6月5日(日本時間6日)、NBA選手会(National Basketball Players Association)は、4日(同5日)にNBA理事会が承認した2019-20シーズンを全30チーム中22チームで再開する計画について、引き続き交渉を続けることを承認した。
4日にNBA理事会に承認された案は、新型コロナウイルス対策を徹底した上で全30チーム中22チームでプレイオフ進出チームを決める8試合のシーディングゲーム、必要に応じてプレイイン・トーナメント(第8シードと第9シードによるプレイオフ出場決定戦)、そして通常通りのプレイオフをフロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー社のスポーツ施設で開催する、というもの。再開予定日は7月31日(同8月1日)、NBAファイナルは遅くとも10月12日(同13日)までに終了し、2019-2020シーズンを完了する予定となっている。
この案の通りにシーズンが再開される場合、『AP』は最大の懸念点として、選手、チーム関係者が受ける検査体制が整うかどうかを挙げている。
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NBAのシーズン再開に関しては、メディカルガイドラインが最も重要な位置を占める。リーグも選手も、安全性に関しては最大限の注意を払う必要があることを理解しているだろう。選手たちは、プレイしている場合を除いてソーシャルディスタンスを取る必要があり、ディズニー社のスポーツ施設に到着後も自主隔離を続け、同施設に滞在中は連日検査を受けなければいけなくなる。
また、選手やコーチは、少なくとも9月までは家族を同施設に呼び寄せることはできないと見られている。
NBAとNBPAは、ディズニー社の施設で公式戦が行なわれる期間中、選手またはコーチに陽性反応が出た場合に備え、メディカルプロトコルの確立に向けて話し合いを続けている。
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また、APは再開後のシーディングゲーム、再開シーズンから外れたチーム、来シーズンが後ろ倒しになる可能性があることから考えられる東京オリンピックへの影響などについてもリポートしている。
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イースタン・カンファレンスは、7位のブルックリン・ネッツと8位のオーランド・マジックとの差はわずか0.5ゲーム差で、9位のワシントン・ウィザーズはマジックを5.5ゲーム差で追っている。
ウェスタン・カンファレンスの争いはさらに険しく、6チーム(メンフィス・グリズリーズ、ポートランド・トレイルブレイザーズ、ニューオーリンズ・ペリカンズ、サクラメント・キングス、サンアントニオ・スパーズ、フェニックス・サンズ)で8位を争う形になる。
ウェスト首位でプレイオフに進出する可能性が高いロサンゼルス・レイカーズは、ファーストラウンドで競争を勝ち上がってポストシーズンに臨んでくるチームを相手にするため、短期間でプレイのキレを取り戻す必要がある。
(中略)
NBAドラフトが10月15日(同16日)に行なわれる予定のため、2020-21シーズン開幕は12月1日(同2日)になると見られている。つまり、デトロイト・ピストンズ、シカゴ・ブルズ、ニューヨーク・ニックス、アトランタ・ホークス、クリーブランド・キャバリアーズ、シャーロット・ホーネッツ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、ゴールデンステイト・ウォリアーズは、最長で9か月ほどのオフを過ごすようになる。
ホークスのトラビス・シュレンクGMとロイド・ピアース・ヘッドコーチは、5日(同6日)に共同声明を発表した。
「こういう形でシーズンを終えたくはなかった。若い選手が多い我々がシーズン再開プランに含まれず、価値のある試合経験を得られなかったのは残念だ」。
(中略)
仮にNBAが2020-21レギュラーシーズンを通常通りの日程で行なうとすれば、来季のプレイオフは5月下旬からの開幕になり、ファイナルが終わるのは7月下旬ということになる。
そうなると、2021年の7月23日(同24日)開幕予定の東京オリンピックにも影響が出てくる。残る4つの出場枠をかけて争われる最終予選は来年の6月に予定されているため、NBA選手が出場できない可能性も出てくる。
USAバスケットボールのマネージングディレクター、ジェリー・コランジェロは、NBAの来季日程が確定したのちに、東京オリンピックに派遣するチームを選定するプランを決めると話している。
今季のプレイオフを勝ち上がるチームの選手、そして来季もプレイオフまでプレイする選手は、オリンピックまでに十分な休養を得られない。オリンピックに出場するチーム編成は、通常より難しくなりそうだ。
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