プレイオフに出場できなかった14チームが待ち望んでいた日がやってきた。
5月17日(日本時間18日午前9時)にNBAは、6月23日(同24日)に行われる2022年NBAドラフトでトップ14チームの抽選順位を決める恒例の抽選会(NBAドラフトロッタリー2022)を実施する。
ワースト3の成績でシーズンを終えたヒューストン・ロケッツ、オーランド・マジック、デトロイト・ピストンズがドラフトで全体1位指名を獲得する確率はそれぞれ14.0%で、それに続くのがオクラホマシティ・サンダー(12.5%)とインディアナ・ペイサーズ(10.5%)だ。
抽選に参加する全14チームが全体1位指名獲得を望んでいるが、この日の興味深いストーリーはそれだけではない。
2022年NBAドラフトで全体1位指名を受けるのは誰?
今年のドラフトで1位指名候補とされている選手は3人いる。
チェット・ホルムグレン:
彼はゴンザガ大学での1シーズンで、1試合平均14.1得点、9.9リバウンド、3.7ブロック、フィールドゴール成功率60.7%、3ポイントシュート成功率39.0%を記録している。7フィート(約213cm)の身長で体重195ポンド(約88.5kg)とかなり細身の体格がNBAで通用するのかという懸念はあるものの、彼は我々が長い間見てきた中で最もユニークな有望な選手のひとりだ。
パオロ・バンケロ:
彼はデューク大学の1年目のシーズンで、1試合平均17.2得点(FG成功率47.8%)を記録し、爆発的なスコアラーであることを証明した。『スポーティングニュース』のカイル・アービング記者は、最新のビッグボードとモックドラフトの両方で彼を1位に選び、「このクラスで最もNBAの準備ができている有望選手」と呼んだ。
ジャバリ・スミス:
彼はオーバーン大学1年目で、1試合平均16.9得点、7.4リバウンドとダブルダブルに近い記録を残し、3P成功率42.0%をマークした6フィート10(約208cm)のフォワードで、全チームが加えたいと考えるタイプのフロントコート・プレイヤーだ。
おまけにスミスは先週19歳になったばかりで、このクラスでは最年少の選手の1人でもある。
ここ最近のドラフトとは異なり、今回は明確な1位指名候補者がいない。どの選手が最初に選ばれるのかは、最終的にどのチームがロッタリーで1位指名権を獲得するかにかかっている。
レイカーズのドラフト指名権はどこへ?
ロッタリーで特に注目すべきチームが1つある。
33勝49敗という成績でシーズンを終え、プレイイン・トーナメント進出を逃したレイカーズは、2022年のNBAドラフトで4位以上の指名権を獲得する確率が26.2%になった。ここで大事なのは、実際にはレイカーズは指名しない点だ。
その指名権について知っておくべきことは、レイカーズに代わって指名権を得たのはニューオーリンズ・ペリカンズだということ。そして、それはペリカンズにとって大きな意味を持つ。
今季のペリカンズはスロースタートとなったが、最終的にはプレイイン・トーナメント2回戦でロサンゼルス・クリッパーズを破り、ウェスタン・カンファレンスの第8シードを獲得。プレイオフ・ファーストラウンドでサンズに6試合で敗れたものの、ブランドン・イングラム、CJ・マカーラム、そして(願わくば健康な)ザイオン・ウィリアムソンが率いる上昇中のチームであることを証明した。
ペリカンズは今、チームのコアにもう1人の有望選手を加えるか、もしくは指名権を使ってほかの選手を狙う機会を得ることになる。最も可能性の高いのは8位指名だが、ペリカンズは過去にはるかに悪い確率でロッタリーに勝ち、全体1位指名を獲得した経験がある。
ピースを集めるブレイザーズ
計画通りに行かなかったシーズンといえば、8年連続でのポストシーズン出場に終わりを迎えたトレイルブレイザーズだ。チームは27勝という、2005-06シーズン以来となるフランチャイズで最も少ない勝利数でシーズンを終えた。
良いニュースは、2022年のNBAドラフトで1位指名権を獲得する確率がブレイザーズよりも良いのは5チームだけだということである。
NBAドラフトロッタリー参加チームと全体1位指名獲得確率
チーム | 成績 | 勝率 | 1位獲得確率 |
ロケッツ | 20勝62敗 | 24.4% | 14.0% |
マジック | 22勝60敗 | 26.8% | 14.0% |
ピストンズ | 23勝59敗 | 28.0% | 14.0% |
サンダー | 24勝58敗 | 29.3% | 12.5% |
ペイサーズ | 25勝57敗 | 30.5% | 10.5% |
ブレイザーズ | 27勝55敗 | 32.9% | 9.0% |
キングス | 30勝52敗 | 36.6% | 7.5% |
レイカーズ(ペリカンズに譲渡) | 33勝49敗 | 40.2% | 6.0% |
スパーズ | 34勝48敗 | 41.5% | 4.5% |
ウィザーズ | 35勝47敗 | 42.7% | 3.0% |
ニックス | 37勝45敗 | 45.1% | 2.0% |
クリッパーズ(サンダーに譲渡) | 42勝40敗 | 51.2% | 1.5% |
ホーネッツ | 43勝39敗 | 52.4% | 1.0% |
キャバリアーズ | 44勝38敗 | 53.7% | 0.5% |
ブレイザーズとその前にいるチームとの違いは、ブレイザーズには来季もそれなりのチャンスがあることだが、もちろん、そこに至るまでにはかなりの道のりがある。
ブレイザーズは今回の指名に成功しなければいけないだけでなく、新たに得たキャップスペースを最大限に活用しなければならない。そしてさらに、長引く腹部の怪我に対処するために手術を受けたデイミアン・リラードが、オールNBAチームのレベルに戻る必要がある。
ブレイザーズのフロントオフィスにとってはかなりのプレッシャーだが、ロッタリーの順位によって、多忙が予想されるブレイザーズのこのオフの動きの方向性が決まるのだ。
サンダーの再建は続く
サンダーにはすでに多くの楽しみがある。
シェイ・ギルジャス・アレクサンダーは、ここ数シーズンのプレイで1試合平均24.2得点、5.9アシスト、4.9リバウンドを記録し、スターの風格を漂わせている。2021年NBAドラフト6位指名のジョシュ・ギディーは、ほとんどの試合でトリプルダブルまであと少しという傑出したルーキーシーズンを終えている。
さらに、ルーゲンツ・ドートはリーグで最も恐れられるペリメーター・ディフェンダーに急浮上し、トレイ・マンはルーキーシーズンで魅力的な得点力を見せ、アレクセイ・ポクシェフスキーはまだ未熟ではあるが、彼のその世界に夢中にならないわけがない。
そして今度は、サンダーはさらにより優秀なタレントを加えることになる。サンダーは独自の1巡目指名権を持ち、それは1位指名権になる確率が12.5%、トップ4に入る確率が48.1%だ。さらに、12位になる確率が86.1%のクリッパーズの指名権も所有している。
まだほかにもある。サンダーは30位と34位の指名権も所有し、2022年のNBAドラフトで合計4つの指名権(1巡目3つ、2巡目1つ)を持っているのだ。
サンダーがポストシーズンにこぎ着けるのはまだ数年先だろうが、その再建は正しい軌道に乗っている。
原文:NBA Draft Lottery 2022: Lakers' pick, first Trail Blazers domino lead major storylines to watch
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc
▶NBA全試合ライブ&見逃し配信 最高の瞬間を『NBA Rakuten』で