NBAオフシーズン展望:ウォリアーズが解決すべき2つの課題【後編】

Sean Deveney

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フリーエージェント(FA)予想

デュラントの再契約はあっさりと決まりそうだが、唯一の疑問点は、彼が現時点で結べる最長期間のマックス契約を望んでいるのか、それとも、2年後にはFAとなることが許される、短期契約を望んでいるのかということだ。後者であれば、ウォリアーズ王国の状況は一気に暗転するだろう。

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トンプソンとグリーンの契約延長は実現しそうにない。この2人のうち、グリーンの方が新たな契約を受け入れる可能性が高いが、両者ともに今夏の契約延長に同意するよりもFAになるのを待つ方が大金を得られる。

その上、これまでも述べてきたように、ウォリアーズにはベンチメンバーをふるいにかけるという課題もある。おそらく、ウォリアーズは長身の選手(マギー?)とイグダーラ、リビングストン、ベルをベンチメンバーとしてキープするだろう。また、他チームから大型オファーがなければ、マコーもチームにとどまることになるはずだ。そして、ジョーンズとはすでに契約を結んでいる。

利用可能な資金が少ないのであれば、ウォリアーズはFA期間の最初の数週間を見送り、市場に残った選手を見てみるという選択もできる。好条件の契約で買い手のつかなかった選手にとっては、ウォリアーズと1年契約を結んでNBAチャンピオンになる可能性を得ることは、良い選択肢となる。また、ウォリアーズにとってもバーゲン品が狙えるというものだ。

もちろん、その結果昨年はヤングとオムリ・カスピしか獲得できなかったことは言うまでもない。来年はさらに充実したFA市場が予想されるため、今年は余力を残すべく、ウォリアーズには強運が必要となるだろう。

若手メンバー

ウォリアーズは、現在22歳のルーニーとの契約に含まれていた4年目のオプションを行使しないというミスを犯した。これは、昨年彼がケガからの復調に苦戦したために下された決定だが、今シーズン、彼は真価を発揮した。しかし、オプションを却下した今となっては、ウォリアーズは彼に対して220万ドル以下のオファーしか出せない。

まだ23歳と若いベルは、オレゴン大を出て1年目から将来性を発揮した。彼は優れたディフェンシブフォワードであり、持ち前の身体能力でペイント内でのミスを帳消しにできるショットブロッカーだ。彼は大学を出た当時のグリーンとよく比較されるが、ベルは守備面でも価値のある選手だ。

マコーもまた、将来有望な若手選手の1人だ。身長201センチメートルの彼は、人目を引く“ペリメーターディフェンダー(ペイントエリア外までカバーできるディフェンダー)”になる能力を見せつけた。しかし、もしNBAの舞台で“3アンドD(3ポイントが撃ててディフェンスもできる選手)”の役割でプレーしたいのであれば、3ポイントの部分に磨きをかける必要があるだろう。彼は今年期限付きFAになるので、クオリファイング・オファーを提示しているかぎりウォリアーズはどんなオファーにもマッチすることができる。

22歳のセンター、デイミアン・ジョーンズはプロとしての2シーズンの大半をGリーグで過ごした。ウォリアーズは、彼にNBAでの未来があるのかどうか、決断を下す必要に迫られるだろう。

ウォリアーズは、今シーズンのドラフトで1巡目指名権を保持している。この指名では、得点力のあるベンチメンバーの獲得が最優先となる。全体28位指名であれば、完成されたNCAAのスコアラーが数名は残されているに違いない。

来シーズンに向けて

ウォリアーズは来年も、最低でもカンファレンス・ファイナルまでは進出すると予想できる。しかし、ヒューストン・ロケッツは引き続きウォリアーズの大きな問題として立ちふさがるだろうし、今シーズン、彼らがウォリアーズを制していた可能性もあった。今年のウェスタン・カンファレンス・ファイナルでは第5戦終了時点で3勝2敗とし、第6戦と第7戦でも(スター選手のクリス・ポール抜きで)第3クォーターまではリードしていた。ウォリアーズが再びNBAファイナルの舞台に立った背景には、いくつかの幸運も作用していたのだ。

だが来シーズンは、幸運以上の何かが必要になる。その理由の一つとして挙げられるのが、クリーブランド・キャバリアーズのスター、レブロン・ジェームズの存在だ。ウォリアーズとは4年連続NBAファイナルの舞台で相対している彼だが、今夏ウェスタン・カンファレンスに移籍する可能性もあり、そうなればウェスタン・カンファレンス制覇の候補チームが一つ増えることになる。もしもジェームズがロケッツに移籍すれば(可能性は少ないが)、来シーズンのロケッツは優勝の筆頭候補となるかもしれない。

また、もしも彼がカワイ・レナード、またはポール・ジョージと共にロサンゼルス・レイカーズの一員に加われば、ウェスタン・カンファレンスにはまったく新しい問題が生まれることになるだろう。

もしも、ウォリアーズがNBAファイナルまでたどり着いた場合、そこで対戦する来シーズンのイースタン・カンファレンス王者は、これまでのクリーブランド・キャバリアーズよりも扱いにくい対戦相手となりうる。ボストン・セルティックスはその最有力候補だ。彼らはスター選手2名(NBAファイナルで一度ウォリアーズを撃退しているポイントガードのカイリー・アービングとウィングのゴードン・ヘイワード)がケガで戦線を離脱する中、イースタン・カンファレンス・ファイナル第7戦まで戦った。両エンドで万能な戦いを見せるセルティックスは、ウォリアーズにとって強敵になるだろう。

そして、フィラデルフィア・76ersもまた有力な候補だ。シクサーズは今年のドラフトで全体10位指名権を保持しており、主要なFA選手を獲得するのに十分なキャップスペースもある。また、彼らはベン・シモンズとジョエル・エンビードという、リーグでも指折りの若手スター2名を有しており、その他にも質の高い若手のスペシャリストが在籍している(ダリオ・シャリッチ、ロバート・コビントン)。そして彼らは、昨年の全体1位指名選手マーケル・フルツがケガで満足に働けなかったルーキーイヤーのやり直しも望んでいる。

ウォリアーズが、リーグ屈指のタレントをそろえたチームとしてシーズン入りすることはほぼ確実だが、他の有力チームとの差は、縮まってきている。

(完)

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原文:Warriors offseason outlook: Golden State must add depth to keep dynasty going

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

Sean Deveney

Sean Deveney is the national NBA writer for Sporting News and author of four books, including Facing Michael Jordan. He has been with Sporting News since his internship in 1997.