2024年NBAドラフト有力候補とされるマタス・ブゼリス(Gリーグ・イグナイト)はどんな選手?

Kyle Irving

YOKO B

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1年以上にわたってフランスの天才ビクター・ウェンバンヤマがトップ指名と言われていた2023年のドラフトと比べると、2024年のNBAドラフト1位指名候補の状況は興味深い。

というのも、今回のドラフトは全く逆だからだ。シーズンが進むにつれ、異なる何人かの選手が入れ替わり1位指名候補として挙げられることになるだろう。

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上位指名に名乗りをあげる有力候補の中で知っておいて損はないのが、Gリーグ・イグナイトのスターであるマタス・ブゼリスだ。

身長6フィート10インチ(約208cm)のウイングであるブゼリスは、5つ星リクルートでマクドナルド・オール・アメリカンにも選出されたが、デューク大、ケンタッキー大、ノースカロライナ大、カンザス大といった大学からのオファーを見送り、NBA入りにより適していると感じたプロの道を選んだ。

19歳のブゼリスは、足首の負傷のためにまだイグナイトでの公式戦デビューを果たしていないが、現在のリーグにおいてどのチームもが求めている攻撃の武器となる万能型選手である。

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(NBA Getty Images)

彼はキャッチ&スリーがスムーズで、ドリブルからのショットを自ら作り出すことに自信がある。ハーフコートでは積極的にカットし、トランジションで的確なコースを走って相手にダメージを与える。7フィート(約213cm)近い彼の長さとクリエイティビティは、最近のNBAではありふれたものに感じるかもしれないが、10代としてはそれは非常にユニークで貴重なスキルセットだ。

ブゼリスは、なり得る限り最高のバスケットボール選手へと成長できることを期待して、2019-20シーズンのプログラム開始以来どのプログラムよりも多くのNBA選手を輩出しているイグナイトの育成プログラムを受け、プロ選手たちを相手に自分の長所と短所を試している。

彼はすでにプロのレベルでプレイすることの違いを感じているが、それはこのルートが大学進学よりも魅力となった最も大きな要因のひとつだった。

「試合のペースがすごく違うんだ。まだ適応している最中だよ」

彼は、シーズン序盤に直面した予想外の試練について訊かれ、『TheSporting News』にそう答えている。

「コンディショニングはもちろんだけど、試合のフィジカルさも大きいね」

コート上でも、ウェイトルームでも、フィルムルームでも、日々研鑽を積んでいるブゼリスは、上達の兆しをすでに感じていて、それを披露する日を楽しみにしている。

「(イグナイトは)攻守両面で僕の万能性を生かそうしている。僕がプレイするときのエナジーもね」

彼は、自身の成長した点についての質問にはこう答えている。

「もっと守備での強さを見せつけたいし、自分に何ができるかを見せたいんだ。その部分で僕はもっとずっとうまくなれると思っているから」

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Matas Buzelis
(NBAE via Getty Images)

ブゼリスはリーグ屈指の選手たちを常に観察し、彼らのプレイを自分のプレイに取り入れようとしているバスケットボールジャンキーだ。最も研究している選手について尋ねられた彼が、NBAで最もオフェンスに長けた4人の選手を挙げたことに不思議はない。

彼は、「僕はいろんな選手のゲームの何かを取り入れるのが好きなんだ。ポール・ジョージのプレイはよく見ている。ルカ(ドンチッチ)とシェイ(ギルジャス・アレクサンダー)も少しね」と『TheSporting News』に語った。

「ヨキッチはすごい活躍をしているよね」と、彼は続ける。

「ボールを持ったときの彼はすごいことをしているのに、とても簡単に見えるんだ」

ブゼリスは、YouTubeでJR・スミスのハイライトを見るという密かな楽しみも持っている。おそらく、彼の自信たっぷりなところや、いつでも打つというマインドセットを掴むためだろう。

「以前はJR・スミスのプレイをよく見ていたよ。彼のプレイは芸術みたいで、うまく言葉では言い表せないんだけど」と、笑顔で語っている。

来シーズンNBA入りを果たせば、ブゼリスが今アイドルと考える選手たちはライバルになる。とはいえ、19歳のブゼリスがその瞬間に浮かれることはないだろう。

来年、誰との対戦が一番楽しみかという質問に対し、「誰とでもマッチアップするよ。どんなチャレンジも受けて立つつもりだ」と、彼は自信に満ちた口調で答えている。

しかし、ブゼリスはまだそこまで先のことを考える段階ではない。彼が最も楽しみにしているのは、今シーズン、コートに立って自分自身を証明することだ。

「みんなと一緒にプレイする準備はできている」と、彼は付け加えた。

ブゼリスのGリーグ・イグナイトの道のりは、11月22日(日本時間23日)にGリーグの公式YouTubeチャンネルで公開された『The Break, presented by The General』と題したドキュメンタリーのシーズン2で見ることができる。

シーズン2のナレーションはNBAのレジェンドであるシャキール・オニールが担当。NBAチャンピオンのフアン・トスカーノ・アンダーソンや、元イグナイトのガードでポートランド・トレイルブレイザーズの選手育成コーチに転身したプー・ジーターが短時間だが出演する。

ブゼリスは『The Break』について、「(視聴者は)シーズン中に僕らが経験している苦悩を見ることになると思うし、そこからどう抜け出していくかも見ることになると思う」と言う。

「面白く見れると思うよ」

第1話「マタス・ブゼリスのプロへの道のり」の全編は以下で見れる。

原文:Who is Matas Buzelis? Meet the G League Ignite star and potential No. 1 pick in the 2024 NBA Draft
翻訳:YOKO B

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You read that wrong – not Kyrie Irving. From Boston, graduated from the University of New Hampshire. Sixth season as a content producer for NBA.com's Global editions. Covering the NBA Draft has become his annual "dream come true" moment on the job. Irving has a soft spot for pass-first point guards, with Rajon Rondo and Steve Nash being two of his favorite players of all time.

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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。