30チームの先発センターランキング|NBA 2023-2024シーズン

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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各ポジションで最強のスターターを擁するチームはどこなのか。そして、その反対となるのはどのチームなのだろうか。

『スポーティングニュース』が、2023-2024シーズンのNBA全30チームのスターターをポジションごとにランキング化した。

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近年、センターの価値は下がっていくばかりだった。だが、リーグのトップを独占してきた、極めて優れたセンターたちもいる。

このランキングで中位より下に位置する先発センターたちですら、試合を支配できるような非常に優れた選手たちだ。ただ、下位5名とそれ以外の差は大きい。トップ25に入るセンターがいなければ、チームは才能の面で大きなハンデに直面することになる。これが、ここでの教訓だ。

NBA 2023-24シーズンのセンターランキング

Nikola Jokic Denver Nuggets 051123
NBA Entertainment

1. 二コラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)

ヨキッチは昨季のNBAで最高の選手だった。プレイオフで活躍し、ナゲッツに初の優勝をもたらすことでそれを証明している。

攻撃の武器として、ヨキッチは現代のNBAで見てきた中で最高のひとりとなる選手だ。ポストで真の脅威となり、フェイダウェイジャンパーは防ぎようがなく、昨季の3ポイントショット成功率は38%。このような選手は数少ない。さらに理不尽なのが、彼はスコアラーとして以上にパサーとして優れているということだ。

常に守備を批判されてきたヨキッチだが、近くで彼を見てきた人たちはずっと、言われている以上に守備が優れていると主張してきた。そして、ヨキッチはその理由を示してみせた。機動性の問題があるのは確かだが、相手の攻撃を阻むコツはつかんでいる。ディフェンダーとしてのポジショニングが賢く、平凡な才能を最大限に生かしているのだ。

2. ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・76ers)

昨季のMVPに輝いたエンビードは、得点マシンに変貌を遂げた。昨季は過去3シーズンで最多となる平均33.1得点をあげている。

エンビードは守備も強力だ。リム付近にいれば、相手チームがアタックするのを怖がらせることができる。メディアもその影響力を認識しており、年間最優秀守備選手賞の投票でエンビードは9位だった。

常にケガが懸念となるエンビードだが、健康な時の彼は常にリーグ最高の選手という座を争える。

3. アンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)

デイビスは攻守両面で優れた選手だ。昨季はリーグで唯一の平均25得点&12リバウンド超を達成した。平均2ブロック&1スティール超も、デイビスのほかに記録したのはジャレン・ジャクソンJr.だけだ。デイビスはリムプロテクトとペリメーターでの守備もセンターで有数の部類に入る。

序盤はMVPや年間最優秀守備選手賞の候補だったが、ケガでシーズン半ばに多くの試合を欠場した。これが常にデイビスの問題となってきた点だ。健康であれば、デイビスは攻守両面でエリートクラスの選手である。

4. バム・アデバヨ(マイアミ・ヒート)

アデバヨは恐るべき何でも屋で、昨季は年間最優秀守備選手賞の投票で5位だった。4回目のオールディフェンシブチーム選出も果たしている。複数の異なるスキームでプレイでき、様々な位置で守ることが可能と、極めて貴重な存在だ。

攻撃でもパサーとして優秀であり、得点力も昨季は平均20.4得点と堅実だった。ただ、長時間にわたって消えてしまうことがあるのと、プレイオフでは得点力が落ちる傾向にある。

5. ドマンタス・サボニス(サクラメント・キングス)

昨季のキングスはオフェンシブレーティングでリーグ最高の攻撃だったが、その中心としてチームを大きく動かしていたのがサボニスだ。スクリナーやパサーとして非常に優れ、ピック&ロールでのディアロン・フォックスとの相乗効果も見事に成長させた。

プレイオフではいくつか欠点もうかがわせた。リバウンドでケボン・ルーニーに苦しみ、ペリメーターで完全にワイドオープンとなった時の試合に及ぼす影響力という点も苦しんだ。だが、攻撃で大きなプラスであることや、リーグ有数の高いスキルを持つビッグマンであることは変わらない。

6. クリスタプス・ポルジンギス(ボストン・セルティックス)

昨季のポルジンギスはワシントン・ウィザーズで平均23.2得点、8.4リバウンド、2.7アシストと自身最高のシーズンだった。3P成功率も自己最高の38.5%と、3Pシューターとして向上し、効率を見事にアップさせている。フリースローもより頻繁に獲得するようになった。3Pを多用するセルティックスの攻撃システムにおいて、大きな武器となるはずだ。

また、ポルジンギスはリムプロテクターとしてもリーグ有数。7フィート3インチ(約221センチ)の高さを生かし、通算平均1.7ブロックを記録している。ペリメーターでうまく守ることはできないが、セルティックスでは周囲に堅実なペリメーターディフェンダーたちがおり、守ってもらえるはずだ。

7. ブルック・ロペス(ミルウォーキー・バックス)

昨季のロペスは年間最優秀守備選手賞の投票で受賞したジャクソンJr.に僅差の2位だった。リーグ有数のブロッカーで、昨季は平均2.5ブロックを記録と、受賞にふさわしい出来だった。守備の3秒バイオレーションを避けるのもリーグ屈指のうまさで、できるだけリム付近に位置し、リーグ4位だったバックスの守備を支えている。

ポストでも優れた武器となるロペスだが、それ以上にストレッチシューターとして使われている。昨季は3P成功率37.4%を記録。キャリアを積みながらアウトサイドからのショットを向上させ続けてきた。16シーズン目を迎えるが、まだまだ十分にやれる選手だ。

8. ルディ・ゴベア(ミネソタ・ティンバーウルブズ)

年間最優秀守備選手賞を3回受賞しているゴベアだが、昨季はウルブズでの1年目で厳しいシーズンとなった。チームメイトたちとのケミストリーを築くことができなかったようで、平均得点は過去7シーズンで最少。カール・アンソニー・タウンズとのプレイに慣れるのを学ばなければならず、守備のインパクトも弱まった。

だが、今季のゴベアはもっと良くなるはずだ。シーズンを通じて旧友のマイク・コンリーJr.がボールを供給してくれる。そしてタウンズやアンソニー・エドワーズと仕事する時間を重ねてきた。手さばきの粗さは常に問題となるだろうが、だからこそ馴染むことが成功するために重要だ。

9. ジャレット・アレン(クリーブランド・キャバリアーズ)

昨季のアレンはキャバリアーズで平均14.3得点、9.8リバウンド、1.2ブロックと堅実なシーズンだった。攻撃ではFTラインより外に広がることがほとんどない。だが、やれることはうまくやる選手だ。

アレンは身体能力が優れており、ロブで素晴らしい脅威となれる。『Basketball-Reference』によれば、昨季はリーグ6位の179ダンクを記録した。リムプロテクターとしても優秀で、エバン・モーブリーと一緒にトップだった守備を支えた。

10. マイルズ・ターナー(インディアナ・ペイサーズ)

サボニス退団後に攻撃面での役割が増したターナーは、平均12.9得点から昨季18.0得点と得点力を増した。3P成功率が37.3%に上がったことも後押しとなっている。また、リムでのフィニッシュにも優れた選手だ。

オールディフェンシブチームに選ばれたことはないが、その座を争うディフェンダーでもある。リムプロテクターとして素晴らしく、昨季は平均2.3ブロック。6フィート11インチ(約211センチ)ということもあり、世界最高のリバウンダーではないが、攻守両面で優れたセンターで、リーグで最も過小評価されているひとりだ。

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nicolas claxton

11. ニック・クラクストン(ブルックリン・ネッツ)

12. ディアンドレ・エイトン(ポートランド・トレイルブレイザーズ)

13. ケボン・ルーニー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)

14. ヤコブ・パートル(トロント・ラプターズ)

15. 二コラ・ブーチェビッチ(シカゴ・ブルズ)

  • クラクストンはリーグで最もエキサイティングな若手ディフェンダーのひとりだ。ガードへのスイッチの際に見せる足さばきは卓越しており、ブロックも素晴らしい。攻撃面では限界があるが、優れたリムフィニッシャーだ。
  • NBAドラフト2018で全体1位指名されたエイトンは、まだ不安定なところがある。調子が良いときはすさまじい。だが、シーズン中の長期間にわたって浮いてしまうときがあり、ミッドレンジからのショットに落ち着いてしまう傾向は、それらのショットが優れているとはいえ、サイズや身体能力を考えればいら立たしい。
  • ルーニーは信頼できるセンターで、汚れ仕事を喜んで引き受け、たくさんのリバウンドを拾い、味方をオープンにするためにスクリーンをかけ、素晴らしい守備を見せる。決して華々しくはないが、ウォリアーズが勝つために必要とすることを、常に何でも意欲的にこなす。
  • パートルは昨季、ラプターズのシーズンの方向性を変えた。素晴らしいスクリーンとリムでのフィニッシュ、守備をもたらしたのだ。美しくはないが効果的なプッシュショットはあまり伸びず、FT成功率54%は常に懸念となる。だが、その他の点ではファンタスティックな選手だ。
  • ブーチェビッチはリーグで最も高いスキルを誇るビッグマンのひとりだ。パサーや3Pシューターとして優れ、ポストでのフットワークは卓越している。あまりFTを得ることがなく、それが全体的な効率に響いているかたちだ。賢い選手で、自分の役割をこなすことにより、何度もトップ10の守備に貢献してきた。
Walker Kessler
(Getty Images)

16. ウォーカー・ケスラー(ユタ・ジャズ)

17. クリント・カペラ(アトランタ・ホークス)

18. イビツァ・ズバッツ(ロサンゼルス・クリッパーズ)

19. スティーブン・アダムズ(メンフィス・グリズリーズ)

20. ミッチェル・ロビンソン(ニューヨーク・ニックス)

  • ケスラーは昨季、ジャズで素晴らしいルーキーシーズンを過ごし、リーグで最も影響力のあるリムプロテクターのひとりだった。リムでのフィニッシュも素晴らしく、フィールドゴール成功率72%を記録している。だが、ジャンプショットはあまりなく、FT成功率51.6%とあって、試合の終盤に起用するのが難しい。
  • カペラはトレイ・ヤングとうまくコンビを組み、ロブの脅威となっている。昨季は平均12得点、11リバウンドと堅実な数字を残し、オフェンシブリバウンドを拾う役割をこなした。リムでのフィニッシュや守備も優れている。
  • ズバッツは昨季、平均10.8得点、9.9リバウンド、1.3ブロックを記録した。ペイサーズ戦で31得点、29リバウンドと爆発するなど、とんでもない試合をする時もある。ただ、大半の場合は堅実なロールプレイヤーだ。サイズは良いが、ショットと機動性に欠けるのが限界となっている。
  • アダムズは昨季、8.6得点、11.5リバウンドという数字だった。だがこれは、キャリアを通じて彼がいかにグルーガイ(選手間をつないで勝利に貢献する選手)だったかを正当に示すものではない。アダムズはグリズリーズのフィジカルなプレイスタイルの土台であり、リバウンドで他を圧倒する。スクリーンをかけることに関してはリーグ屈指で、よりダイナミックな攻撃の選手たちをオープンにするのに貢献する。
  • ロビンソンはロブで素晴らしい脅威となり、ディフェンダーとしても優れ、リバウンダーとしても見事な選手だ。攻撃ではかなり限界があり、ショットの大半はバスケットから3フィート(約0.9メートル)以内の位置で放つ。昨季は自己最低の48.4%と、FT成功率が悪いのも効率に影響している。だが、レイアップの確率は良いし、リムプロテクションは卓越している。

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Wendell Carter Jr.
(Getty Images)

21. ウェンデル・カーターJr.(オーランド・マジック)

22. アルペレン・シェングン(ヒューストン・ロケッツ)

23. チェット・ホルムグレン(オクラホマシティ・サンダー)

24. ヨナス・バランチュナス(ニューオーリンズ・ペリカンズ)

25. ユスフ・ヌルキッチ(フェニックス・サンズ)

  • カーターJr.はセンターに臨むほぼすべてのことに関し、素晴らしいとまではいかずとも優れた選手だ。ロングショットも少し決められるし、良いパサーでもある。多才なディフェンダーで、バスケットを守るのがうまい。跳躍力が素晴らしいわけではないが、スキルが高く、非常にバランスがとれた選手だ。
  • シェングンはリーグで有数のクリエイティブなパサーだ。それが難になることもある。守備を通り抜けないようなパスを試みる時があるのだ。だが、全般的にはチームメイトへのお膳立てがうまく、ポストでも優秀な選手だろう。守備でスピード不足が痛手となることもある。
  • 足のケガでルーキーシーズンを全休したホルムグレンは、新人王争いでビクター・ウェンバンヤマを苦しめるチャンスを十分に持つ選手だ。素晴らしいブロッカーかつ3Pシューターで、ラスベガスでのサマーリーグで調子を取り戻した様子。得点を量産するスコアラーにはならないかもしれないが、サンダーで攻守両面に優れた選手となれるだろう。
  • バランチュナスは通算成功率35.7%とまずまずの3Pシューターになった。だが、彼の持ち味はポストで強さのアドバンテージを生かすことに変わりない。ポストでのバランチュナスは素晴らしいスコアラーだ。足さばきの速さがないことは守備の効率に影響しているが、素晴らしいリバウンダーであり、チームのスキームの中で自分の仕事をこなす。
  • ヌルキッチの昨季は浮き沈みがあった。不思議なことに、シーズンを通じ、何度もイージーなレイアップを落としたのだ。だが、全般的にはとても信頼できる選手で、スクリーンや体躯を生かしたリバウンドが優れている。リムプロテクターとして優秀だが、スペースでの守備には苦しむ。
Isaiah Stewart Detroit Pistons
(NBA Entertainment)

26. アイザイア・スチュワート(デトロイト・ピストンズ)

27. マーク・ウィリアムズ(シャーロット・ホーネッツ)

28. ドワイト・パウエル(ダラス・マーベリックス)

29. ダニエル・ギャフォード(ワシントン・ウィザーズ)

30. ザック・コリンズ(サンアントニオ・スパーズ)

  • スチュワートは昨季、肩を負傷するまでショットレンジを広げて一定の成功を収めた。アンダーサイズの優れたディフェンダーで、リバウンドを拾うのがうまく、コートに立てばタフネスをもたらす。
  • ウィリアムズはホーネッツでの初期に自分の力を発揮する機会をあまり得られなかった。だが、それをようやく手にすると、ブロックとリバウンドでチームの守備を改善。シューターとしてはそれほどではないが、優れたプレイのフィニッシャーだ。
  • パウエルは限界があるものの、マーベリックスで自分の役割をうまくこなした。ロブをキャッチしたり、守備でハードにプレイすることができ、ロッカールームでの存在感も良い。
  • ギャフォードは素晴らしいブロッカーだが、規律がとれていない時があり、チームの守備スキームを危険にさらすことがある。身体能力が優れており、ダンクを量産できるが、それ以上の攻撃のスキルはそれほどではない。
  • 長年リーグを戦い抜いてきたコリンズは、スパーズで昨季終盤に向け、先発センターの役割を見事にこなした。3P成功率は37.4%と堅実で、パスでも優れたセンスを見せることがあり、今季の先発の座を勝ち取っている。

原文:Top NBA centers for 2023-24: Ranking all 30 starters from Nikola Jokic, Joel Embiid to Anthony Davis(抄訳)

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。