元サンダーのスティーブン・アダムズの凱旋試合、グリズリーズは3連勝

YOKO B

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3月13日(日本時間14日)、オクラホマ州オクラホマシティのペイコム・センターで行われたメンフィス・グリズリーズ対オクラホマシティ・サンダーの一戦は、デズモンド・ベインの21得点を筆頭に6選手がバランス良く二桁得点をあげ、125-118でグリズリーズがサンダーを下した。

この試合は、2013から2020年までサンダーに所属したスティーブン・アダムズが、オクラホマのファンのいる会場で移籍以降にプレイする初めての試合となった。会場にはアダムズのジャージーを着たファンも多く、アダムズが試合前にコートに姿を現した時点ですでに歓声が上がっていた。

アダムズは試合前日、地元紙『The Oklahoman』の取材に対して「スタンディングオベーションなんてないかもしれない。ハードルは低いほうがいいよ」と答えている。しかし、グリズリーズの先発選手の紹介の際にアダムズの名前がアナウンスされると、アダムズは盛大なスタンディングオベーションで温かく迎えられた。

アダムズはそのオベーションを「素晴らしかった」と振り返っている。

「良い気分だったよ。去年も戻ってきたけど、ファンがいなかったから何か違う感じがしたんだ。この場所はファンがいてこそだから。戻って来れて最高だよ」。

試合は、第1クォーター終了時点でグリズリーズが38-26と12点差をつけてリード。アダムズが9分間で7得点、8リバウンドを記録した。第2Qはサンダーの7-0のランで幕を開け、グリズリーズは61-54とリードを詰められてハーフタイムを迎えた。

第3Qに入ると再びグリズリーズが主導権を握って試合を展開させ、そのまま95-79とリードして終了。迎えた第4Qには、サンダーのベイズリーに12得点、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーに11得点を許し、さらに残り25.5秒にはテオ・マレドンの3ポイントショットで121-115まで差を詰められたものの、最後はグリズリーズが勝ち切った。

この試合に勝って3連勝となったグリズリーズは、7選手が二桁得点をあげるバランスの取れた得点力を発揮。ベインが21得点、8リバウンド、ジャレン・ジャクソンJrが18得点、5リバウンド、ジャ・モラントが17得点、10アシスト、5リバウンドをマークした。

そのほか、足首の負傷から28試合ぶりに復帰したディロン・ブルックスが15得点、4アシスト、ブランドン・クラークが12得点、10リバウンド、タイアス・ジョーンズが12得点、ザイア・ウィリアムズが11得点を記録している。アダムズは9得点、16リバウンドで終了した。

グリズリーズのテイラー・ジェンキンズ・ヘッドコーチは試合後「サンダーを大いに褒めたい」と話している。

「彼らは48分間、とにかく諦めずに戦った。我々はただ、要所要所でなんとか止めることができただけだよ」。

これで6連敗となったサンダーは、ギルジャス・アレクサンダーが31得点、7アシスト、6リバウンドをマーク。ベイズリーが自己最多の29得点、10リバウンドでダブルダブルを達成、リンディー・ウォーターズ3世が3P4本成功で16得点を記録している。

ベイズリーは最後の粘りについて「僕らは多くのことを成功させなくてはいけなかったし、相手は成功させないようにしなくてはならなかった」と話す。

「(グリズリーズ)は良いチームだ。でも、僕らはみんなでまとまって最後まで戦い抜こうとしたという点で良くやったと思うよ」。

この試合は、ティップオフ直前に両チームの先発選手がコート中央に集まり始めてから、どちらのチームも白のジャージーを着ていることに選手やコーチ、レフリーが気づき、試合開始が遅れた。

会場がざわつき始める中、両チームの担当スタッフが確認した結果、グリズリーズのジャージーが本来ネイビーブルーの予定だったことが判明。グリズリーズの選手たちは一旦ロッカールームに引き返し、着替えた先発選手が戻ったところでティップオフを迎えている。

サンダーは2021年2月26日(同27日)のアトランタ・ホークス戦でも似たような経験をしている。ベイズリーは「顔を上げて、相手が白のジャージーを着ているのを見たとき、『一体どういうこと?」って感じだったよ」と、笑いながらその状況を振り返った。

ボックススコア

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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。