レブロン・ジェームズが今もNBA有数のクラッチプレイヤーである3つの理由

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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あと数週間で39歳になることを考えれば、レブロン・ジェームズがいまだにコート上のベストプレイヤーなのはあり得ないようなことだ。殿堂入りした選手たちが同じような年齢でどういうパフォーマンスだったかを考えれば、ジェームズは他を圧倒している。

ジェームズはその年齢にもかかわらず、試合終盤で最も支配的な選手のひとりだ。インシーズン・トーナメント準々決勝でロサンゼルス・レイカーズがフェニックス・サンズに勝利した試合もそうだった。ジェームズは31得点、11アシスト、8リバウンドを記録したのだ。

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特に第4クォーターのジェームズは、レイカーズの最初の19得点で得点ないしアシストをマークしている。

試合終盤のジェームズの支配ぶりを示すスタッツはたくさんある。5点差以内で残り5分を迎えた試合でレイカーズが8勝3敗という成績なのは、ジェームズのおかげによるところが大きい。クラッチショットのフィールドゴール成功率は65.5%だ。

どれほどジェームズは勝負の肝となる局面で優れているだろうか。

レブロン・ジェームズがクラッチタイムにいまだ支配的な3つの理由

1. いまだに最も賢いディフェンダー

そのポジションで最高のディフェンダーのひとりだった全盛期と比べ、守備での足さばきが衰えたことは間違いない。終盤、デビン・ブッカーをあっさり抜かせた場面が示すように、横方向に足を動かせなくなっている。

まったく衰えていないのは、彼のバスケットボールの知識だ。

ジェームズは常に相手がどんなことをしているか分かっている。どこに立つべきで、どんなローテーションが必要かを理解しているのだ。サンズ戦でも5スティールを記録した。そのひとつである第4クォーター立ち上がりのプレイでは、トリッキーな守備のカバーリングを完璧にこなしている。

味方に立ち位置を指示し、守備を動かして、ブッカーに対してヘルプできるようにした場面などもあった。

NBA Stats』によれば、今季のレイカーズはクラッチの状況における守備で圧倒的なベストだ。そういったプレイでけん引しているのがジェームズであり、タイムアウト時に味方と話し、どうなるかを正確に説明している。

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2. 大ベテランの強さ

いまだにジェームズを守るのが極めて大変なのは、彼が重要なポゼッションにおいてコートで最も弱いディフェンダーを狙い、容赦なく叩いているからだ。サンズ戦ではグレイソン・アレンを標的とした。何度もスイッチさせてアレンをマークにつかせ、リムに仕掛けている。

犠牲になったのは、アレンだけではない。ジェームズはジョーダン・グッドウィンも後退させ、守備の注意を引きつけ、美しいパスで八村塁のダンクにつなげた。サンズがユスフ・ヌルキッチという、より強いがよりスローな選手にヘルプさせようとした時は、急停止からイージーなジャンプショットを沈め、その後はヌルキッチをかわしてレイアップを沈めている。

ジェームズはリムへ到達する強さが今でもリーグ最高級であり、思うままにそれを生かしている。

3. 相手に致命的な3ポイントショット

今季のジェームズは3ポイントショットが極めて好調だ。成功率38.7%はキャリア2番目の数字。クリーブランド・キャバリアーズでのルーキーシーズンに記録した29.0%をはるかに上回っている。

モダンゲームへの進化には、トランジションからの3Pを身につけたことも含まれる。これによって、ジェームズを守るのはさらに不可能となったのだ。サンズ戦でも重要な3Pを沈めている。

ジェームズは20年前と同じ選手ではない。だが、いまだに最も重要な局面で調子を上げることができる。その強さやインテリジェンス、そしてショットのタッチも、おそらくはすぐになくならないだろう。ジェームズは試合終盤に勝負強い。それは引退まで変わらないだろう。

原文:LeBron James is still one of the NBA's most clutch players: Three reasons Lakers star dominates crunch time(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。