6月16日(日本時間17日)、アダム・シルバーNBAコミッショナー、殿堂入り選手のマジック・ジョンソン、シカゴ市のローリ・ライトフット市長がNBAのバーチャル座談会に参加し、構造的人種差別との戦いと長期的な変化をもたらすためのNBAの役割について意見を交わした。
元NBAオールスターのカロン・バトラーが主催したこの座談会は1時間ほど続き、社会が前に進むためにリーグ、チーム、選手たちがそれぞれどういった責任を持っているのかが話し合われた。
#NBATogether Virtual Roundtable begins now.
— NBA (@NBA) June 16, 2020
Tune in as Caron Butler (@realtuffjuice) discusses confronting systemic racism and driving long-term change with NBA Commissioner Adam Silver, @ChicagosMayor Lori Lightfoot & @MagicJohnson. #NBAVoices https://t.co/nMT8bUo7w7
この配信でシルバーNBAコミッショナーは、社会に変化をもたらす上で果たすことができるリーグの役割の大きさを認め、「NBAとWNBAは、世界で最も有名な黒人の多くが選手としてプレイしています。社会がこの動きに注目しているなかで、私たちのリーグが比類なき声を持つことができると考えています」と話した。
「重要な声となるからこそ、私はそれをとても真剣に受け止めています。だからこそ、私はとても慎重に事を進めています。人によっては慎重すぎると感じているかもしれませんが、何かしらことを進めると決断する前に、しっかりと状況を理解し、どうすれば最も大きな形で影響を及ぼすことができるかを理解しておきたいのです」。
より平等な社会を求めて、選手たちがデモの前線に立っていることに関して、シルバーNBAコミッショナーは「これはムーブメントになりつつあります」と語っている。
「現役選手も引退選手も、私はとても誇らしく思っています。素晴らしいことをやっています。NBAコミュニティにとってこれは新しいことではありませんが、時間のかかることです。私がリーグ入りしてから28年経ちますが、それより前からカロンやマジック、そしてこのリーグを築き上げたビル・ラッセルたちのような偉大な選手たちから始まっているのです」。
ジョンソンは、シーズンを再開すれば、選手たちには社会的不正や警察による暴力に対する抗議運動を、より活性化するプラットフォームが提供されると感じていると話した。
「バスケットボールをプレイすることで抗議が止まることはありません。むしろNBAという素晴らしいプラットフォームを持つことで、選手たちには勢いがつくと思っています。共同で変化をもたらすチャンスなのだと理解する必要があります。どうすれば一丸となってそれができるのか。もちろんそれぞれの街や州で個人として活動することもできますが、一同に集まり、『このグループを支援しよう、一緒にやろう、これを信念にしよう』という行動が取れるようになります」。
シルバーNBAコミッショナーは、リーグが取るべき次のステップについて、急ぐのではなく最も最適な道を探すことの重要性を主張した。
「今はまだ耳を傾ける段階にあります。カロンとマジックを含むこのファミリーで一丸となれば、未来に大きな影響を与えることができるはずです」。
全米的な社会不安のなかでプレイを再開させることを一部の選手たちが懸念していることについて、シルバーNBAコミッショナーは再開よりも別のことに集中したいという選手たちの決断も支持することを表明している。
シカゴ・ブルズの本拠であり、米国3番目に大きい都市であるシカゴ市のライトフット市長は、NBAがシカゴだけでなく米国全体に継続的に影響を与えられると語る。
「今はスポーツを求める声が多く、そんななかでNBAはほかのリーグとは別格です。人々はバスケットボールという競技、そしてNBAが象徴するものを愛しています。重要なトピックや、約束事をするにあたって素晴らしいプラットフォームとなっています。若い人たちにとって、憧れの存在である選手たちを通して、今のこの状況について語っていただきたいです」。
「世界中の注目を浴びることとなるので、これから数年間かけて築き上げていくものを、とてもパワフルに、永続的に伝えることができると思います」。
原文:NBA commissioner Adam Silver and Magic Johnson participate in #NBATogether virtual roundtable discussion by Juan Estevez/NBA Argentina