NBAオフシーズン展望:ロケッツは現状維持が最善か?【後編】

Sean Deveney

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フリーエージェント(FA)予想

ロケッツには選手層に厚みが必要だ。ジェームズかジョージを獲得しなかった場合、昨季のロースターを維持する方法も導き出さねばらない。また、ベンチに勢いをもたらす選手を加える必要もある。それは簡単なことではない。

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ロケッツがまず最初になすべき仕事は、センターのクリント・カペラとの契約をまとめることだ。彼は昨シーズン、突如として頭角を現し、1試合平均13.9得点、10.8リバウンド、そしてシュート成功率はリーグ最高となる65.2パーセントを記録した。また、フリースロー成功率も56.0パーセントにまで向上した。これは突出した数字ではないが、2シーズン前の成功率が37.9パーセントだったことを考えると十分な成績だ。

カペラは今夏制限付きFAとなり、他チームからのオファーを受けることが可能だが、ロケッツはそのすべてのオファーにマッチできる。ジェームズとジョージの獲得に確かな勝ち目がないかぎり、ロケッツはカペラをチームに連れ戻すに違いない。おそらく4年間で9千万~1億ドルの価値があるだろう。

次に取り組むべきはトレバー・アリーザだ。彼はロケッツに在籍している4年間で、使い勝手の良い攻撃力(12.2得点、3ポイント成功率35.7パーセント)と、優れた守備力を見せつけた。アリーザは、ミッドレベル例外条項(880万ドル)で他チームに移籍することも可能だが、ロケッツは彼との間に、キャップを超えた金額を支払うことができる「ラリー・バード例外条項」を有している。

アリーザが他チームとの契約にサインすることになれば、ロケッツに残されたスモールフォワードの選択肢は多くない。チームは彼をとどまらせるため、適正価格よりも少し多めに支払う必要があるかもしれない。

もう一人、ルーク・バー・ア・ムーテもまた、ロケッツが考慮すべき選手だ。優秀なディフェンシブプレーヤーである彼は、並外れた3ポイントシューターへと成長した。ロケッツは昨年、このバー・ア・ムーテと約200万ドルというバーゲン価格で1年契約を結んだが、今年も彼がバーゲン価格のまま在籍してくれるよう望み続けるほかない。

ロケッツはラグジュアリータックスを課されないようにうまくやりつつ、それ以降はベテランミニマム契約にサインしてくれる選手を探すことになる。ジェフ・グリーンやデイビッド・ウェストといった選手を獲得することは可能だろうし、ウィルソン・チャンドラーはロケッツが少額でもオファーできるパワーフォワードになるだろう。もし彼がFA市場の最初の波に乗り遅れた場合、NBA王者になる可能性の高いチームで1年間を過ごすというのは、彼にとっても良い選択となるに違いない。

若手メンバー

現在24歳のカペラは、ロケッツのローテーションの中で圧倒的な最年少だ。次に若いハーデンは8月に29歳になる。ロケッツは今年のドラフトでの1巡目指名権を有していないので、必然的に若手メンバーはいなくなる。

このチームのプロスペクトの大半はフロントコートで力を発揮するプレーヤーだ。昨年のドラフト2巡目で獲得した身長2.13メートルのフォワード、アイザイア・ハーテンスタインは、Gリーグのリオグランデバレー・バイパーズで1年を過ごした。昨シーズンは1試合平均18.7分間の出場で9.5得点、6.6リバウンドを記録し、3ポイントシュートの質も向上中だ。

2016年に同じく2巡目で指名されたジョウ・チーは現在22歳、まだNBAの舞台に立つ準備ができていない。出場機会を得そうな若手の中で最もショットがうまい選手は、おそらくセンターのチナヌ・オヌアクだ。そのゲームスタイルはカペラによく似ている。バイパーズでは1試合平均25.6分間出場し、10.8得点、9.6リバウンドを記録した。また、インサイドでの力強いプレーも見せつけた。

来シーズンに向けて

ロケッツのファンはジェームズとジョージの獲得に対する期待を下げる代わりに、若手選手が激減したチームを、ダリル・モリーGMがラグジュアリータックス内でいかにアップグレードするか、というところに焦点を当ててみてはどうだろうか。

一方で良いニュースもある。それは、ロケッツがウォリアーズとの再戦を果たすために大幅なアップグレードは必要ないということだ。結局のところ、今年大きな成功を収めた彼らは、ケガをせず、フルシーズンを共に戦い抜いた経験を土台にチームを構築すれば、来年もまた同じ位置に立っていることだろう。

今シーズン、ウォリアーズを倒せる数少ないチームのひとつだったロケッツなら、来年も十分に戦えることだろう。

(完)

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原文:Will Houston go for big moves or small tweaks in free agency?

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

Sean Deveney

Sean Deveney is the national NBA writer for Sporting News and author of four books, including Facing Michael Jordan. He has been with Sporting News since his internship in 1997.