 攻撃のロケッツと守備のサンダー AM 10:00~ NBAリーグパス / WOWOW(27日 PM 12:00~ 録画放送)
今季のサンダーは大きく失望させているが、リーグ有数のチームと渡り合ったときもある。
例えば、前半に23点リードを手にしたサンアントニオでのスパーズ戦(ただし結果は敗戦)。または、ラッセル・ウェストブルックが34得点、10リバウンド、9アシストを記録し、ポール・ジョージとカーメロ・アンソニーが合計42得点をマークするなど、17点差で勝利したウォリアーズ戦だ。あるいは、ジョージの今季自己最多36得点でミネソタ・ティンバーウルブズ相手の連敗を2で止めた一戦もそうだろう。
問題は、ここまでは良いところ以上に悪いところが目立っていることだ。だからこそレイカーズとクリッパーズのロサンゼルス勢に連敗しながらも、まだリーグ首位の成績を残しているロケッツを相手に堅実なプレイを見せられれば、後半戦に向けて良いステップアップとなる。
少なくとも、もう一度、サンダーがエリートチームを相手にどう戦うかを目にすることができる。特に守備面だ。現在のロケッツはリーグ最高の攻撃を誇る。一方で、サンダーはリーグ3位の守備だ。リーグで最も“アツい”チームを渡り合っていくチャンスがあるなら、その点でうまくやらなければいけない。
ミネソタ・ティンバーウルブズ対ロサンゼルス・レイカーズ: 油断できないウルブズ PM 12:30~ Rakuten NBA Special / NBAリーグパス
カール・アンソニー・タウンズもまた、NBAで稀有な存在だ。出だしは静かだったジミー・バトラーもMVP候補らしいプレイを見せている。アンドリュー・ウィギンズは爆発的なスコアラーだ。
一方、ブランドン・イングラムもうまくやりこなしつつあり、ラリー・ナンスJr.がコートにいれば誰も安全じゃない。カイル・クーズマはすでに多才なスコアラーとして名をはせている。
また、ウルブズにとっては、プレイオフ進出を望むのであれば、うまく対処しなければいけない類の試合だ。レイカーズはウェスタン・カンファレンスでリーグ最低クラスの成績だが、守備ではリーグ有数のチームのひとつ。今季はプレイオフ進出クラスのチームを数多く苦しめてきた。
原文: NBA on Christmas Day: What to watch for in each game, including Cavs vs. Warriors rematch by Sporting News(抄訳)