NBAには明確に「完璧な日」と言える日付がある。5月7日だ。
それはなぜか。まずは1972年から見てみよう。
NBAファイナルで、ロサンゼルス・レイカーズはニューヨーク・ニックスを3勝1敗とリードしていた。当時、レイカーズは優勝5回。いずれもミネアポリスが本拠地だった時代のタイトルだ。
ロサンゼルス移転後のレイカーズの優勝回数は、ニックスよりも少なかった。1972年5月7日(日本時間8日)、ウィルト・チェンバレン、ジェリー・ウェスト、ゲイル・グッドリッチらが、ロサンゼルスに初の優勝をもたらした。レギュラ-シーズンで33連勝というNBA最長記録を樹立したのが、この1972年のレイカーズだ。
次は1989年を見てみよう。マイケル・ジョーダンだ。この名前抜きに「完璧の日」があるだろうか。
1989年5月7日、ジョーダンはファウルラインでジャンプし、クレイグ・イーロー越しに決勝ショットを沈めた。ブルズがプレイオフ・ファーストラウンドでクリーブランド・キャバリアーズを倒した“ザ・ショット”だ。
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さらに進んで、1994年の5月7日。第8シードのデンバー・ナゲッツが第1シードのシアトル・スーパーソニックスとのロードでの第5戦で勝利した。
ナゲッツの偉業をさらに印象的にしたのは、レギュラ-シーズンで63勝をあげたソニックスを相手に、0勝2敗から3連勝と逆転でシリーズを制したことだ。
そのナゲッツはユタ・ジャズとのカンファレンス・セミファイナルでも、0勝3敗からの3連勝で第7戦に持ち込んだ。だが、奇跡はそこまで。ジョン・ストックトンとカール・マローンのコンビに屈した。
その1年後は、レジー・ミラーの時間だ。
舞台はマジソン・スクエア・ガーデン。6点ビハインドで迎えた残り20秒、ミラーは3ポイントショットを沈める。グレッグ・アンソニーとアンソニー・メイソンがインバウンドパスを失敗。スティールしたミラーは、再び3Pを決めて同点とした。
しかも、それで終わりではなかった。ジョン・スタークスがフリースローを失敗し、リバウンドを拾ったミラーはファウルされ、2本のFTをやすやすと決めたのだ。ミラーは6点ビハインドから2点リードに導いたのである。9秒間で8得点だ。そして、第1戦はインディアナ・ペイサーズが勝利した。
最後は2002年。アレン・アイバーソンが会見で「練習」について不満をぶちまけた。プレイオフまっただ中の2002年5月7日のことだ。
On This Date: In 2002, Allen Iverson talked about practice. pic.twitter.com/O2J1UF2BC0
— ESPN (@espn) May 7, 2019
多くのNBAファンは、ポール・ピアースとボストン・セルティックスにフィラデルフィア・76ersが敗れた直後の出来事だったことを分かっていない。この瞬間は、約20年が経っても多くの人の心に響く文化的現象となった。
もしも日にちの「殿堂入り」があったならば、だれもが5月7日に真っ先に投票するだろう。ミラーに試合とNBAファイナルを奪われたニックスを除き、すべての人が。
原文:May 7th: Is there a date in NBA history with more notable and memorable moments? by Sidd Sinha/NBA India(抄訳)