レブロン・ジェームズと契約後のレイカーズは次にどう動くべきなのか? デローザン獲得やFAの動きに伴う懸念を検証

Stephen Noh

YOKO B

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レブロン・ジェームズがロサンゼルス・レイカーズとの新契約に基本合意し、多くの予想どおりトレード拒否条項付きの2年1億400万ドル(約167億4400万円/1ドル=161円換算、以下同)の契約を手に入れた

この契約はまだ確定ではない。『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によると、チームがセカンドエプロンを超えないように、ジェームズが100万ドル(約1億6100万円)のディスカウントに応じる可能性があるという。現状ではレイカーズは1億9000万ドル(約305億9000万円)の大台をわずかに超えており、チーム作りがより困難になる状況だ。

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ここでは、最も重要な選手であるジェームズを確保し、チームの財源の大半を使い切ったレイカーズの次の動きについて見ていこう。

レブロン・ジェームズとの契約後のレイカーズの次の一手

デマー・デローザンなどのサイン&トレードはまだあり得るが可能性は低い

レイカーズはファーストエプロンを約1200万ドル(約19億3200万円)超えているため、サイン&トレードによる選手獲得はできない。だからといってサイン&トレードの可能性が完全になくなったわけではないのだが、かなり難しくなっている。

レイカーズがサイン&トレードを実現させたい場合、サラリーキャップに余裕のあるチームを巻き込み、実現のためにいくらかの資金を投じる必要がある。

デマー・デローザンを引き合いにしての潜在的な例を概説したが、トレードにはデトロイト・ピストンズまたはユタ・ジャズを巻き込む必要がある。なぜなら、キャップスペースが残っているのは彼らだけだからだ。

3チームでの複雑なサイン&トレードを行うには多くの問題がある。レイカーズは高額を支払わなければならないためそれに見合うターゲットが必要だ。ドラフト指名権や若手選手を2つの異なるチームに送らなければならない。

Anthony Davis and DeMar DeRozan
(Getty Images)

セカンドエプロンの懸念

レイカーズはセカンドエプロンあたりを推移することになりそうだ。『ESPN』のボビー・マークス記者によると、彼らはわずかに下回ることができるはずだという。

セカンドエプロン以内に抑えることはチーム作りにおいていくらか助けになる。もしそれを超えると、レイカーズは今後のトレードで契約を組み合わせることができず、トレードで現金を送り出すこともできず、レギュラーシーズン中にウェイブされた選手と契約することもできず、2032年の1巡目指名権も動かせなくなる。

ファーストエプロンに収まったチームにはこのような制限は存在しない。おそらくレイカーズもその範囲内に落ち着くだろう。しかし、それでもまだ問題に直面することになる。トレードエクセプションは使えず、サラリーが1280万ドル以上のウェイブされた選手とは契約できず、その後エプロン内に収まらない限りサイン&トレードはできない。

セカンドエプロン以下に抑えることの利点の1つは、レイカーズには520万ドル(約8億2320万円)のタックスペイヤー・ミッドレベル例外条項(ラグジュアリータックス課税チームに認められるサラリーキャップ例外枠)が空いていてフリーエージェンシーでさらに1人の選手を追加できることだ。

※エプロンは例外条項などの制限を決定する基準額。2024025シーズンのファーストエプロンは1億7813万2000ドル(約286億7925万2000円)、セカンドエプロンは1億8893万1000ドル(約304億1789万1000円)となっている。

フリーエージェントのターゲット

レイカーズは残りのロスターをミニマムでの契約と長引く自チームのフリーエージェントとの再契約で埋める必要がありそうだ。

チームに残された2つの大きな決断はトーリアン・プリンスとスペンサー・ディンウィディーだ。『HoopsHype』のマイク・スコット記者によると、プリンスは1100万ドル(約17億7100万円)台の2年契約を求めていると噂されている。ディンウィディーの市場は静かだ。

レイカーズにとって理にかなったミニマム契約の選手は何人かおり、ダリオ・シャリッチやゴードン・ヘイワードのようなベテランはまだ残っている。とは言え、選択肢は次第に減少している。

フリーエージェントでチームを補強するチャンスは急速に失われつつある。可能性が高いのはトレードだ。チームは所有する将来の1巡指名権2つと2巡指名権を2つでアップグレードを狙うことができる。

原文:What's next for Lakers after LeBron James contract: DeMar DeRozan trade, free agent targets, second apron concerns
翻訳:YOKO B

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。