2023年夏のNBAのFA選手トップ50:八村塁や渡邊雄太にも注目

Stephen Noh

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NBAのフリーエージェント市場が間もなくに迫っている。6月30日(日本時間7月1日)からだ。

シャーロット・ホーネッツ、ユタ・ジャズ、オーランド・マジック、インディアナ・ペイサーズ、デトロイト・ピストンズ、ヒューストン・ロケッツ、サンアントニオ・スパーズ、サクラメント・キングスには、ビッグネームの一部を狙うキャップスぺースがあると見られている。ほかにも多くのチームがミッドレベル例外条項でローテーションプレイヤーを1人、ないし2人獲得できるはずだ。

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クリスタプス・ポルジンギスやギャリー・トレントJr.など、FAとなる可能性も予想されていた中で、残り少ない契約をオプトインし、FA組から外れた選手たちも多い。

2023年夏に注目すべきFA選手のトップ50を見ていこう。

2023年に注目すべきNBAのトップFA選手

スターター

James Harden
(Getty Images)

1. ジェームズ・ハーデン | ステータス:プレイヤーオプション

プレイオフでの失敗は別にして、ハーデンはまだレギュラーシーズンでファンタスティックな選手だ。ジョエル・エンビードとのプレイにうまく適応し、よりファシリエーターとしての役割を担うようになって、2022-23シーズンは平均21.0得点、リーグ最多の10.7アシスト、6.1リバウンドを記録した。

ハーデンはまだリーグで最高級の選手だ。フィラデルフィア・76ersとの再契約を交渉するにしても、別の球団に行くにしても、3560万ドル(約51億2640万円/1ドル=144円換算)のプレイヤーオプションを破棄すると見られる。

2. カイリー・アービング | ステータス:無制限FA

コートにいる時のアービングは、攻撃面で極めて生産的な選手だ。ブルックリン・ネッツとダラス・マーベリックスで60試合に出場し、平均27.1得点を記録した。

アービングはエリート級のシューターだ。フィールドゴール成功率は49.4%、3ポイントショット成功率は37.9%、フリースロー成功率は90.5%。もう少しで50/40/90超を達成するところだった。

ただ、アービングはコート外での出来事に気をそらされたり、ケガが多い。12シーズンのうち、70試合出場を達成したのは3シーズンだけだ。それでも、彼がどこにも行かないと決めた場合、マーベリックスは彼をチームに残すと見られる。

3. クリス・ミドルトン | ステータス:無制限FA

2022-23シーズンのミドルトンは出場33試合にとどまった。守備でも一歩後退していた。

だが、31歳のミドルトンはまだ数年にわたって得点源の2番手になれるだろう。最後に健康だったシーズンはオールスターに選ばれ、平均20.1得点をマークしている。

ミドルトンは4040万ドル(約58億1760万円)のプレイヤーオプションを破棄し、無制限FAとなっている。

4. ドレイモンド・グリーン | ステータス:無制限FA

グリーンは2760万ドル(約39億7440万円)のプレイヤーオプションを破棄し、市場トップクラスの無制限FA選手のひとりとなっている。

彼はまだワールドクラスのディフェンダーだ。年間最優秀守備選手賞の投票で4位となっており、オールディフェンシブチームには8回選ばれてきた。

ゴールデンステイト・ウォリアーズは彼を残すかもしれない。ただその場合、非常に高額なラグジュアリータックス(ぜいたく税)を払うことになるだろう。現実的にチームを変えるFA選手のなかで最大のビッグネームとなるかもしれない。

Fred VanVleet
(Getty Images)

5. フレッド・バンブリート | ステータス:無制限FA

より大きな契約を求め、2280万ドル(約32億8320万円)のプレイヤーオプションを破棄することを選んだ。ショット成功率の数字は落ちたが、それでも2022-23シーズンは平均19.3得点、7.2アシストを記録している。

バンブリートは2022年にオールスターに選ばれた、タフなディフェンダーで激しい選手だ。

6. ジェレミー・グラント | ステータス:無制限FA

グラントは2022-23シーズン途中にトレードされたポートランド・トレイルブレイザーズと再契約を結ぶとの見方が強かった。だが、別の球団からビッグオファーがあるかもしれない。

攻守両面で優れた選手であり、平均20.5得点、3P成功率40.1%を記録している。リーチの長さと強さがあり、リーグ有数のタフなウィングを守ることができる。大型契約を結ぶはずだ。

7. ブルック・ロペス | ステータス:無制限FA

ロペスは守備的なビッグマンとして最高の選手のひとりだ。2022-23シーズンは年間最優秀守備選手賞の投票で2位だった。リムプロテクトがエリート級で、3Pを多く決めることができるという、非常にまれな能力を兼ね備えている。

35歳という年齢や、2021-2022シーズンの大半を棒に振ることになった腰の問題から、長期契約を結ぶのには少し懸念がある。だがそれでも、来季の彼はまだ非常に優れた選手のはずだ。

8. キャメロン・ジョンソン | ステータス:制限つきFA

ジョンソンはリーグでも数少ない若手の3&D(3Pと守備に優れた)選手だ。27歳で通算3P成功率39.3%を記録している。

Hoops Hype』のマイケル・スコット記者によれば、ジョンソンはフェニックス・サンズとの約7000万ドル(約100億8000万円)の延長契約を断ったという。『The Athletic』のアレックス・シファー記者は、年俸2000万ドル(約28億8000万円)以上が相場としている。トレードデッドライン(トレード期限)で獲得したブルックリン・ネッツは、彼をとどめようとするだろう。彼らには選手にオファーされた金額にマッチする権利がある。

9. オースティン・リーブス | ステータス:無制限FA

リーグで最も複雑な状況にある選手のひとりがリーブスだ。

ロサンゼルス・レイカーズは彼をとどめることができる。だがそのためには、おそらく他チームからのオファーシートにマッチしなければならないだろう。2022-23シーズンのプレイオフでリーブスは平均16.9得点、4.6アシストを記録し、ポストシーズンでの得点力を証明している。

レイカーズはリーブスにどんな金額が提示されてもマッチすると示唆した。今後4年で約1億ドル(約144億円)のコストがかかるだろう。

Nikola Vucevic
(Getty Images)

10. ニコラ・ブーチェビッチ | ステータス:無制限FA

ブーチェビッチはもはやオールスター級のセンターではないが、まだ優れたスコアラーだ。2022-23シーズンは平均17.6得点を記録している。堅実なパサーとシューターでもあり、全82試合に出場するなど稼働率が高い。

ディフェンダーとして優れたものを持っているわけではないが、精神的なミスを犯すことなく、チームのスキームをしっかり実行できる。32歳という年齢だけに、まだ数年はスターターとして活躍できるはずだ。

11. ヤコブ・パートル | ステータス:無制限FA

トロント・ラプターズはトレードデッドラインでパートルを獲得するためにドラフト1巡目指名権をトレードした。だから、彼を残そうとする可能性はあるはずだ。

パートルはラプターズを向上させた。それは彼がこれまで常にやってきたことだ。素晴らしいディフェンダーであり、優れたパサーであり、堅実なロールマンだ。

シューターとしては限界があり、フリースローは試合の終盤でマイナスとなるかもしれない。

12. ディアンジェロ・ラッセル | ステータス:無制限FA

ポストシーズンに入る前は、レイカーズ復帰が素晴らしい賭けと思われた。だが、いくつか不安定な試合があったことで、彼の未来は不透明になっている。

ラッセルは優れたシューターであり、スコアラーだ。しかし、時にショットセレクションが問題となる。プレイオフでは守備で標的にもされた。

13. カイル・クーズマ | ステータス:無制限FA

クーズマはワシントン・ウィザーズで優れたオールラウンドプレイヤーになった。2022-23シーズンは自己最多の平均21.2得点を記録している。パスの力も上がり、自己最多の平均3.74アシストをマークした。6フィート9インチ(約206センチ)と恵まれたサイズを持ち、ディフェンダーとしても向上している。

クーズマは1300万ドル(約18億7200万円)のプレイヤーオプションを破棄し、無制限FAとなっている。

14. ラッセル・ウェストブルック | ステータス:無制限FA

ウェストブルックはロサンゼルス・クリッパーズに加入してからキャリアを好転させた。レイカーズではショットが決まらずフィットしなかったが、まだ攻撃をつくることができ、適切な状況ならリムに到達できることを証明した。

もはやスター選手ではないが、まだ優れたポイントガードであり、相手の守備に大きなプレッシャーをかけることができる。

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準スターター

Christian Wood
(Getty Images)

15. クリスチャン・ウッド | ステータス:無制限FA

マーベリックスはFAでウッドを手放すと見られる。優れた3Pシューターだが、守備での規律のなさが出場時間に影響した。

16. ディロン・ブルックス | ステータス:無制限FA

メンフィス・グリズリーズは、ブルックスを戻すつもりがないことをうかがわせた。オールディフェンシブ・セカンドチームに選ばれたが、ショットセレクションや態度の問題で扱いが難しくなり得る。

17. ハリソン・バーンズ | ステータス:無制限FA

11年のキャリアを持つベテランは、まだうまくショットを放ち、得点をあげ、守ることができる。

18. ジョーダン・クラークソン | ステータス:プレイヤーオプション

クラークソンはすぐに攻撃で貢献できる選手だが、守備では苦戦することがある。

19. グラント・ウィリアムズ | ステータス:制限つきFA

ボストン・セルティックスはウィリアムズをとどめておく余裕がないかもしれない。激しく守備できるディフェンダーであり、有能な3Pシューターだ。

Josh Hart 04172023
(NBA Getty Images)

20. ジョシュ・ハート | ステータス:プレイヤーオプション

ニューヨーク・ニックスにとってはトレードで良い補強となった。ハートはコート上でほとんどのことをやってくれる。ただ、ショットを打つのをためらいがちだ。

21. 八村塁 | ステータス:制限つきFA

八村はレイカーズで極めて良いプレイをした。レイカーズは彼をとどめようとすると見られる。

22. キャリス・ルバート | ステータス:無制限FA

ルバートはリムへのプレッシャーをもたらし、ドリブルからショットをつくることができる。

23. PJ・ワシントン | ステータス:制限つきFA

ワシントンは優れた3Pシューターでありリバウンダーだ。守備では問題になる時がある。

24. マックス・ストゥルース | ステータス:無制限FA

ノックダウンシューターのストゥルースは、プレイオフでのパフォーマンスで評価を高めた。

ローテーションプレイヤー

Bruce Brown
Getty Images

25. ブルース・ブラウン | ステータス:無制限FA

ブラウンはナゲッツにとって重要なローテーションプレイヤーだった。守備がタフで、攻撃でも合わせるやり方を見つける。680万ドル(約9億7920万円)のプレイヤーオプションを破棄して無制限FAとなった。

26. ジョー・イングルズ | ステータス:無制限FA

ひざの前十字じん帯断裂から戻ったイングルズは2022-23シーズン、ミルウォーキー・バックスで3P成功率40.9%を記録している。

27. トレイ・ジョーンズ | ステータス:制限つきFA

ジョーンズはミスのないポイントガードで、ピック&ロールのスキルが優れている。ただ、ショットが不安定なこととサイズのなさが問題だ。

28. ゲイブ・ビンセント | ステータス:無制限FA

ストゥルース同様、ビンセントもプレイオフでは好調なショットとタフな守備で価値を大きく高めた。

29. アレック・バークス | ステータス:チームオプション

バークスは過小評価されている攻守両面で優れた選手だ。堅実な守備とショットをもたらす。デトロイト・ピストンズは契約最終年をオプトインするだろう。

30. ジェボン・カーター | ステータス:無制限FA

カーターはタフなディフェンダーであり、優れたシューターだ。ただ、自分で攻撃をつくることはあまりできない。バックスにとって良いロールプレイヤーだった。

31. ジェイ・クラウダー | ステータス:無制限FA

バックスはクラウダーを獲得するために5つのドラフト2巡目指名権を放出したが、プレイオフではあまり起用することはなかった。サイズはまずまずだが、むらのあるシューターだ。

Donte DiVincenzo
(Getty Images)

32. ドンテ・ディビンチェンゾ | ステータス:プレイヤーオプション

ディビンチェンゾはおそらく契約をオプトアウトするだろう。そしてそのショット能力から報われるはずだ。

33. ケリー・ウーブレイJr. | ステータス:無制限FA

ウーブレイJr.は優れたスコアラーだが、直感がさえず、守備が良くない。しかし、どのチームも攻撃力を必要とするものだ。

34. ダリオ・シャリッチ | ステータス:無制限FA

シーズン途中にトレードされたオクラホマシティ・サンダーで良いプレイを見せた。身体能力に関してはいくらかの限界があるが、賢い選手だ。

35. コービー・ホワイト | ステータス:制限つきFA

ホワイトは優れた3Pシューターで、ディフェンダーとしてもパサーとしても向上した。

36. トレイ・ライルズ | ステータス:無制限FA

ライルズは優れたストレッチビッグで、2022-23シーズンはサクラメント・キングスで良いプレイをした。

37. セス・カリー | ステータス:無制限FA

全盛期は過ぎた。守備での限界でプレイするのが厳しくなっている。だが、ショットが極めて良い選手だ。2022-23シーズンは3P成功率40.5%だった。

38. ジョージ・ニアン | ステータス:無制限FA

身体能力のなさから「ミニバン」というニックネームをつけられた。守備ではその点が問題となる。だが、彼は優れたシューターだ。

Lonnie Walker IV
(Getty Images)

39. ロニー・ウォーカー四世 | ステータス:無制限FA

ウォーカー四世はプレイオフで力強いプレイを見せた。うまく得点をあげられることを示している。

40. アンドレ・ドラモンド | ステータス:プレイヤーオプション

ドラモンドはプレイヤーオプションを行使する計画だ。素晴らしいリバウンダーであり、リーグ有数のバックアップセンターである。

41. デニス・シュルーダー | ステータス:無制限FA

役割に徹している時のシュルーダーは良い選手だ。しかし、時に彼はあまりに多くをやろうとしすぎで、それが浮き沈みにつながっている。

42. マリーク・ビーズリー | ステータス:チームオプション

ビーズリーは守備に難があるが、多くを決めることができる3Pシューターだ。

43. トーリー・クレッグ | ステータス:無制限FA

サンズでのクレッグはスターターとベンチスタートを行き来してきた。優れたディフェンダーだが、攻撃で受け身になりすぎる問題がある。

Yuta Watanabe Brooklyn Nets
(Getty Images)

44. 渡邊雄太 | ステータス:無制限FA

渡邊はシーズンの大半でリーグをリードする3P成功率を記録し、最終的に44.4%をマークした。

45. ジェイレン・マクダニエルズ | ステータス:無制限FA

マクダニエルズは身体能力が優れた良いディフェンダーだが、3Pがやや不安定だ。

46. メイソン・プラムリー | ステータス:無制限FA

プラムリーはミスが少ない優れたバックアップセンターだ。しかし、ショット能力に関しては非常に限界がある。

47. ポール・リード | ステータス:制限つきFA

リードは身体能力に優れ、ブロックができるが、ドック・リバース・ヘッドコーチのローテーションで居場所を見つけるのに苦労した。

48. パトリック・ベバリー | ステータス:無制限FA

ベバリーはシーズン終盤にブルズで良いプレイをし、リーダーシップを発揮して、守備でのインテンシティーをもたらした。ここ数シーズンでショットは不安定になっており、攻撃では脅威にならない。それでも、堅実なバックアップだ。

49. ジョシュ・リチャードソン | ステータス:無制限FA

リチャードソンは8年のキャリアを持つベテランで、ウィングで堅実な守備を見せ、オープンな3Pを決める選手だ。

50. トーマス・ブライアント | ステータス:無制限FA

ブライアントは才能あるスコアラーで、優れた控えのビッグマンだ。ただ、守備に限界がある。

原文:NBA free agents 2023 Big Board: Ranking top 50 players, including Kyrie Irving, James Harden & Draymond Green(抄訳)

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.