課題その1:選手たちのエゴ、財政難、倦怠感に打ち勝つ
エゴ、金、飽きられること。これらはNBA創設(あるいは少なくともシラキュース・ナショナルズ時代)以来、黄金時代を迎える可能性を持った多くのチームを崩壊させる要因となってきたものである。そして今、ウォリアーズは、これらのどれかに支配されてしまう事態を避けねばならない。
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エゴが少ない選手たちによってロースターが構成されてきたことは、ウォリアーズにとって幸運だった。30代に差し掛かろうとしている4人のオールスター選手が中心にいながら、総シュート数やボールタッチ数が問題に上がることは少ない。彼らが選手としての全盛期を迎えていることもあるだろう。
しかし、いくつか疑問点もある。まず、リザーブのデビッド・ウェストがESPNに対し、舞台裏ではネガティブな部分が多くがあったと発言したことだ。これは一体どういう意味か?
“Y’all got no clue. No clue. That tells you about this team that nothing came out,” David West said https://t.co/VkrrVYX86o
— Marc J. Spears (@MarcJSpearsESPN) 2018年6月9日
ESPNライター、マーク・J・スピアーズのツイート:
—「君たちには全く見当がつかないはずだ。まさにそれが、何も表に出ないこのチームを物語っているんだ」とデビッド・ウェストは言った。
—ウォリアーズのフォワード、デビッド・ウェストは、表に出たら人々がショックを受けるであろう多くのことが、舞台裏で起きていたと言う。
ウォリアーズの全員が同じ方向を向き続けることはできるだろうか? 来夏フリーエージェントとなるクレイ・トンプソンは、1試合平均16.1本ものシュートを打ちながらチーム3番手としての役割を受け入れ続けるだろうか? 自己主張の強いドレイモンド・グリーンが、さらなるオフェンス面での貢献を果たそうとするだろうか? カンファレンスファイナルでのぞかせた第4クォーターでの勝負弱さが来年も続いた場合、誰かが非難されることになるだろうか? ステフィン・カリーはファイナルのMVPを、またしてもケビン・デュラントに譲ることになるのだろうか?
ゴールデンステイトの選手たちは我々をもてあそんでいるだけなのだろうか?
In today's @NYTSports column on the Warriors, here's one theory making the rounds in team circles about the David West "y'all got no clue" soliloquy about behind-the-scenes chaos this season: pic.twitter.com/TLr4hWXKKo
— Marc Stein (@TheSteinLine) 2018年6月11日
NBA記者マーク・ステインのツイート:
今日、僕がウォリアーズに関するコラムに載せた、デビッド・ウェストの発言についての一説。
「優勝を決めた直後の金曜夜、ベテランフォワードのデビッド・ウェストが記者たちに、ウォリアーズがシーズン序盤で直面した内紛をほのめかそうとした。この時ほど微妙な状態に陥ったことが、これまであったろうか。私が思うに、あくまでも個人的な意見だが、ウェストと、その他にも似たようなコメントをしたウォリアーズの選手たちが、どれくらい大騒ぎになるかを見るために、バスケットボールファンをもてあそんでいたという説はないだろうか」
将来、ウォリアーズのロッカールームで問題が起きるとすれば、それはチームが高い年俸を払い続けるほど深刻化するかもしれない。カリーは2022年までの契約にサインしており、まだ1億6600万ドル残っている。次はデュラントの番で、恐らく今年の夏に4年、1億6000万ドルの契約となるだろう。トンプソンは2019年、グリーンは2020年に契約が切れる。
ウォリアーズは来シーズンを終えた後に本拠地を新アリーナへと移し、収益を増やす予定だ。チームのオーナーは、NBAファイナルを目指して奮闘を続けている限り、その収益を選手たちに還元するつもりだと発言している。それでも、もし次の契約更新でウォリアーズが4人のスター選手を抱え続けようとすると、チームに課せられるラグジュアリータックスは途方もない額になってしまう。もしかすると、所属選手の年俸総額は3億ドルの大台を越え、サラリーキャップの3倍に達するかもしれない。
ウォリアーズのフロントがラグジュアリータックスを支払うことはもはや避けられず、限度額を定める必要に迫られることになるだろう。その負担を軽減する唯一の方法は、スター選手の誰かを放出することだ。
もしもウォリアーズが“選手たちのエゴ”と“財政難”を乗り越えることができたとしても、“倦怠感”、要するに飽きられることが、短期的に主な障害として立ちふさがることが考えられる。今年のポストシーズンでは、トップスピードに乗る前のここぞという場面で勢いに乗り切れない場面が多く見受けられた。そのプレーはまるで退屈なチームのようだった。
シーズンを通して選手たちのモチベーションを高めることに、ヘッドコーチのスティーブ・カーは腐心した。カーの鼓舞によってチームは再びNBAファイナルに進出できるところまで持ち直したが、今後チームが苦労して勝ちを重ねるにつれて、緊迫感を保つのは難しくなっていくだろう。
課題その2:ベンチの補強
今年のウォリアーズは、対戦相手やマッチアップに応じて多くのオプションを使い分ける懐の深いチームだった。しかし、ベンチを含めて一つの組織として構成されることを踏まえると、それほど選手層が厚いとは言い難くなる。今シーズン、本当の意味でベンチが機能したことは一度もなかったからだ。
チームの頼みの綱は限られた人数しかいないが、増員の機会はこれから多くある。トップの4選手以外で来シーズンチームへの合流が確約されているべテラン選手は、アンドレ・イグダーラとショーン・リビングストンの2選手のみだ。すばらしいデビューシーズンを過ごしたジョーダン・ベルもまた、チームに戻ってくるだろう。
あとは誰だ? ウォリアーズは、たとえロッカールームのリーダーたちを失うことになっても、ベンチに置いておくべきユーティリティな若手を探すだろう。その手始めとなるのがウェストだ。彼とザザ・パチューリアは、ベテラン選手たちのインタビュー以外では名前が上がらない。時折見せる好プレーが長続きしなかったセンターのジャベール・マギーもまた、その候補だ。
ニック・ヤングはチームを去ることになるに違いない。ケボン・ルーニーの来シーズンの合流も、おそらくないだろう。しかし、それは彼のパフォーマンスの内容よりも、契約内容に起因する部分が大きい。今年はケガに苦しんだがコートに復帰した2年目のパトリック・マコーは、低価格でチームにとどまらせるべきだろう。
つまり、ウォリアーズは主にベテランミニマム契約を使ってベンチメンバー4~5人を埋めようとするだろう。今年のドラフトで全体28位指名権を持っている彼らは、昨年ベルを獲得したときと同じように2巡目指名選手との交渉権をトレードする可能性もある。若手選手を育成してローテーションの穴を埋める手もあるが、それは危険な手段だと言わざるを得ない。
(後編へ続く)
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