ファイナル第4戦でヒートを悩ませた5つのプレイ

Scott Rafferty

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NBAファイナル第4戦は、どちらに転んでもおかしくなかった。

試合の大半でロサンゼルス・レイカーズがリードしたが、終盤にマイアミ・ヒートが追いつき、あるいは逆転する機会も何度かあった。第3戦と似ていたが、第4戦はヒートではなく、レイカーズが試合最大のビッグプレイを見せている。

ヒートのエリック・スポールストラ・ヘッドコーチは、試合後に「拮抗していた」と話している。

「いくつか正念場という瞬間があった。結局はプレイを決めたかどうかなんだ」。

「前回の試合は最後に我々が多くのプレイを決めたが、今夜は彼らだった。いくつかビッグショットを決められたよ。(ケンテイビアス・コールドウェル)ポープのショットはもちろん大きかったし、(アンソニー)デイビスが決めたショットは決め手になった。もちろん、レブロン(ジェームズ)は終盤に足跡を残したね。彼らはたくさんオフェンシブリバウンドを拾ってセカンドチャンスとした。我々が本当にうまく守り、止めたところから、彼らは別のチャンスを手にすることができたんだ」。

「だが、これこそぶつかり合いだ。両チームがすごい力で競っていた。どちらのチームにも、どのクォーターでも、決してあきらめる者はいなかった。あとは終盤でいくつかプレイを決めなければいけない。自分たちにそれができなかったとは思わないよ。ただ、彼らはそれ以上にショットを決めた」。

ヒートがやり直したいと願うようなプレイは、特に以下の5つだ。

バム・アデバヨのルースボール・ファウル

第3Q終了間際、バム・アデバヨはルースボールを競ってアンソニー・デイビスに対してファウルを犯した。ボーナスに入っていたため、キャリア通算80.2%の成功率を記録しているデイビスに、2本のフリースローを与えることになった。

デイビスは2本ともFTを決め、レイカーズのリードは5点に。2ポゼッションゲームとして第4Qを迎えた。

ラジョン・ロンドのクラッチリバウンド

レブロン・ジェームズが好むひとつが、ピック&ロールでガードが自分のためにスクリーンをかけ、ペリメーターでの守備が対戦チームで最も弱い選手に自分のマークをスイッチさせることだ。

3点差の第4Q半ば、ジェームズはロンドにスクリーンをさせ、スイッチで自分のマークをタイラー・ヒーローにしようとした。ヒートはそれを嗅ぎつけ、スクリーンの前にジェイ・クラウダーをロンドにつけ、ジェームズに長距離の3ポイントショットを打たせた。

ヒートは望んだようにジェームズにそのショットを打たせたが、ポゼッションを終わらせることができなかった。ロンドがオフェンシブリバウンドを拾ったのだが、それだけではない。

ボールは結局、リング下のジェームズに渡ることになった。そしてレイアップを試みたジェームズにクラウダーがファウル。ジェームズは2本ともFTを決め、レイカーズのリードは5点となった。

ポープのクラッチリバウンド

それから1分も経たないうちに、ロンドは再びオフェンシブリバウンドに関与した。再び、ジェームズの3Pが外れたところからだ。ただ、今度はボールがコールドウェル・ポープに渡った。

結末は似たようなかたちだ。ボールは最終的にジェームズの手に渡り、彼がクラウダーにファウルされ、さらに2本のFTを手に入れて、レイカーズのリードを5点に戻したのである。

第4戦のレイカーズはオフェンシブリバウンド10を記録し、セカンドチャンスから12得点をあげた。

6点分のプレイ

残り3分強で2点ビハインドだったヒートは、ジミー・バトラーがコーナーからワイドオープンの3Pを外した。

レギュラーシーズンのバトラーは、3Pがリーグで最も良くない選手のひとりだった。だが、プレイオフでは1試合平均2.0本の3P試投で34.2%の成功率と堅実に決めている。頻繁に打つショットではないが、決められるショットということだ。

バトラーのショットミスを、ジェームズはコールドウェル・ポープの3Pへとつなげた。第4戦でのレイカーズのトランジションからの得点は、わずか7得点。そのうちの3得点がこの場面だったのだ。

ショットクロック・バイオレーション

第4Q残り2分25秒、首の負傷で第2戦と第3戦を欠場し、第4戦で復帰したアデバヨが、ジェームズを相手にミドルレンジのジャンプショットを決めた。だが、僅差でショットクロックが終わっており、得点は認められなかった。

アデバヨの得点がカウントされていたら、ヒートは点差を3点に縮めていた。

気落ちするヒートに追い打ちをかけたのが、コールドウェル・ポープのレイアップだ。ポープの15得点目で、レイカーズは残2分2秒でリードを7点に広げたのである。

この一連の流れは、ヒートにとってとどめとなった。

原文:NBA Finals 2020: Five plays from Game 4 that will haunt the Miami Heat by Scott Rafferty/NBA Canada(抄訳)​


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Scott Rafferty is an experienced NBA journalist who first started writing for The Sporting News in 2017. There are few things he appreciates more than a Nikola Jokic no-look pass, Klay Thompson heat check or Giannis Antetokounmpo eurostep. He's a member of the NBA Global team.