ネッツのラマーカス・オルドリッジが現役引退を発表 「今後は自分の健康と家族を最優先に」

YOKO B

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引退の理由は不整脈

4月15日(日本時間同日)、ブルックリン・ネッツのビッグマンであり、NBA歴15年のベテランであるラマーカス・オルドリッジが、自身のツイッターアカウントでNBAを引退することを発表した。オルドリッジは、最後に出場した10日(同11日)のロサンゼルス・レイカーズ戦で不整脈の症状が出ていたことを引退の理由としている。

「最後の試合で、私は不整脈の症状を抱えながらプレイしました。その夜、症状が悪化したことにより、私の心配はさらに大きくなりました」と、オルドリッジはツイッターに綴っている。

「今は回復していますが、あの夜感じた心臓の症状は、私が今まで経験した中で最も恐ろしいもののひとつでした。そういうこともあり、NBAから引退するという困難な決断に至りました。15年間、私は何よりもバスケットボールを第一に考えてきましたが、今後は自分の健康と家族を最優先にしようと思っています」。

ネッツのゼネラルマネージャーであるショーン・マークスは、オルドリッジの引退発表を受けて、次のような声明を発表した(一部抜粋)。

「ネッツは、ラマーカスの決断を全面的に支持します。短い在籍期間に彼がチームにもたらしたものを重視していますが、彼の健康と幸福はバスケットボールよりもはるかに重要です。彼にとって簡単な決断ではなかったことは承知しています。多くの医療専門家と相談し、慎重に検討した結果、彼は、自分と家族、そして後の人生のために最善の決断を下しました」。

オルドリッジはネッツで5試合に出場。最後に出場した4月10日(同11日)のレイカーズ戦(126-101でネッツが勝利)では先発出場し、22分間で12得点、3リバウンド、2アシストを記録した。

ネッツは3月28日(同3月29日)に、サンアントニオ・スパーズとの間でバイアウト(契約を買い取って契約を解除すること)が成立し、フリーエージェントになったオルドリッジと契約。
オルドリッジはネッツで、平均12.8得点、4.8リバウンド、2.6アシスト、2.2ブロックを記録している。

NBA15シーズンでオールスター7回選出

テキサス大学から2006年のNBAドラフトにアーリーエントリーしたオルドリッジは、同年のドラフトでシカゴ・ブルズから1巡目2位指名を受け、当日のトレードでポートランド・トレイルブレイザーズに入団。ブレイザーズで9シーズンを過ごしたあと、2015年のオフシーズンにFAでスパーズに移籍し、6シーズンを過ごした。

オルドリッジは、NBAで過ごした15シーズンで、キャリア通算1029試合(985試合先発)に出場し、平均34.2分で19.4得点(フィールドゴール成功率49.1%、フリースロー成功率81.1%)、8.2リバウンド、2.0アシスト、1.1ブロックの成績を残している。

NBAオールスターに7回(2012~16、2018~19年)選出されたほか、オールNBAチームに5回(2011、2014~16、2018年)、オールルーキー・ファーストチーム(2007年)にも選出された。

また、ブレイザーズ時代のリバウンド数(5434本)とディフェンシブリバウンド数(3698本)はチーム歴代首位であり、さらに得点(3位)、ブロック数(4位)、フィールドゴール成功数(3位)、フィールドゴール試投数(3位)、フリースロー成功数(4位)など、ブレイザーズの通算スタッツの多くのカテゴリーでトップ10入りしている。

ブレイザーズのバスケットボール運営部門代表であるニール・オルシェイは、15日(同16日)にチームを通じて以下のような声明を発表した(一部抜粋)。

「ラマーカスはNBAにおいて輝かしい業績を残しました。彼がトレイルブレイザーとして過ごした時間は常に懐かしく思い出されることでしょう」。

「ポートランドでの9シーズンにわたり、ラマーカスは何度も怪我や健康上の問題と戦ってきましたが、チームメイトやコーチへのコミットメントに影響することは一度もありませんでした。彼はフランチャイズ史上最高の選手のひとりとして語り継がれるでしょう。彼のキャリアが短縮されたことは悲しいですが、彼は常にトレイルブレイザーファミリーの一員であり、私たちは彼の新天地での成功と幸運を祈っています」。


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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。