NBAで通算11回の優勝を誇るビル・ラッセルは、自身の名前がつけられたNBAファイナルMVPのトロフィーがクリーブランド・キャバリアーズのレブロン・ジェームズに授与されたことについて、「彼はそれに値する。彼以上の選手は考えられないね」と賛辞を寄せた。
キャブズがゴールデンステイト・ウォリアーズを93-89と下して優勝を決めた6月19日(日本時間20日)のNBAファイナル第7戦で、ジェームズは第3クォーターが終わるまで、フィールドゴール16本中6本成功のみに終わっていた。3ポイントシュートは3本すべて失敗。4ターンオーバーも記録していた。
だが、第4Q開始にジャンプショットを決め、ケビン・ラブのフックショットをアシストすると、レイアップを決め、3Pを狙ってファウルを誘い、残り4分53秒にはこの日唯一の3Pを成功させるなど、第4Qにキャブズが記録した18得点のうち11得点をあげる活躍を披露した。最終的には27得点、11リバウンド、11アシストのトリプルダブルをマーク。1勝3敗からの大逆転劇へと導いた。
第4戦を終えて1勝3敗となったときに、ジェームズはできるだけキャブズの全員を巻き込もうとする姿勢をやめ、その両肩にチームを支え出した。タロン・ルーHCは「彼はとても知的なんだ」と賛辞を寄せる。
「彼は自信に満ちた素晴らしい選手だ。だから、ここまで来るために全員が必要だったと理解している。(プレイオフの)最初の2ラウンドではそうだった。みんなに頼り、ケビンやカイリー(アービング)などほかの選手たちが良いプレイをした。それから我々は1勝3敗となった。後がない。そして彼は、自分がもっとやらなければならないと理解し、そのために責任を負ったんだ」。
ファイナル最初の4試合でも、ジェームズの数字は悪くなかった。平均24.8得点、フィールドゴール成功率48.2%、11リバウンド、8.3アシストだ。だが、ウォリアーズの守備に個の力でプレッシャーをかけるほどではなく、ミスマッチをつくれるほどではなかった。だがそれ以降の3試合で、ジェームズは平均36.3得点、11.7リバウンド、9.7アシストを記録。何より大事なことに、フィールドゴール試投が21.3本から27本、フリースロー試投が4.3本から8本へと増えた。
ジェームズのシリーズになればなるほど、ウォリアーズは答えを出せなくなっていった。これは、ビッグマッチで勝てない、ドウェイン・ウェイドがいなければマイアミ・ヒートで2度の優勝はなかったはず、クリーブランドに戻って優勝するのは難しい、といったジェームズに対する最も多くの批判を払拭した。
これで批判は消え去った。2014年にクリーブランドに戻ったとき、ジェームズは街に優勝をもたらすと約束し、それを実現した。試合後、何を思うか問われると、ジェームズはこう答えている。
「クリーブランド史上最大のパーティーになる。だから、少しお金の余裕がある人は、クリーブランドに来て、ちょっと味わったほうがいいよ」。
原文: LeBron James haters have to shut up now by Sean Deveney(抄訳)
[特集]2016 NBAファイナル: ウォリアーズ vs キャブズ