ロサンゼルス・クリッパーズのパトリック・ベバリーが、高校時代のドキュメンタリー映画から現在までを振り返った。
最後にドキュメンタリーに出たのは2006年。シカゴのマーシャル高校のシニアのときだ。映画『フープ・ドリームス』のアーサー・エイジーから頼まれた。彼はマーシャル高でプレイしていたんだ。僕の近所の出身だった。僕は『フープ・ドリームス』を観て育ったし、やりたかったんだ。
1年を通じて、シカゴのどこに行っても、カメラクルーがついてきた。映画スターになったみたいだった。映画『Hoop Reality』はオンラインで見つけられる。
8月にクリッパーズのシーズンチケットホルダーのイベントでシカゴからロサンゼルスに向かい、『Fox Sports』が僕の旅をドキュメンタリーにした。飛行機の中で最後のドラフトの場面を何度も見て、感動した。4回見たよ。55分間に自分の人生の過去10年を見た気分だった。
2008年、僕はバスケットボールか、ストリートかを選ばなければいけなかった。金が必要で、「9時から17時までの仕事」をするつもりはなかった。僕はストリートを選んだ。それは普通のことだった。
あの夏はいろいろなことが起きた。娘が生まれ、従兄弟は殺され、僕の両腕の中で死んだ。
アーカンソー大でのカレッジバスケットボールを辞めても練習していた僕は、ある日Hoops the Gymでウィル・バイナム(元NBA選手)と出会った。シカゴの僕らみたいな人間にとっては、良き先輩であり刺激だった。
ウィルに「僕はショットをうまく打てるし、数字を残している。みんなをやっつけている。ほかに何が必要なんだ?」と尋ねたときの返事は忘れない。
「NBAでは誰もが得点できる。あそこに行きたいなら、守備をやらなければいけない」。
またバスケットボールを選ぶタイミングだった。1カ月後、僕はウクライナにいた。電車で20時間かけて移動し、オーブンで家を暖めながら、僕は守備を鍛えていった。マイアミに行くまで、ウィルの助言に従ってきたんだ。
マイアミのことはいろいろと考える。“ビッグスリー”の1年目(レブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュがマイアミ・ヒートに集結した2010年)で、ロスターの15人は決まっていた。新人は僕とデクスター・ピットマン。問題は、自分がポイントガードとして2番手なのか、3番手なのかということだけだった。
はっきり覚えている。プレシーズンの終わり、ある日の練習でレブロンが体を温めていて、(エリック・スポールストラ)コーチが「誰か彼をマークしろ」と叫んだんだ。マイク・ミラーがいったけど、レブロンがポストムーブをして、ミラーは親指を痛めた。もしも彼がケガをしていなければ、僕は2回、おそらくは3回優勝していたはずだ。ダラス・マーベリックスも倒していただろうからね(ヒートは2011年のNBAファイナルでマーベリックスに敗れたものの、翌2012年にオクラホマシティ・サンダー、2013年にサンアントニオ・スパーズを下して2連覇を達成した)。
でも、正直に言えば、当時の自分はメンタル面で準備ができていなかった。自分のプレイを磨くのに、その後の国外での2年が必要だったんだ。ヒューストン・ロケッツに入団し、NBAに戻って来たときに、僕は準備を整えることができた。
昨季はロサンゼルスで楽しかった。でも、良くはなかった。ロサンゼルス・レイカーズとの開幕戦でケガをし、ハワイでのトロント・ラプターズ戦でもケガをした。キャリア最高の成績だったけど、11試合しかもたなかった。
ひざの手術で離脱してから、ほとんどの時間、自分は何者なのかと、自分のことを考えていた。そして、バスケットボールを学ぶことをいかに楽しんでいるかに気付いたんだ。いくつか本を読んだし、『ゲーム・オブ・スローンズ』(『Game of Thrones』。米人気テレビドラマシリーズ)を見た。でも、何よりもNBAを見ていたんだ。そして自分ならどうするかを考えていた。僕はバスケットボールの学生になったんだ。
クリッパーズは今までで最も自分に近いチームかもしれない。証明すべきことがあり、身を引くことのない労働者の集まりだ。僕はただ熱狂的に応援するタイプというだけでなく、正しいリーダーでありたいと思っている。模範的にこのグループをけん引する必要がある。
例えば、シェイ(ギルジアス・アレクサンダー/クリッパーズの新人)には、今は何も言う必要がない。でも、浮き沈みはある。彼にもっとやらなければいけないと分からせなければいけないタイミングもあるだろう。でも、今はただ楽しんでほしい。僕らみんなが若かったときにそうだったみたいに、すべてをフレッシュにしていてほしい。
彼は僕らの練習の仕方を見ている。僕は彼に少しのヒントを与える。全力を出せば、ケガをするかもしれない。今は試合のためにセーブしようとしている。
それが成長したということの一部だ。今の僕はより年をとり、立場を築いた。数年ごとに、僕は高校時代の映画を見ている。未熟だった自分を見るために。それからたくさんのことが変わった。僕のフープドリームは、現実のものとなったんだ。
原文: My Hoop Dream Became My Reality by Patrick Beverley/Clippers.com(抄訳)
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