NBAドラフト有望株:ハミドゥ・ディアロを知っているか【第2回】

Sean Deveney

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彼は依然として1巡目で指名される可能性のある存在だ。彼はすでに全体22位指名権を持つシカゴ・ブルズと、15位と44位指名権を持つワシントン・ウィザーズの能力試験を終えている。また、5月24日に行われたロサンゼルス・レイカーズの試験では、シュートの能力において強い印象を与えた。レイカーズは1巡目25位指名権を(2巡目47位指名権も同様に)持っている。他にも、16位、31位、59位指名権を持つフェニックス・サンズや、24位指名権を持つポートランド・トレイルブレイザーズの試験も終えた。

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今月6日にはサクラメント・キングス(2位、37位指名)の能力試験を終え、8日と9日にはそれぞれ、ブルックリン・ネッツ(29位、40位、45位指名)とニューヨーク・ニックス(9位、36位指名)という地元の2チームの試験にも参加。また、15日と16日には、ミルウォーキー・バックス(17位指名)とダラス・マーベリックス(5位、33位、54位指名)の試験への参加も予定している。

彼自身も1巡目で指名されることを強く望んでいる。

「1巡目で指名されることは間違いなく重要さ」と語るディアロ。「僕より優れたドラフト選手が30人もいるようには感じないよ。正直に言わせてもらうとね。どんなことも起こり得ることは分かっている。僕はバスケットボール選手だから、獲得にふさわしい選手だと証明してみせるだけだよ。1巡目か2巡目にチャンスが回ってくるはずだ。それに、僕自身もそれを強く望んでいるよ」。

それこそが、この1年間ディアロが夢中で追い続けてきたものだ。それはバスケットボール以上のもので、垂直飛びやシュートの成功率よりも大事だ。

「僕は幸せだ。ケガもせずに夢を追いかけている」ディアロはそう話した。「僕にとっては“夢”が1番大事なんだ。その夢とは、僕を支えてくれる人々や家族を幸せにすることさ」

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画像:“そのまま大学に残るという選択は、最善のものだったと思っている。何度やり直したとしてもまるっきり同じ選択をするよ” ――ハミドゥ・ディアロ

ケンタッキー大学でアシスタントコーチを務めているケニー・ペインは、ディアロの入学の手助けとなった人物で、この1年間を通して2人は強い絆を築いた。そんな彼からディアロに質問があるという。「ハミドゥ・ディアロという名前は、アフリカの現地語ではどんな意味を持つんだい?」。

ディアロはその質問に対し、「勇気」と答えた。

それを聞いたペインは、「それじゃあ、君は君のままでいてくれよ」と言った。

ディアロの生い立ちは、主要都市のバスケットボール選手の間では珍しくないものだ。周囲の人物がドラッグの密売人やギャングに身を落としてしまう姿を彼は多く見てきた。そして、彼自身もそのような人生を歩んでいた可能性がある事を重々理解している。彼にはバスケットボールの適性があったからこそ、試合への情熱がもたらされた。「僕は、貧困者の多い都心部の過密地区で生まれ育った。そこでは、大勢の子供たちが路上でバスケをしたり、走り回ったりしているのが普通なんだ」。

しかし、ディアロの物語は紆余曲折も経ている。ディアロの貧困街での幼少期の背景には、とある移民のストーリーがあった。彼の両親マリマとアブドゥライェは、数十年前にギニアからアメリカへとやって来た。西アフリカの混乱と貧困から逃れ、アメリカでの人生と安定を得るためだった。当時はアフリカからの移民も含めた移民全体への排斥感情がアメリカ国内で高まっていたが、ディアロはギニアにルーツを持つことに誇りを持ち続けているという。

彼は幼い時にギニアの首都コナクリを訪れた。今ではその旅行の思い出はぼんやりとしか残ってはいないものの、大勢の親族が彼を迎えてくれたという。

ディアロは「またあそこに戻りたいよ」と語った。「自分のルーツと、そこにあるすべてをこの目で見たいんだ。現地の文化を肌で感じたい。うちにはお金がなかったから、自分の両親が元いた場所の文化を体験することなんてできなかったんだ」。

ディアロの両親は、6400キロメートル以上も離れた土地からレフラック・シティへと移り住んだ。そこは、クイーンズのコロナ地区にある、およそ1万4千人が居住可能な大型複合住宅だった。アメリカに移住してからは、夫婦はハミドゥと1歳年上の兄と姉、1歳年下で現在高校生の弟の4人の子供の子育てに専念した。父はタクシー運転手、母は理髪師だ。

「僕はワンルームのアパートで育ったんだ」ディアロはそう語った。「家族全員でね。きょうだいも両親も一緒に住んでいたんだ。だから、家族が苦労しているのも感じてしまうんだ。そんな環境で生きてきた。家族のことを見るといつも懸命に働いている姿が目に入る」。

「父は1日14時間のシフトを組んでいた。午後3時から仕事を始めて、家に着くのは朝の5時だ。それでももっと働こうとしていた。母は午前9時から働いて、帰りは午後9時だ。2人とも一生懸命に働いていたよ」

第3回へ続く)

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Sean Deveney

Sean Deveney is the national NBA writer for Sporting News and author of four books, including Facing Michael Jordan. He has been with Sporting News since his internship in 1997.