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驚きがあり、閉口することもあった短い夏が終わり、2018-19年シーズンの話ができるようになった。6カ月の間に1230の白星が記録される。この白星のうち、どれくらいがあなたのひいきのチームに行くのだろうか。
オフの補強を終え、各チームの現状はどうなっているのか。以下が新しいシーズンの見所である。
1位 ウォリアーズ
今季の予想 62勝20敗
昨季の成績 58勝24敗
大きな変化は言うまでもなくオールスターのセンター、デマーカス・カズンズの加入である。彼はアキレス腱のリハビリ中。シーズン前半戦のプレーは絶望的だが、プレーオフに向けての大詰めの時期に存在感を示すことになろう。
ケビン・デュラントとスティーブ・カー監督が残留。ヨナス・イェレプコも加わった。
2位 セルティックス
今季の予想 60勝22敗
昨季の成績 55勝27敗
故障者がいないのが、何よりの幸運である。昨季のカンファレンス・ファイナルで不在だったカイリー・アービングとゴードン・ヘイワードが復帰する。鍵はチーム内の雰囲気だ。テリー・ロジアー、ジェイソン・テータム、ジェイレン・ブラウンらの出番が少なくなってしまう。
3位 ロケッツ
今季の予想 54勝28敗
昨季の予想 65勝17敗
トレバー・アリザとルク・バ・ア・ムーティが退団。現状では彼らに代わる選手はいない。シュート好きのカーメロ・アンソニーが入ったが、それほど大きなプラスにはならないだろう。ただ、新人のデアンソニー・メルトンはチャンスをつかみそう。ダリル・モーリーGMはウィングの選手の才能を発掘することに定評がある。
4位 76ers
今季の予想 52勝30敗
来季の予想 52勝30敗
シクサーズは今オフ、目立った補強を行わなかった。それは来オフになるのだろう。J・J・レディックが球団有利の契約で残留。マルコ・ベリネッリとエルサン・イルヤソバが去って、ウィルソン・チャンドラーとマイク・マスカラが加入した。
ジョエル・エンビードが故障なく過ごすことと、マーケル・フルツの大活躍がチームには必要だ。シューターのファーカン・コーカマズ、ディフェンシブ・ウィングのザイール・スミス、フォワードのジョナー・ボールデン、コンボガードのランドリー・シャメットの新人4人が選手層を厚くするだろう。
5位 ジャズ
今季の予想 50勝32敗
昨季の成績 48勝34敗
今季は新人のグレイソン・アレンを加えたが、オフの主眼は現在の戦力を引き留めることだった。とりわけデリック・フェイバーズとダンテ・エグザムのふたりだ。昨季は実力以上の成績を残したが、センターのルディ・ゴバートに故障がなければ今季も好成績が期待できそうだ。
6位 サンダー
今季の予想 49勝33敗
昨季の成績 48勝34敗
カーメロ・アンソニーが去り、ポール・ジョージが戻った。よって昨季の48勝は確保できるだろう。プレーオフでも昨季より勝ち進めそうだ。昨季はアンドレ・ロバーソンの故障が響いたが、今季は復帰。また、ホークスからデニス・シュレーダーを加えた。
7位 ペイサーズ
今季の予想 49勝33敗
昨季の成績 48勝34敗
昨季は一昨季から6勝上積み。今季は昨季の数字が目標になる。ダグ・マクダーモット、タイリーク・エバンス、カイル・オキンの加入で、選手層の薄さを解消できそう。新人ポイントガードのアーロン・ホリデーにも出番がありそうだ。
8位 ラプターズ
今季の予想 48勝34敗
昨季の成績 59勝23敗
最優秀監督に選出されたドウェイン・ケーシーを解任してニック・ナースを新監督に据えた。そしてデマー・デローザンとヤコブ・プートルをスパーズに出し、代わりにカワイ・レナードとダニー・グリーンを獲得する衝撃的なトレードを行った。これらすべてが吉と出れば60勝できそうだ。
現時点の予想では、そうやすやすとうまく行きそうにない。レナードは昨季9試合しか出場できなかった。ナース新監督の手腕は未知数だ。だが東カンファレンスは弱いので、カンファレンスで3位までに入る存在であろう。
9位 ナゲッツ
今季の予想 48勝34敗
昨季の成績 46勝36敗
ケネス・ファリードとウィルソン・チャンドラーを放出。ポール・ミルサップが故障から復帰する。またアイザイア・トーマスを補強。ベンチの強化になる。
ドラフトでは腰痛持ちのマイケル・ポーターJrを指名するというギャンブル。焦らずに使っていくことになろう。勝ち星を上乗せして西カンファレンスのトップ5に入ろうとしたら、若手の台頭が不可欠だ。
10位 バックス
今季の予想 47勝35敗
昨季の成績 44勝38敗
マイク・ブーデンホルザー新監督が就任。チームのシステムに問題のあったチームにとっては大きなプラスになる。ブルック・ロペスとエルサン・イルヤソバのベテランが加入。ジャバリ・パーカーの退団は一見不幸のように見えるがチームにとってはいいことであろう。
ただ、順位を上げるためにはヤニス・アデトクンポの大活躍が絶対に必要となる。
11位 レイカーズ
今季の予想 46勝36敗
昨季の成績 35勝47敗
このオフ、レイカーズほどの大型補強を実現したチームはない。現在NBA最高の選手であるレブロン・ジェームズを獲得したのだから。驚くべきは、それ以外にはほとんど動かなかったことだ。ジュリアス・ランドルをFAで失ったが、2016年と2017年の2巡目指名であるブランドン・イングラムとロンゾ・ボールは確保した。
力の落ちている選手らには1年契約とすることで、ペイロールに余裕を作った。ケンタビオス・コールドウェル=ポープやランス・スティーブンソン、ラジョン・ロンド、ジャバーレ・マギー、マイケル・ビーズリーといった選手たちだ。この結果、シーズン中の大型トレードや、来オフに大物FA選手を獲得することが可能になっている。
それまでは、昨季より11勝プラスで西カンファレンスの6番手とするのが妥当なところだろう。
12位 ティンバーウルブス
今季の予想 46勝36敗
昨季の予想 47勝35敗
ネマニャ・ビエリツァがFAで去ったが、2人の有望な新人を得た。ジョシュ・オコギーとケイタ・ベイツ=ディオップだ。トム・シボドー監督はこの二人はプレータイムを得ることだろう。
再建の最大の鍵は、チーム内の雰囲気を一新することだ。スターでガードのジミー・バトラーと、若手のカール=アンソニー・タウンズ、アンドリュー・ウィギンズの関係がぎくしゃくしていたのだ。人間関係がうまく修復できれば、プレーオフに駒を進めることができるだろう。
13位 ペリカンズ
今季の予想 45勝37敗
昨季の成績 48勝34敗
デマーカス・カズンズとラジョン・ロンドというふたつの大きなパーツを失い、ジュリアス・ランドルとエルフリッド・パイトンという若くて安い選手が代わりを務める。
カズンズはアキレス腱の手術からの復帰途上であり、放出したのは賢い選択であった。一方、後半戦とプレーオフで貢献したロンドを失ったことは戦力ダウンで、ペリカンズにとっては大きい。
14位 ウィザーズ
今季の予想 42勝40敗
昨季の成績 44勝38敗
選手層の厚みを増すため、トレードでガードのオースティン・リバースを取り、ベテランのジェフ・グリーンと契約し、サマーリーグで活躍したトロイ・ブラウンを獲得した。だが肝心なのは、ドワイト・ハワードが入ってロッカールームのムードに問題が生じないかどうかである。
15位 トレイルブレーザーズ
今季の予想 42勝40敗
昨季の成績 49勝33敗
シューターのセス・カリーとニック・スタウスカスをベンチに加えた。一方で控えのキーマンだったエド・デービスとシャバズ・ネイピアーを失った。昨季から7勝マイナスは厳しい予想だが、昨季は出来すぎだった。プレーオフで1勝もできずに敗退したのがその証明だ。
今季プレーオフ進出を逸することになれば、来年は本格的なチーム改革に乗り出すことだろう。
16位 キャバリアーズ
今季の予想 42勝40敗
昨季の成績 50勝32敗
レブロン・ジェームズがいなくなったことは、もちろん大きな痛手だ。だが、2010年に彼がマイアミへ移ったときに比べると、今回のチームはいい状態にある。才能ある選手がいて、彼らが30勝するのに四苦八苦することはなかろう。
ケビン・ラブがフロントコートにいて、ベテランのジョージ・ヒルやカイル・コーバー、トリスタン・トンプソンが残っている。若手の台頭も見逃せない。新人ポイントガードのコリン・セクストンはチームで大きな役割を担いそうだし、ビッグマンのアンテ・ジジッチやセディ・オスマンらがチャンスをつかむだろう。
17位 ピストンズ
今季の予想 41勝41敗
昨季の成績 39勝43敗
今オフはグレン・ロビンソン3世やベテランのホセ・カルデロン、ザザ・パチュリアを獲得したくらいで大きな補強はなかった。大きな動きがあったのはチームのトップであった。昨季ラプターズで59勝を挙げ、最優秀監督に選出されながら解任されたドウェイン・ケーシーが新監督に就任した。
チームの力を向上させるには、ブレーク・グリフィンとアンドレ・ドラモンドのフロントコートにつなぐポイントガードが必要だ。
18位 ヒート
今季の予想 40勝42敗
昨季の成績 44勝38敗
めぼしい補強はなし。まずい契約のため戦力は整わず、この状況は2020年まで変わらない。
19位 スパーズ
今季の予想 40勝42敗
昨季の成績 47勝35敗
グレッグ・ポポビッチ監督は昨季、カワイ・レナードがほとんどいないという状況をしのいでみせた。このオフにはレナードとダニー・グリーンをラプターズに出し、トニー・パーカーがシャーロットに移り、スモールフォワードのカイル・アンダーソンはグリズリーと契約した。加わったのはレナードと交換したデマー・デローザンとヤコブ・プートル。スパーズの望ましくない状況を考えると、いい補強なのかもしれない。
ラマーカス・オルドリッジとデローザンを中心にしたチームはプレーオフには進むだろうが、西カンファレンスのレベルは高い。ポポビッチ監督が昨季のようなマジックを演じられるとは思えない。
20位 マーベリックス
今季の予想 37勝45敗
昨季の成績 24勝58敗
昨季から13勝プラスは大盤振る舞いと思われるかもしれない。しかしデアンドレ・ジョーダンとルカ・ドンチッチが入って、あながち不可能な数字ではない。
シーズンが開幕しても、プレーオフ進出を目指して引き続き補強を図ることになるだろう。今季は恐らくダーク・ノビツキーの最後のシーズンだが、ポストシーズンに出られるチームになるためには少し時間がかかる。
21位 グリズリーズ
今季の予想 36勝46敗
昨季の成績 22勝60敗
ギャレット・テンプルとカイル・アンダーソンの補強で戦力がアップした。ドラフトで全体4人目指名のジェイレン・ジャクソンJrはこの夏の活躍で、不安を一掃した。
ただ、選手層はまだ薄い。チームの将来を考えると、33歳のマルク・ガソルや、10月に31歳になるマイク・コンリーといったベテランのトレードを考える必要があるかもしれない。
22位 ホーネッツ
今季の予想 36勝46敗
昨季の成績 36勝46敗
フロント陣の刷新を行った。監督はスティーブ・クリフォードからジェームズ・ボレゴに交代。レーカーズのフロントで手腕を発揮してきたミッチ・カプチャックがチームの次のステップを見守る。次のステップはまだペンディングの状態だ。このオフの補強はあまりなかった。運動能力あふれるウィングのマイルズ・ブリッジズをドラフトし、ベテランのトニー・パーカーと契約し、ティモフェイ・モズゴフを出して代わりにビスマック・ビヨンボを獲得した。
ただ、2020年までペイロールに余裕がないので、再建への道は簡単ではない。ガードのケンバ・ウォーカーの契約が切れるのを待つことになる。
23位 ネッツ
今季の予想 34勝48敗
昨季の成績 28勝54敗
エド・デービス、ケネス・ファリード、ジャレッド・ダドリーといった信頼できるベテランを補強した。彼らはチームにいい影響をもたらし、チームの順位を上げることだろう。だがチームの焦点は将来にある。
ドラフトではジャナン・ムサ、ロディオンズ・クルクスというヨーロッパの有望株を取った。また今季はダンジェロ・ラッセル、ロンディ=ホリス・ジェファーソン、ジャレット・アレンといった選手たちの将来を決するシーズンになる。スペンサー・ディンウィンディーとカリス・レバートの成長ぶりが、来オフの補強計画を左右する。
24位 クリッパーズ
今季の予想 31勝51敗
昨季の成績 42勝40敗
デアンドレ・ジョーダンの退団で、「ロブシティー」は悲しい最後を迎えてしまった。その後、ルク・バ・ア・ムーティ、マルチン・ゴルタット、マイク・スコットといったベテランを加えた。エイブリー・ブラッドリーはもう1年残ることになった。彼らの契約は今季で切れるので、来年の夏にはペイロールに余裕を持ってFA戦線に臨むことができる。トップターゲットはカワイ・レナードである。
とりあえず今季は、ドラフトで指名したシャイ・ギルジアス=アレクサンダーとジェローム・ロビンソンのほかはベテランを使っていくことになる。
25位 マジック
今季の予想 30勝52敗
昨季の成績 25勝57敗
スティーブ・クリフォードがフランク・ボーゲルに変わって監督に就任した。ボーゲル前監督は手持ちの戦力で精一杯戦ったが、新監督の就任でチームは活気づくだろう。アーロン・ゴードン(4年間の契約を結んだ)とジョナサン・アイザック(サマーリーグでめざましい活躍を演じた)の頑張りでチームの成績は上がるだろう。
ドラフトではブロックショットに長けたセンターのモー・バンバを指名。ブルズから獲得したジェリアン・グラントに信頼できるポイントガードになってほしいという期待がかかる。
26位 ニックス
今季の予想 26勝56敗
昨季の成績 29勝53敗
フィズデール新監督は大きな期待をせずロッカールームに入って行くことになろう。スターのビッグマン、クリスタプス・ポルジンギスは膝の手術から復帰するシーズンになる。サマーリーグで好調だった新人のケビン・ノックスには、厳しい視線が注がれる。ドラフト2巡目のミッチェル・ロビンソンは、予想よりも早い成長を示している。
ニックスはチーム再建のためにコートニー・リーとの契約を破棄したいと希望しているようだ。
27位 サンズ
今季の予想 26勝56敗
昨季の成績 21勝61敗
すべては全体1位指名のディアンドレ・エイトンで始まる。エイトンだけでなく、マイカル・ブリッジスやエリー・オコボ、ジョージ・キングを獲得し、ドラフトは大漁だった。さらにFAでトレバー・アリザとサイン。そして指揮官には評判のいいイーゴリ・ココスコフ新監督を迎えた。
まだまだこれからの若手が多いが、誰もが才能に溢れている。チームはいい方向に向かうだろう。
28位 ブルズ
今季の予想 25勝57敗
昨季の成績 27勝55敗
若い選手を加えた。ドラフトでウェンデル・カーターJrを指名。サマーリーグで実力を発揮した。ドラフトではチャンドラー・ハッチンソンも指名した。地元シカゴ出身のジャバリ・パーカーを獲得。2年目の来季は球団のオプションという手堅い補強をした。
チームは上向くかもしれないが、今季大きく順位を上げるほどにはなりそうもない。
29位 キングス
今季の予想 23勝59敗
昨季の成績 27勝55敗
ドラフトで指名したマービン・ベーグリー3世に寄せる期待は大きい。チームが必要としている点取り屋である。サマーリーグでは苦戦したが、シーズン序盤からキングスの攻撃の柱となるだろう。
ただ問題はディフェンスである。ヨギ・フェレル、ネマニャ・ビエリツァ、ベン・マクレモア、デヨンタ・デービスといった新戦力では、弱い守備を立て直すことはできないだろう。
30位 ホークス
今季の予想 23勝59敗
昨季の成績 24勝58敗
ドラフトではギャンブルに出た。ルカ・ドンチッチとジャレン・ジャクソンJrをスルーして、攻撃陣の主力とすべくトレイ・ヤングを取ったのだ。ドラフトではさらにシューティングガードのケビン・ハーターとストレッチ・フォーのオマリ・スペルマンを1巡目で指名。ジョン・コリンズ、トーリアン・プリンスといった若手に彼ら新人が加わった。
デニス・シュレーダーとマイク・マスカラは放出した。
原文: NBA Power Rankings: Warriors stay on top; LeBron James, Lakers make big jump
翻訳:Hirokazu Higuchi
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