このリストはきっと面白いものになるだろう……少なくとも、あなたの贔屓のチームに触れるまでは。
スポーティングニュースは今回、NBAドラフト史上で犯された最も大きな“失敗”の数々を、チームごとにピックアップした。賢明だがタイトルからは遠のいたようにも見えるピストンズの指名から、成功していればマイケル・ジョーダンの負担を軽減したであろうウィザーズの指名まで、その内容は様々だ。
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ドラフト当日の選手の評価を吟味し、マヌ・ジノビリのように全チームが獲得を見送った選手は対象から除外している。
しかし、NBAの歴史を振り返ることは非常に楽しかった。当時着ていたかもしれないユニフォームを着ている選手たちの画像とともに、さっそく見ていこう。
アトランタ・ホークス、2005年
指名選手:マービン・ウィリアムズ(2位指名)
逃した選手:クリス・ポール(4位指名)
2004-05シーズンを13勝69敗で終えたホークスには、明確に強みとしたいポジションがあった。それがフォワードだ。そこで、当然ながらチームはドラフト参加選手の中で実績のある2人のポイントガードには目もくれず、大学でシックスマンとして活躍していたフォワード選手を指名するという選択をした。ポールとデロン・ウィリアムス(3位指名)はオールスター選手となった一方で、マービン・ウィリアムズは堅実ながらもパッとしないキャリアを築くこととなってしまった。
ボストン・セルティックス、2012年
指名選手:ジャレッド・サリンジャー(21位指名)、ファブ・メロ(22位指名)
逃した選手:ドレイモンド・グリーン(35位指名)
多くのチームが(ウォリアーズは2度も)グリーンの指名を見送ったくらいだから、セルティックスが彼の実力を見抜けなかったのも仕方ないだろう。実際、当時セルティックスは大柄な選手が喉から手が出るほど欲しく、2選手を指名した。サリンジャーはまずまずのローテーションプレイヤーになったが、メロは記憶にある限りNBA史上最低の1巡目指名選手の一人となってしまった。一方のグリーンは才能を開花させ、ウォリアーズのスター選手へと成長した。そして、セルティックスは現在スター選手を欠いており、まさにグリーンの技術が完璧にフィットする戦術で戦いたいと望んでいる。
ブルックリン(ニュージャージー)・ネッツ、1987年
指名選手:デニース・ホープソン(3位指名)
逃した選手:スコッティ・ピッペン(5位指名)
ホープソンはオハイオ州立大で1試合平均29得点を記録していたため、当時ネッツが高評価を下したのもうなずける。しかし、これが大きなミスだった。ホープソンと同ポジションのピッペンは、弱小校(アーカンソー中央大)出身で実績に乏しかったが、並外れた運動能力を持つ選手であった。そして、ホープソンがNBAで5年間だけプレーしたのに対し、ピッペンは6度のNBA制覇を誇るチームの2番手となり、殿堂入りも果たした。
シャーロット・ホーネッツ、1996年
指名選手:コービー・ブライアント(13位指名)
逃した選手:コービー・ブライアント(13位指名)
通説によると、1996年、高校生シューティングガードのブライアントと、レイカーズの実績あるセンター、ブラデ・ディバッツのトレードが秘密裏に行われたのだという。ブライアントが13位まで指名されなかったのは、彼がロサンゼルス・レイカーズ行きを望んでいたからでもあり、それを裏付ける記事も多くある。ブライアントは一度ホーネッツの手中に収まるのだが、レイカーズがシャキール・オニール獲得のためにディバッツを手放し、ホーネッツからブライアントを獲得した。このことで、ブライアントのレイカーズへの扉は開かれたのだ。
シカゴ・ブルズ、2006年
指名選手:タイラス・トーマス(4位指名)
逃した選手:ラマーカス・オルドリッジ(2位指名)
この年、ブルズとポートランド・トレイルブレイザーズはドラフト当日のトレードに同意しており、トレイルブレイザーズがトーマスと守備的スモールフォワードのヴィクトル・ハラッパを、ブルズがオルドリッジと将来の2巡目指名選手を差し出すこととなった。トーマスはブルズで3シーズン半を過ごし、一瞬の輝きを見せたものの、チームに適合することはなく、コート内外での品行不良が目立った。オルドリッジは2015年にサンアントニオ・スパーズへと移籍することになるが、トレイルブレイザーズでの10年間はすばらしいシーズンを過ごした。
クリーブランド・キャバリアーズ、2013年
指名選手:アンソニー・ベネット(1位指名)
逃した選手:ビクター・オラディポ(2位指名)
この指名が実現していた場合を想定してほしい。少なくともオラディポがベネットの位置に来ることはなかっただろうから、ケビン・ラブとのトレードは成立せず(編注:2014年、キャバリアーズはベネットとアンドリュー・ウィギンスと引き換えに、ウルブズからラブを獲得)、レブロン・ジェームズはカイリー・アービングとオラディポのバックコートを手に入れ、プレッシャーを減らすことができただろう。
ダラス・マーベリックス、1984年
指名選手:サム・パーキンス(4位指名)
逃した選手:チャールズ・バークレー(5位指名)
近年のマーベリックスも頻繁に残念なドラフト指名を行っているが、この1984年の大失敗と比べればかわいいものだ。この年の彼らは、うまくいけば80年代にNBA王者になれたかもしれないのだ。パーキンスは非常に優れた選手であり、50勝越えを記録した1986-87と1987-88シーズンのマーベリックスではキーパーソンとして活躍した。しかし、当時バークレーは全盛期へと突入しており、マーク・アギレー、ローランド・ブラックマン、デレック・ハーパーといったスター選手に加わって、チームが必要とするものをもたらしていたかもしれない。
デンバー・ナゲッツ、2002年
指名選手:ニコロス・ツキティシュビリ(5位指名)
逃した選手:アマーレ・スタウダマイアー(9位指名)
ツキティシュビリは、全NBAドラフト指名選手の中で最もひどい選手の一人だ。ナゲッツにとっての失敗の半分は7位指名のネネを獲得したことにもあるが、2度のオールスター出場を誇るスタウダマイアー獲得のチャンスを2度も逃し、より小さい選手たちを選んだことは大きな失策だった。
(中編へ続く)