マイケル・ジョーダンの背番号別スタッツ

Brian Martin, NBA.com

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マイケル・ジョーダンと背番号23以上に、特定の番号と結びつけられるアスリートは少ない。だがジョーダンは、トレードマークの23番以外のジャージーを着て23試合をプレイしている。

ジョーダンとシカゴ・ブルズが優勝した1997-98シーズンを追った全10話のドキュメンタリーシリーズ『The Last Dance』(邦題『マイケル・ジョーダン: ラストダンス』/Netflix)の第7~8話は、1992-93シーズン後に1度目の現役引退を表明したジョーダンが、野球転向後から1994-95レギュラーシーズン終盤に現役復帰するまでの話が中心になっている。

ブルズが1度目の3連覇を果たしたあと、球団はジョーダンの背番号23番を永久欠番にし、ユナイテッド・センターの外に彼の銅像を建てた(現在は会場内に設置されている)。当時ジョーダンは、マイナーリーグのダブルAに属するバーミングハム・バロンズでプレイし、そこでは背番号45番を選んだ。

1度目のNBA引退から21か月後、ジョーダンはダイヤモンドからハードウッドに戻ることを決断し、1995年3月18日(日本時間19日)、「I’m back」という簡潔な二言とともにバスケットボールに復帰した。

だがジョーダンは、復帰後もすぐに背番号を23番に戻すのではなく、バスケットボールキャリアの新章を迎えたことで45番を選択した。

45番時代のジョーダンは、1995年3月28日(同29日)に行なわれた復帰5戦目のニューヨーク・ニックス戦で55得点を記録した。だが、23番のジャージーに戻すまでは、さほど時間がかからなかった。

同年のレギュラーシーズン残り17試合から1995年のプレイオフ5試合目まで、ジョーダンは45番を着けて22試合に出場。その間ブルズは16勝6敗という戦績を残し、ジョーダンは平均27.5得点、6.7リバウンド、5.3アシスト、1.8スティール、フィールドゴール成功率42.4%、3ポイントショット成功率47.1%というスタッツを記録した。

マイケル・ジョーダン 背番号別成績(レギュラーシーズン&プレイオフ合算)

背番号 G

勝敗

勝率 MPG PPG RPG APG SPG BPG
23(すべて) 1228 809-419 0.659 38.7 30.6 6.2 5.3 2.3 0.8
23(ブルズ) 1086 742-344 0.683 39.1 31.9 6.3 5.4 2.4 0.9
23(ウィザーズ) 142 67-75 0.472 36.0 21.2 5.9 4.4 1.5 0.5
45 22 16-6 0.727 39.7 27.5 6.7 5.3 1.8 0.7
12 1 0-1

0.000

47.0 49.0 7.0 2.0 0.0 1.0
23以外 23 16-7 0.696 40.0 28.4 6.7 5.1 1.7 0.7

しかし、オーランド・マジックと対戦したイースタン・カンファレンス・セミファイナル第1戦に敗れたあと、背番号を45から23へ戻すことになった。第4クォーター残り20秒の時点で1点リードしていたブルズは、ジョーダンがニック・アンダーソンにボールを奪われしまい、元ブルズのホーレス・グラントにトランジションからダンクを叩き込まれる。残り6秒に逆転されたブルズは、この試合を落とした。

その試合後、アンダーソンはリポーターに「45番は23番とは違う。23番が相手だったら、スティールは奪えなかったかもしれない」と語った。

それ以降、45番のジャージーを着るジョーダンは見られなくなった。

復帰からレギュラーシーズンとプレイオフの合計で23試合目となったマジックとのシリーズ第2戦、ジョーダンは背番号を23に戻して試合に臨み、38得点の活躍でチームに104-94での勝利をもたらし、シリーズを1勝1敗のタイに戻した。最終的に第6戦でシリーズを制したのはマジックで、ジョーダンが最後に敗退したプレイオフシリーズになった。

マジックは、ジョーダンがもうひとつの背番号(12)をつけてプレイした試合の対戦相手でもあった。1990年のバレンタインデー、ブルズが敵地でマジックと対戦したときのことだ。ジョーダンの23番のジャージーが紛失してしまい、ブルズは予備の23番を用意していなかった。ジョーダンにフィットする23番のジャージーを着ている観客が会場にいないか探したものの見つからず、仕方なく、チームが持ってきていた予備の12番の、名無しのジャージーを着用してプレイした。

ブルズはオーバータイムの末に129-135でマジックに敗れたものの、それでもジョーダンは47分のプレイでFG43本中21本を決めて49得点を記録した。12番は、ジョーダンが唯一、試合に勝てなかった背番号だ。

背番号 FGM FGA FG% 3PM 3PA 3P% FTM FTA FT%
23(すべて) 11.5 23.2 49.7 0.6 1.8 32.5 7.0 8.4 83.5
23(ブルズ) 11.9 23.6 50.4 0.6 1.9 32.9 7.5 8.9 83.7
23(ウィザーズ) 8.7 20.1 43.1 0.2 0.8 24.1 3.7 4.6 80.5
45 10.1 23.8 42.4 1.1 2.3 47.1 6.2 7.8 80.1
12 21.0 43.0 48.8 0.0 2.0 0.0 7.0 10.0 70.0
23以外 10.6 24.6 42.9 1.0 2.3 45.3 6.3 7.9 79.6

23番を着けてプレイしたブルズ時代とワシントン・ウィザーズ時代を含め、ジョーダンの背番号別スタッツを見比べてみると、興味深い結果になった。

23番を着けたブルズ時代はレギュラーシーズンとプレイオフを合わせて1086試合に出場して平均31.9得点、FG成功率50.4%、6.3リバウンド、5.4アシスト、2.4スティール、勝率68.3%を記録した。

45番での22試合では、3P試投数が増え(平均2.3本)、成功率も上がっている(47.1%)。しかしながら、2点ショットの成功率を見てみると、23番と比べて45番を着けた試合でのほうが10%も低い(ブルズ時代は51.9%、ウィザーズ時代を含めても51.1%)。

1度目の引退から復帰後に45番を着けてプレイした試合数(22試合)は比較対象としては少ないが、見た目は新鮮だった。当時の効率性はジョーダンの基準からすれば若干低かったとはいえ、野球に転向後から21か月のブランクがあっても、それまでと遜色ない数字を残してみせた。アクシデントにより12番のジャージーを着てプレイした試合でも、彼は49得点、7リバウンドを記録している。

マイケル・ジョーダンと23番はワンセットかもしれないが、彼ならどの背番号でも試合を支配できるということだ。

原文:Michael Jordan: By The Jersey Numbers by Brian Martin/NBA.com/Stats(抄訳)


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