歴史的大接戦! 注目の得点王争いを制するのは誰だ!?

大西玲央 Reo Onishi

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レギュラーシーズンが終盤に差し掛かるなか、得点王争いが大きな注目を集めている。ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズ、フィラデルフィア・76ersのジョエル・エンビード、そしてミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボの3人が、歴史的接戦を繰り広げているのだ。

平均得点ランキングトップ3(現地3月23日時点)

選手(チーム) 試合数 総得点数 平均得点
レブロン・ジェームズ(LAL) 54 1618 29.96
ジョエル・エンビード(PHI) 59 1760 29.83
ヤニス・アデトクンボ(MIL) 60 1783 29.72

現地3月23日の試合終了時点でトップに立っているのは、平均29.96得点を記録しているジェームズだ。ジェームズはオールスター休暇以降は平均32.8得点、3月は平均33.9得点と、ここにきて一気に得点を増やしている。

現在37歳のジェームズがこのまま得点王に輝けば、マイケル・ジョーダンが保持する最年長得点王(35歳)の記録を24年ぶりに更新することとなる。

そんなジェームズをエンビードがわずか0.13で追い、さらにエンビードをアデトクンボが0.11差で追っている。3選手の得点差はわずか0.24だ。

NBA75年の歴史で、最も接戦だったのは1977-78シーズン。平均27.22得点を記録したサンアントニオ・スパーズのジョージ・ガービンが、デンバー・ナゲッツのデイビッド・トンプソン(平均27.15得点)をわずか0.07差で上回り、得点王に輝いた。

このときはレギュラーシーズン最終日までもつれる接戦となり、トンプソンがまず73得点の大活躍で一時トップに躍り出たものの、ガービンもキャリア最多となる63得点を獲得して再逆転を果たすという劇的な展開だった。

3選手による得点王争いまで広げると、NBA史上最も僅差だったのは1985-86シーズンの0.53だ。ドミニク・ウィルキンズが平均30.33得点で1位、エイドリアン・ダントリーが平均29.83得点で2位、そして3位のアレックス・イングリッシュが平均29.80得点という接戦だった。

4人目のダークホース

現在4位にランクインしているのは、平均28.09得点を記録しているアトランタ・ホークスのトレイ・ヤングなのだが、実はもうひとり得点王の可能性があるダークホースが存在する。平均29.67得点を記録しているブルックリン・ネッツのケビン・デュラントだ。

デュラントはシーズン半ばでの負傷離脱があったため、規定試合数に達していない。リーグルール上、得点王になるためには、レギュラーシーズン82試合の約70%にあたる58試合に出場している必要がある。デュラントは現在46試合に出場しており、残りの9試合全てに出場したとしても54試合で終わってしまう。

しかし、ひとつだけデュラントが得点王になれる道が残されている。出場した試合数に関係なく、総得点数を規定試合数の58で割った数値が、トップの選手を上回ることだ。

現在デュラントの総得点は1365だ。1740得点までいけば、58で割ると平均30.0得点となり、仮に上位の選手の数字が現在と変わらなければ、首位に躍り出ることとなる。そのためには残りの9試合で平均41.67得点を記録しなければならず、ハードルはかなり高いものの、デュラントの得点力を考えると、完全に可能性がないとも言えない。

今季の得点王争いは、レギュラーシーズン最終日の日本時間4月11日までもつれる可能性が十分にある。最後の最後まで目が離せない展開となりそうだ。

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大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。