オフシーズン最大のドミノが倒れたのは、先週のことだ。デイミアン・リラードが11年を過ごしたポートランド・トレイルブレイザーズから、ミルウォーキー・バックスへとトレードされた。
長くマイアミ・ヒートが新天地候補と言われてきたが、バックスがフェニックス・サンズを含めた三角トレードでオールスター選出7回のリラードを獲得し、周囲を驚かせたのだ。
驚いたひとりが、リラードの元チームメイトであるラマーカス・オルドリッジだ。リラードのトレードについて、オルドリッジは最終的に全員にとってベストになると考えている。
オルドリッジは『スポーティングニュース』で「全世界がマイアミに行くと思っていたと思う」と話した。
「私もそう思っていたし、何もないところから出てきたね。でも、彼のことはうれしいよ。彼は球団にとても忠誠的だった。すべてを尽くし、勝とうとしたんだ」
「年をとってくると、勝つことにより集中するものだと思う。去るタイミングだったのは理解できるんじゃないかな。（ブレイザーズは）彼によくしたし、優れた選手がいる良いチームに送ったと思う」
ポートランドに残るデイミアン・リラードのレガシィ
ブレイザーズで3シーズンにわたってリラードとプレイしたオルドリッジは、フリーエージェントでサンアントニオ・スパーズに移籍した。キャリア最初の9シーズンをブレイザーズで過ごしたオルドリッジは、似たような岐路を経験している。
オルドリッジはブレイザーズでオールスターに4回選ばれ、リバウンドで球団最多記録を樹立し、通算得点は球団歴代3位だった。だが、彼が在籍している間に、ブレイザーズがプレイオフ・ファーストラウンドを突破したのは一度だけだった。
似たような立場にあったリラードについて、オルドリッジは退団という決断を下すのは「非常に大変なことだった」と話している。
「彼は忠誠心があり、彼を知る者やファンはみんなそう信じている。だから、去るのを望むところまできたのはつらかったはずだ。でも、さっき言ったように、年をとれば勝ちたくなるんだよ。だから彼はこのようにしたんだ」
「私が去った時も簡単じゃなかった。彼は私より長く在籍している。だから、自分のチャンスを最大限に生かそうとしたんだよ」
リラードはポートランドで数々の記録を打ち立てた。通算得点（19,376）と3ポイントショット成功（2,387）は球団最多記録。1試合最多得点（71）も更新した。ほかにも数多くの記録を残している。
オルドリッジは、11シーズンを過ごしたリラードが、ブレイザーズの歴史で最も偉大な選手として名を残すだろうと話している。
オルドリッジは「ベストプレイヤーだ。来週にもジャージーが掲げられていいくらいだよ」と述べた。
「球団史上最高の選手だよ。通算得点と1試合最多得点の記録を樹立したんだ。絶対に永久欠番にすべきだよ。彼は愛されている。そしてこれからもっと愛されるようになるだろう」
デイミアン・リラードの加入がバックスを優勝候補とする理由
これからリラードはヤニス・アデトクンボ、クリス・ミドルトン、ブルック・ロペスらと一緒に、すぐに優勝を競うチームで戦うことになる。バックスは東地区の有力候補だ。
ブレイザーズ時代のリラードにとって、チームメイトのオールスター選手はオルドリッジだけだった。
だがこれからは、アデトクンボがいる。一緒に優勝を目指せるだけの選手というだけでなく、スキルセットを完璧に補完する存在だ。リラードとアデトクンボは、すぐにリーグを代表するコンビとなる。
オルドリッジは「あの2人が一緒になれば、どんなことも可能だと思う。彼にとって素晴らしい移籍だと思うよ。彼のことがうれしい」と話した。
「彼が必要としていたことだったんだ。どこからでもショットを決められる選手で、かたやインサイド、かたやアウトサイド。ヤニスにダブルチームにいったら、デイムをオープンにするだろう？」
「彼はクラッチプレイヤーだ。相手の守備にとって厳しい状況をつくり出す。彼ら2人が一緒なら、恐ろしくなると思うよ」
オッズメーカーはバックスを2023-2024シーズンの優勝候補にあげている。大型トレードの後は馴染むのに時間がかかる場合もあるが、オルドリッジはバックスがすぐに優勝を競うと確信している。
オルドリッジは「ヤニスはすでに優勝したことがある」と話した。
「だから、デイムほどの選手がロスターに加われば、間違いなくその可能性があるはずだよ」
原文：LaMarcus Aldridge on Damian Lillard's Trail Blazers exit and Bucks 'scary' potential this season（抄訳）
