レブロン・ジェームズのサンズ移籍は可能なのか? ブロニー指名でデュラントやブッカーと組むことも?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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NBAプレイオフの最中でも大きな話題となっているのが、レブロン・ジェームズがフリーエージェントになる可能性だ。ロサンゼルス・レイカーズに戻ることが有力視されているが、クリーブランド・キャバリアーズ復帰や、オクラホマシティ・サンダー、ゴールデンステイト・ウォリアーズへの移籍などを巡る憶測がある。

そこに新たな球団名が加わった。フェニックス・サンズだ。

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『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者によると、レブロンの長男ブロニーは、10チーム以上からワークアウトに招待されているものの、サンズとレイカーズとしかワークアウトしないという。サンズは全体22位でブロニーをドラフト指名するとも言われている。レブロンのサンズ移籍につながるのだろうか?

レブロン・ジェームズがサンズに移籍する理由

サンズがドラフトでブロニーを指名さいた場合、レブロンにとって息子と一緒のチームになることが魅力なのは明らかだ。

レブロンは何度も息子と一緒にプレイしたという希望を口にしてきた。その夢を実現させるためなら何でもすると話している。また、サンズはレブロンにとって素晴らしい移籍先となるかもしれない。ケビン・デュラント、デビン・ブッカー、ブラッドリー・ビールというスターを擁するが、NBAプレイオフ2024では勝ち進むことができなかった。

レブロンがオールNBA級のレベルであることは変わらない。また、真のポイントガードがおらず、バラバラに見える時もあるサンズにとって、レブロンのパスは極めて貴重だろう。

移籍が実現すれば、NBAの歴史で最も強力なカルテットのひとつとなる。ウェスタン・カンファレンスの優勝候補となるだろう。レブロンのキャリアにとっては、物語のようなエンディングとなる。

ブロニーはまだ粗い若手有望株だ。しかし、貢献できるかもしれない。デイビオン・ミッチェルのような3&D(3ポイントショットと守備に長けた選手)の役割を担うと見込まれる。理論上は、サンズが必要としていることにうまくフィットするはずだ。

KD and LeBron
(Getty Images)

レブロン・ジェームズがサンズに移籍する方法

レブロンがキャリア晩年に息子と優勝リングを目指すのは、理論上は魅力的に見える。だが、どれほど現実的だろうか。すべては、レブロンにどれだけの犠牲を払うつもりがあるか次第だ。

サンズの財政状況は厳しい。セカンドエプロン(※エプロンは例外条項などの制限を決定する基準額)を上回る見込みで、『Spotrac』によれば、来季のラグジュアリータックス(ぜいたく税)の支払いは1億2700万ドル(約199億3900万円/1ドル=157円換算)と予想されている。

セカンドエプロンを上回るチームは、ベテランのミニマム契約を除き、FA選手と契約する余地がない。レブロンがサンズに移籍するには、ロサンゼルス・レイカーズとの年俸5140万ドル(約80億6980万円)のプレイヤーオプションを破棄し、300万ドル(約4億7100万円)強のミニマム契約を結ばなければならない。

レブロンはNBAキャリアで約5億ドル(約785億円)を稼いできた。バスケットボール以外の収入も多額だ。それでも、どれだけリッチであっても、4800万ドル(約75億3600万円)は大金だろう。レブロンはそれだけの額を手放すだろうか。

セカンドエプロンの制限により、サンズはサイン&トレードによってレブロンをもっとリーズナブルな報酬で獲得することもできない。ロスターで最も年俸が高い選手はデュラントだが、同じ制限でレブロンとのトレードは不可能だ。

サンズがレブロンをロスターに加えるのに、ローテーションプレイヤーを手放すことはできないだろう。それよりも、常軌を逸した減額をレブロンにのんでもらわなければならない。

キャリア終盤に優勝リングを目指し、ミニマム契約を結んだベテランは、NBAの歴史にも存在する。だが、5000万ドル(約78億5000万円)が保証される契約を捨てた選手はいない。絶対はない。だが、そのようなシナリオが現実となる可能性は非常に小さいだろう。

原文:LeBron James rumors: If Suns draft Bronny, would Lakers star follow to team up with Kevin Durant, Devin Booker?(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。