ルカ・ドンチッチを止める最善策にレブロン・ジェームズが言及 セルティックスの参考になるか?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

ルカ・ドンチッチを止める最善策にレブロン・ジェームズが言及 セルティックスの参考になるか? image

今季のプレイオフでダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチは対戦相手にとって手に負えない存在だった。1試合平均28.8得点、9.6リバウンド、プレイオフ最多の8.8アシストを記録している。しかも、これらはすべて、ひざの調子が良くない中での数字だ。

さらに印象的なのは、リーグ有数のディフェンダーたちと対戦してきた中でこれらを成し遂げていることだ。ミネソタ・ティンバーウルブズはあらゆる守備を試したが、ドンチッチにすべて崩された。

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ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズによると、そのうちのひとつは大きな間違いだったという。

ルカ・ドンチッチの守り方に関するレブロン・ジェームズのアドバイス

ルカ・ドンチッチにブリッツしてはいけない

ジェームズは自身のポッドキャスト『Mind the Game』の中で、ドンチッチを守る上での最善の方法について考えを述べた。その第一は、ブリッツ回避だ。

ブリッツとは、ボールスクリーンでドンチッチに対してダブルチームを仕掛けることだ。ウルブズはウェスタン・カンファレンス・ファイナルでこれを頻繁に用いた。しかし、ジェームズが予想したように、そのすべてがうまくいかなかった。

ジェームズは共同ホストのJJ・レディックに「特に彼の周囲のショット力からも理解できないよ。理にかなっていない」と述べている。

「彼はすべてを見抜くんだ」

ドンチッチに対してブリッツを仕掛けたのは、ウルブズが初めてではない。彼は圧倒的にリーグで最もブリッツを仕掛けられている選手だ。対戦相手はどうにかしてドンチッチにボールを手放させようとするからである。レイカーズも今季序盤、ドンチッチに対してブリッツを試みた。だが、ジェームズは「ダンテ・エクサムに3ポイントショット6本中5本成功されたよ」と指摘している。

ボストン・セルティックスはNBAファイナルでジェームズのアドバイスを参考にするかもしれない。彼らはリーグで最もブリッツが少ないチームのひとつだ。そしてその代わりに、選手たちがスクリーンで素早くファイトオーバーし、リカバーすることをあてにしている。

では、ブリッツがダメなら、何が答えになるのだろうか?

組み合わせ

ドンチッチを抑える鍵は、彼に先を読ませないことだ。

レディックは「様々な方法を組み合わせていかなければいけない」と話した。ジェームズもこの考え方に賛同しており、彼らは特にタイミングに言及している。

彼らが強調したことのひとつは、ドンチッチに対するディフェンダーを2人にする場合、ダブルチームを仕掛ける場所とタイミングが重要になるという点だ。

ジェームズは「ドリブルの時か、キャッチの時かだ」と話し、レディックは「ベースラインか(コート中央か)どうかだ」と付け加えている。

ブリッツを避けても、それなりに問題となる。レディックが指摘したように、ほかの方法もあまりうまくはいかないからだ。

レディックは「アトランタ・ホークスはドンチッチにブリッツをしなかった。その後を懸念したからだ。だがそれで、彼に73得点決められた」と話している。

スイッチ

おそらく、ドンチッチを守る上で最善のアプローチとなるのが、ボールスクリーンのすべてでスイッチすることだ。だがそれは、スイッチ可能で同じようなサイズのチームメイトがそろっているかによるところが大きい。

レディックは「スイッチを多用するラインナップで臨めるチームもある」と話した。

「必要なのは人材と、そういう選手たちを信頼できるかどうかだ」

これはセルティックスがドンチッチに対応するのに素晴らしい守り方となるだろう。彼らはクリスタプス・ポルジンギスを除き、スターティングラインナップの全員が効率的にスイッツできる。ドンチッチが使えるスクリナーの組み合わせを制限するのだ。そしてマーベリックスがスイッチでポルジンギスをドンチッチにつかせようとしても、セルティックスはプレスイッチである程度対抗できる。

アル・ホーフォードもドンチッチ相手にスイッチにするにはスローな選手だ。しかし、レギュラーシーズンの対戦で、彼はある程度ドンチッチを抑えている。NBAのトラッキングデータによれば、ホーフォードが対応した際のドンチッチのフィールドゴールは10本中3本成功という数字だ。

ドロップ

また、セルティックスはドンチッチに対してドロップディフェンスを多く使ってくるだろう。ホーフォードとポルジンギスによりバスケットに近い位置をとらせるのだ。ドンチッチやカイリー・アービングが得意とする、プルアップからの3Pやミッドレンジショットに対して弱いため、ドンチッチ対策として素晴らしい選択肢というわけではない。だが、彼と対戦するセンターが最もやりやすいと感じる方法だ。そしてセルティックスはレギュラーシーズンでこれを多用し、リーグ2位のディフェンスだった。

結局のところ、ドンチッチは相手のあらゆる対策を打ち破ってしまうだろう。だが、彼にとって対処しやすいかどうかの違いはある。

ジェームズはレディックに「何を止めたいかというより、何をあきらめるかじゃないか」と話した。

「偉大な選手を止めることはできないんだ。ミスを願うだけさ。あとは脱帽するのみだよ」

セルティックスは、ホーフォードとポルジンギスが時々ドンチッチの前にとどまろうとするのを耐えなければいけないかもしれない。また、今プレイオフを通じてドンチッチが決めてきたような、タフなジャンプショットを沈められることを受け入れなければいけないかもしれない。ドンチッチは、対戦相手のあらゆるセンターをまるでバンビであるかのように見せてきた選手なのだ。

原文:Luka Doncic will crush this defensive coverage, according to LeBron James: What the Celtics should try instead(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。