ペイサーズと契約のTJ・マッコネル、4年前のように自ら役割を把握

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2015年6月14日(日本時間15日)、インディアナ・ペイサーズのドラフト前のワークアウトは、実質的に2選手のショーケースだった。ほかにも参加した選手たちがいるが、真剣に考えられていたのは2人だけだった。マイルズ・ターナーとフランク・カミンスキーだ。

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すべてのプレイがどちらかのためのもので、もう片方の選手は守備をした。誰からがパスを出さなければならず、スクリーンをかけたり、パスの受け手となったりしなければいけなかった。ほとんど人目につかなかったガードたちは、DJ・ニュービル、コーリー・ホーキンス、ダラン・ヒリアード、そしてTJ・マッコネルといった選手たちだった。

7月29日(同30日)、ペイサーズと正式に契約したマッコネルは、当時を振り返った。ターナーをよく見せるのが自分の役割だったと冗談を飛ばしている。その年のドラフトで、ターナーはペイサーズから全体11位指名された。

マッコネルは「マイルズにメールで『あのワークアウトでポイントガードが僕だったから君は指名されたんだ』とメールしようかと思っていたんだ」と話している。

彼はワークアウトでの自らの役割を悪く思っていない。ドラフトでは指名されなかったが、まったくの時間の無駄ではなかったのだ。そして、当時のペイサーズがワークアウトを行なった理由も分かっていた。マッコネルは「自分を分かっていないとね」と述べた。

29日、彼はその言葉を何度も使った。それはNBAにおける彼のキャリアそのものだったのだ。彼は自分の場所を分かっている。2015年のドラフトにも思い込みはなかった。2巡目後半に名前が呼ばれることへの希望はごくわずかに持っていたが、現実を十分に認識していたのだ。マッコネルは「期待はしていなかった」と話した。

だがその後、マッコネルはフィラデルフィア・76ersからトレーニングキャンプに招待される。当時の76ersは、マッコネルのようなドラフトで指名されなかったフリーエージェント選手が仕事を見つけるのに完璧な機会だった。チームは10勝しかできなかったが、マッコネルは81試合に出場(先発17試合)し、ファンのお気に入りとして立場を確立したのである。

そしてこの夏、マッコネルにはFAで複数の選択肢があった。だが、ペイサーズのオファーに飛びついたという。理由はファンの環境やチーム文化だ。

マッコネルは「ペイサーズは若く、規律がある。それはネイト・マクミラン・ヘッドコーチから始まっているんだ」と述べた。

「僕はその一員になりたかったんだ」。

背番号9を纏うマッコネルは、ペイサーズとの契約報道後、ビクター・オラディポから連絡があったと明かしている。そして、彼らはサマーリーグ中にラスベガスでグループワークアウトに参加した。ターナーからも連絡があったそうだ。

特別な役割を約束されていないというマッコネルは、ポイントガードとして出場機会を得るために、競わなければならないと覚悟している。ケガがなければ、先発はFAで加入のマルコム・ブログドンだろう。だが、昨年のドラフトで1巡目指名されたアーロン・ホリデーもプレイ時間の増加を願っている。マッコネル同様に29日に契約したエドモンド・サムナーもいる。

だが、マッコネルは「仕事をして、どうなるかを見てみよう」と述べた。

「僕は懸命に仕事をして、コートに立つ機会を得ようとするだけだ」。

これまでのキャリアがいかに成功であるかは、2015年のドラフト前のワークアウトで、ほかのガードたちがその後どうなったかが示している。

ニュービルは指名されず、サマーリーグではロサンゼルス・クリッパーズで4試合に出場したが、トレーニングキャンプに呼ばれることはなく、以降は6つの国でプロとしてプレイすることになった。

ホーキンスも指名されず、76ers、サクラメント・キングス、ゴールデンステイト・ウォリアーズでサマーリーグを戦い、マイアミ・ヒートでプレシーズンマッチにも出場したが、NBAのレギュラーシーズンを戦ってはいない。Gリーグや外国でのキャリアとなった。

ヒリアードは全体38位でデトロイト・ピストンズに指名され、3シーズンにわたりピストンズ、サンアントニオ・スパーズで91試合に出場したが、過去2シーズンは主にユーロリーグのチームでプレイしている。

マッコネルは76ersの「プロセス」で飛躍したかもしれない。だが、今は新たなプロセスの一員として新しいスタートを迎えた。当然の期待をしつつ、マッコネルは自分へのハードルも高く設定している。それもまた、「自分を分かっている」ということだ。

マッコネルは「5年前、今自分がここにおり、2度目の契約を手にしていると言われても、きっと僕は信じなかっただろう」と述べた。

「でも、それ以上にクレイジーなことが起きたのさ。今の自分になるために懸命に仕事をしてきた。その権利を勝ち取ったのだと思っている」。

原文: McConnell Still Aware of His Role for the Pacers by Mark Montieth/Pacers.com(抄訳)​


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ