2024年のカンファレンス・ファイナルに勝ち残った4チームが最後にプレイオフで最も良い結果を残したのは?

小野春稀 Haruki Ono

2024年のカンファレンス・ファイナルに勝ち残った4チームが最後にプレイオフで最も良い結果を残したのは? image

日本時間4月21日に開幕したNBAプレイオフは、日本時間5月22日にカンファレンス決勝が開幕した。イースタン・カンファレンスはボストン・セルティックスとインディアナ・ペイサーズ、ウェスタン・カンファレンスはミネソタ・ティンバーウルブズとダラス・マーベリックスの顔合わせとなった。

ここでは、カンファレンス決勝に出揃った4チームがプレイオフで最後に最も良い結果を残したシーズンを中心に、その後のチームの変遷などを簡潔にまとめる。

[AD] 楽天モバイル『最強プラン』なら追加料金なしでNBA全試合見放題!

セルティックス :優勝(2008年)

レギュラーシーズンでリーグ最高勝率を記録したセルティックスはプレイオフ1回戦で宿敵のマイアミ・ヒートを、準決勝ではクリーブランド・キャバリアーズを破ってきた。それぞれ4勝1敗という成績を考えると、ここまでは前評判通りの順調な戦いぶりと言えるだろう。

セルティックスはNBA屈指の名門で、その優勝回数はロサンゼルス・レイカーズと並ぶ歴代最多の17回を誇る。だが2008年にポール・ピアース、レイ・アレン、ケビン・ガーネットのビッグ3を擁して優勝してからは、タイトルに手が届いていない。

2017、2018年にはカンファレンス・ファイナルまで進出するもレブロン・ジェームズ擁するキャバリアーズに敗れた。チームの顔がジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンに変わってからも、2022年のNBAファイナル進出を筆頭に、2度のカンファレンス・ファイナル進出を果たすなど多くの勝ち星を積み重ねてきたが、王座には届かなかった。

オフにドリュー・ホリデーとクリスタプス・ポルジンギスを獲得して臨んだ今シーズン、セルティックスはリーグトップの64勝をあげた。18度目のNBAチャンピオンとなれば、テイタムとブラウンを軸に進めてきた彼らのチーム作りは正しかったと証明される。

ペイサーズ:NBAファイナル進出(2000年)

ペイサーズはプレイオフ1回戦でミルウォーキー・バックス、準決勝では7戦までもつれる激戦の末、ニューヨーク・ニックスを破ってきた。東の第6シードである彼らが、カンファレンス決勝まで勝ち上がると予想できた人は多くないだろう。

ペイサーズは優勝経験のないチームのひとつで、最後にファイナルに進出したのは2000年のことだ。当時のペイサーズは、歴代屈指の3ポイントシューターであるレジー・ミラーを中心とするチームだった。同年のファイナルでは、シャキール・オニール&コービー・ブライアントを擁するレイカーズの前に2勝4敗で敗れ、悲願の初優勝はならなかった。

2010-2011シーズンにポール・ジョージが加わってからは東の強豪に舞い戻り、2013、2014年には2年連続でカンファレンス・ファイナルに進出。しかし、いずれもレブロン、ドウェイン・ウェイド、ボッシュらビッグ3率いるヒートに惜しくも敗れた。

2017年のオフにジョージがチームを去ってからも、彼らはコンスタントにプレイオフに出場したが頂点までたどり着くことは出来なかった。

今シーズンのペイサーズは、チームの新しい顔となったタイリース・ハリバートンを中心に1試合平均123.3得点(リーグ1位)を記録し、その爆発的なオフェンス力でリーグを席巻した。シーズン中にトレードで獲得した、パスカル・シアカムという強力なスコアリングオプションも備えている。勢いそのままに初優勝をもたらすことになれば、歴代でもトップクラスのオフェンシブなチームとして名を刻むだろう。

[AD] NBA見るならWOWOW! 地区決勝&ファイナル全試合生中継

ティンバーウルブズ:カンファレンス・ファイナル進出(2004年)

ウルブズはプレイオフ1回戦でサンズをスウィープし、準決勝では前年王者のデンバー・ナゲッツを第7戦で打ち破ってきた。王者ナゲッツとのシリーズでは、驚異的なディフェンス力を存分に見せつけた。

ウルブズもまた優勝経験のないチームだ。NBAファイナルに進出したこともなく、カンファレンス決勝に進むのも2004年以来2回目となる。ウルブズは2003-2004シーズン、MVPに輝いたケビン・ガーネットを中心に西の第1シードを獲得し、プレイオフではカンファレンス決勝まで勝ち進んだものの、レイカーズに2勝4敗で敗れ、初のファイナル進出とはならなかった。2007年のオフにガーネットが去ってからは、10年連続でプレイオフを逃すなどチームはどん底にあった。

2020年にドラフト全体1位でアンソニー・エドワーズを指名し、2022年は第7シードでプレイオフの舞台に復帰した。翌2022-2023シーズンには、NBA屈指のディフェンダーのルディ・ゴベアの獲得に踏み切った。当時ゴベアの獲得には多くの疑問の声もあったが、加入2年目の今シーズンは西の第3シードとリーグNo.1のディフェンスチームの称号を手にし、その批判が間違っていたことを証明した。

9年間ウルブズ一筋でチームを支え続けてきた大黒柱のカール・アンソニー・タウンズ、若きスーパースターのエドワーズ、そしてゴベアを筆頭としたディフェンス職人たち、とチームにはかつてないほどの戦力が揃っている。初めてのタイトルを獲得することが出来れば、今のチームはウルブズの黄金期と呼ばれるに違いない。

マーベリックス:優勝(2011年)

マーベリックスはプレイオフ1回戦でロサンゼルス・クリッパーズ、2回戦では第1シードのオクラホマシティ・サンダーを破りカンファレンス決勝へと駒を進めた。ルカ・ドンチッチとカイリー・アービングを中心に、出場するプレイヤー全員が自分の良さを発揮している印象だ。

マーベリックスの初優勝は2011年まで遡る。相手はレブロン、ウェイド、ボッシュのビッグ3を擁するヒート。相手方の圧倒的有利を予想する声が多いなか、ダーク・ノビツキー率いるマーベリックスが4勝2敗でヒートを破った。

ノビツキーの引退と前後してドンチッチがチームの顔となると、2022年にはカンファレンス決勝に進むもゴールデンステイト・ウォリアーズの前に第5戦で敗れた。2022-2023シーズン途中にはアービングを獲得したが、この年は上手くフィットせずプレイオフに出ることすら出来なかった。

迎えた今シーズン、ドンチッチとアービングのデュオは機能し始め、トレード・デッドラインで獲得したPJ・ワシントンとダニエル・ギャフォードは完璧にフィットした。ここ数年のチーム作りは遂に実を結び、マブスはドンチッチのワンマンチームから、全員が個性を発揮するチームへと変化した。

もしチームに2度目の栄冠をもたらすことが出来れば、ドンチッチはノビツキーに続くダラスのフランチャイズ・プレイヤーになるだろう。

小野春稀 Haruki Ono

小野春稀 Haruki Ono Photo

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。大学生。元はスポーティングニュースのNBAニュースを毎日楽しみにしていた読者であったが、今では縁あってライターとして活動している。小学生の時にカイリー・アービングのドリブルに魅了されNBAの虜に。その影響で中高6年間はバスケに熱中した。主にNBAの記事を執筆している。