シーズン停止中のNBAとNBPA(ナショナル・バスケットボール・プレイヤーズ・アソシエーション)が、人気ゲーム『NBA 2K20』で現役NBA選手たちが競い合う『NBA 2K プレイヤーズ トーナメント』を戦うことが決まった。4月3日(日本時間4日)に開幕し、ワシントン・ウィザーズの八村塁を含む現役のNBA選手16名が勝ち抜きトーナメントで勝負する。
ここでは、1回戦の各マッチアップを『OddsShark』の優勝オッズを含めて展望する。
ケビン・デュラント(第1シード) 対 デリック・ジョーンズJr.(第16シード)
優勝オッズ: デュラント(+500)、ジョーンズJr.(+2200)
デュラントが大きく有利な対戦だが、ほかにどんなことが展望できるだろうか。
今季のNBAでジョーンズJr.はあちこちでダンクを叩き込み、スラムダンクコンテストでも優勝した。一方、デュラントは2019年NBAファイナルでアキレス腱を負傷し、現在はその回復中だ。
つまり、デュラントにはNBA 2Kで“仕事”をする時間がたっぷりあったということである。
今年のデュラントはジョーンズJr.のNBA通算出場試合(163)以上にゲームで試合をこなしてきたかもしれない。ただ、大会の目玉としてデュラントには大きな重圧がかかる。ジョーンズJr.に失うものはない。第16シードと第1シードの対戦として、ジョーンズJr.はメリーランド大学ボルティモア・カウンティ校に秘訣を聞きたいと思っているかもしれない。
トレイ・ヤング(第2シード) 対 ハリソン・バーンズ(第15シード)
優勝オッズ: ヤング(+1500)、バーンズ(+2200)
TikTokでダンスを磨くなど、自宅待機中の自由時間にソーシャルメディアを駆使しているヤングに対し、バーンズは映画『キャストアウェイ』のトム・ハンクスのようになっているはずだ。
バーンズはチームが勝率5割に戻るまでひげをそらないと誓っていた。シーズンが停止したことで、それは無期限延期状態だ。ダンスやひげがゲームに何かしら影響するのかは分からないが、どんなことも除外はできない。
確かなのは、バーンズは今季序盤の対戦で30得点を決められたヤングにお返ししたいと思っているはずだということだ。その試合ではキングスが勝利したが、果たして?
ハッサン・ホワイトサイド(第3シード) 対 パトリック・ベバリー(第14シード)
優勝オッズ: ホワイトサイド(+2200)、ベバリー(+2200)
オフシーズンにティンバーランドのブーツを履いたベバリーがビーチでトレーニングする姿がツイッターで騒がれた時に、彼がこの2Kトーナメントのために練習していると考えた者がいただろうか? 対戦相手は試合中にヘッドセットを外しておきたいだろう。ベバリーが試合中ずっとしゃべり続けるのは疑いないからだ。
一方、ホワイトサイドは2015年にNBAに戻って最初に大活躍した時から、この瞬間のために準備をしてきた。
1回戦の中では最も面白いマッチアップのひとつとなるはずだ。
ドノバン・ミッチェル(第4シード) 対 八村塁(第13シード)
優勝オッズ: ミッチェル(+700)、八村(+2000)
このマッチアップで本命視されるのは、確実にミッチェルだ。
ミッチェルはこのシーズン停止中もNBA 2Kでトレーニングしてきた。先日もNBA 2Kの公式アカウントでのライブ配信で、Ronnie2K(NBA 2Kシリーズをプレイする人気YouTuber)を“教育”している。
1か月ほど前に、八村はミッチェルの強烈なダンクを避けることができたが…。
Donovan Mitchell elevates off two feet for the HAMMER!
— NBA (@NBA) February 29, 2020
📲💻: https://t.co/lZZApswzuX pic.twitter.com/wO9s1CmRYw
この2Kトーナメント1回戦で、彼はミッチェルからの敗北を免れられるだろうか。
デビン・ブッカー(第5シード) 対 マイケル・ポーターJr.(第12シード)
優勝オッズ: ブッカー(+220)、ポーターJr.(+2000)
ブッカーは今大会の優勝候補最右翼のひとりだ。そして、それは道理にかなっている。日々ワークアウトに励んでいるであろうことは推測できるが、それとは別に彼はコントローラーから離れていないからだ。
ブッカーは毎日、COVID-19(新型コロナウイルス)の救済募金のためにTwitchでストリーミング配信しており、ゲームはNBA 2Kでなく『Call of Duty』だが、手を温めて今回の大会への準備を整えている。
ポーターJr.がブッカーに勝るかもしれない点は、それぞれが実際のNBAチームを選ぶ場合だ。デンバー・ナゲッツはフェニックス・サンズよりも高く評価される。今季のナゲッツはサンズとのシリーズで4勝0敗、ブッカーも比較的抑えていた。
アンドレ・ドラモンド(第6シード) 対 デマーカス・カズンズ(第11シード)
優勝オッズ: ドラモンド(+900)、カズンズ(+800)
オッズを見れば、NBAコミュニティでゲーマーとして知られるセンター同士の対戦は、1回戦のベストマッチとなるはずだ。
だが、ドラモンドはこのシーズン停止期間中、XboxやPS4よりもスタジオでより多くの時間を費やしてきたようだ。今週、彼はツイッターで自身にとって2枚目のアルバム『FYI 2』が間もなく公開されることを発表した。よって、ゲームではカズンズが若干有利とみられる。
実際、彼は数週間前にゲームチーム『NRG』に加わっており、このマッチアップへの準備は整っているだろう。
この1回戦での対戦は、このようになるかもしれない。
あるいはこうだろうか。
ザック・ラビーン(第7シード) 対 ディアンドレ・エイトン(第10シード)
優勝オッズ: ラビーン(+2200)、エイトン(+550)
サンズはロード遠征でしょっちゅうNBA 2Kをプレイしているはずだ。オッズで優勝候補筆頭のブッカーに続き、エイトンも3番手に位置しているからである。エイトンもNBAコミュニティ有数のゲーマーとして知られ、特にNBAドラフト前夜も忙しく『Fortnite』をプレイしていたことは有名だ。
一方のラビーンは今週、球団公式ウェブサイトでサム・スミス記者が伝えたように、シーズンが停止されてからゲームでレベルアップしている。
ラビーンは「かなりビデオゲームをやっている。もちろん、みんなビデオゲームをやり出していて、僕も始めたのさ」と話した。
「Twitchのアカウントを作ったしね。かなりやっているよ」。
シード順位はラビーンが上だが、アップセットがあるかもしれない。
モントレズ・ハレル(第8シード) 対 ドマンタス・サボニス(第9シード)
優勝オッズ: ハレル(+2200)、サボニス(+2200)
1回戦最後のマッチアップは、フィジカルに優れるビッグマン同士の対戦だ。
今季の実際の対戦は1回のみ。ハレルが26得点、7リバウンドを記録し、サボニスは18得点、22リバウンドでダブルダブルを達成した。初のオールスター選出など、実際の生活ではサボニスのほうがより良いシーズンを過ごしている。だが、この対戦ではハレルのほうが有利かもしれない。
多くのNBA選手たち同様に、サボニスがこのシーズン停止中にTikTokで時間を過ごしてきたのに対し、ハレルはコントローラーを握ってきたようだ。チームメイトのベバリーやルカ・ドンチッチのツイートに対するリプライがそれを示している。
Facts https://t.co/yXTpKGM9sF
— Montrezl Harrell (@MONSTATREZZ) March 14, 2020
両選手がそれぞれの実際のチームを選んだ場合、ゲーム内のレーティングが同じ85である両選手が1対1のポストアップをする試合が見られそうだ。
原文:NBA 2K Players Tournament: A Tale of the Tape between each first round matchup by Kyle Irving/NBA Canada(抄訳)