NBA理事会が『テイクファウル』の厳罰化とプレイイン・トーナメントの正式導入を承認

大西玲央 Reo Onishi

NBA理事会が『テイクファウル』の厳罰化とプレイイン・トーナメントの正式導入を承認 image

7月12日(日本時間13日)、NBA理事会は速攻を止める『トランジション・テイクファウル』の厳罰化と、ここ2シーズン試験的に行われていたプレイイン・トーナメントを、正式に導入することを承認した。どちらも2022-23シーズンから導入される。

トランジション・テイクファウル

『トランジション・テイクファウル』は、攻撃側の速攻機会を阻止するために守備側がボールに対するプレイをするのではなく、抱きついたり腕を掴んだりして意図的にファウルするものだ。

これまで、テイクファウルがあった場合は、攻撃側がサイドラインからインバウンドして試合を再開するだけだった。今回の新ルールが導入されたことで、テイクファウルがあった場合は、攻撃側にフリースローが1本与えられ、さらにボールを保持することができるようになる。フリースローを打つ選手は、攻撃側のチームが自由に選ぶことができる。

速攻の場面であったとしても、ボールに対する正当なプレイでファウルになったと判断された場合は、通常のファウルとなる。

2021-22シーズン中に見られたテイクファウルの例は、こちらの動画を参照。

例外として、第4クォーターとオーバータイムの最後の2分間は、テイクファウルが起きたとしても通常のファウルと同様に処理される。

テイクファウルはこれまで、ターンオーバーなどから不利な状況に陥ったディフェンスが、相手の速攻を止めるための戦略として使用されていた。しかし、それによって速攻から生まれるエキサイティングなプレイが減ってしまうことが長年指摘されていた。

プレイイン・トーナメント

理事会ではプレイイン・トーナメントに関しても協議が行われ、これまで試験的に開催されていた同トーナメントが、2022-23シーズンから正式に毎年開催されることが認められた。

フォーマットはここ2シーズンと変わらず、各カンファレンスの7位から10位のチームが、プレイオフ第7、第8シードを獲得する権利を競う。

2022-23シーズンのプレイイン・トーナメントは、2023年4月11~14日(同12~15日)に開催される予定だ。

NBA全試合ライブ&見逃し配信 最高の瞬間を『NBA Rakuten』で

大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。