マイク・コンリーJr.とケビン・デュラントがアカデミー賞を受賞

大西玲央 Reo Onishi

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4月25日(日本時間26日)、第93回アカデミー賞の授賞式が行なわれた。『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督がアジア系女性としてアカデミー賞史上初めて監督賞を受賞するなど話題となったが、NBA界隈ではもうひとつ注目しておきたい作品がある。

それが短編実写映画賞を受賞した『Two Distant Strangers』(邦題『隔たる世界の2人』)。エグゼクティブプロデューサーには、ユタ・ジャズのマイク・コンリーJr.とブルックリン・ネッツのケビン・デュラントが名を連ねているのだ。

この作品は、昨年の5月にミネソタ州ミネアポリスで起きた白人警官によるジョージ・フロイドさん殺害事件を受けて製作された。

あらすじは、主人公の黒人青年が白人警官によって理不尽に殺され続けるタイムループに陥ってしまうというもので、全米で問題になり続けている警官による黒人への暴力を題材としている。

主人公を演じているのは人気ラッパーのジョーイ・バッドアスで、音楽の使い方も巧みな作品だ。

コンリーは昨年この作品に参加することを持ちかけられたとジャズの公式サイトに語っている。

「友人に誘われた時はまだ企画段階で、あと何人か参加しないと製作できないという状況だったんだ。ここまでになるとは思いもしなかったよ。当時はサンダンス映画祭に出品しようとしていたのだけど、今ではここまでになった」。

コンリーとデュラントはこれで2018年に短編アニメ部門にて『Dear Basketball』(邦題『親愛なるバスケットボール』)でアカデミー賞を受賞した故コービー・ブライアントに続く、2、3人目のNBA選手となった。

『隔たる世界の2人』は、日本ではNetflixにて4月9日から配信されている。

大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。