近年のレイカーズ最大の後悔は? ペリンカGMが避けられたはずのチーム編成の過ち

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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ロサンゼルス・レイカーズがNBAで17回目の優勝を飾ったのが、わずか4シーズン前のことだ。当時のチームから今も残っているのは、レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスしかいない。それは決してあってはならないことだった。

ロブ・ペリンカGMは優勝したチームを完全に再編成する中で、良い影響を及ぼす以上にダメージを与えてしまった。レイカーズに優勝するだけのトップクラスのタレントがいることは変わらない。だが、大きな賭けに出たことが、ポストシーズンの落胆と手痛い後悔につながったのだ。

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ここでは、チームを下り坂へ導いたペリンカGMによる最大の過ちをまとめる。

アレックス・カルーソよりテイレン・ホートン・タッカーを選択

Alex Caruso

レイカーズが優勝した際、カルーソは守備意識の高いガードとして大きなポテンシャルを発揮した。2021年夏、そのカルーソとホートン・タッカーの両者がフリーエージェントとなり、レイカーズは最終的に後者をチームに戻したのだ。ホートン・タッカーと3年3200万ドル(約49億6000万円/現在の1ドル=155円で換算)の契約を結び、カルーソは見返りなしに手放した。

カルーソはレイカーズ残留を望んでいた。4年3700万ドル(約57億3500万円)というシカゴ・ブルズのオファーにマッチするチャンスを与えたのだ。それをレイカーズは高すぎると考えた。だが、カルーソはオールディフェンシブ級のガードとなり、その契約はブルズがトレードするには貴重すぎるリーグ最高級と見なされている。

今のレイカーズにカルーソは完璧にフィットするだろう。彼とデイビスの守備は、実質的にリーグトップ3を保証するはずだ。

また、カルーソは3ポイントシューターとしても成長した。3ポイントショット成功率は40.8%だ。レイカーズはそういった3&D(3Pと守備を得意とする選手)を熱望している。だが、カルーソを手放し、代わりに大きな落胆となったホートン・タッカーを残した。

ラッセル・ウェストブルックのトレードでケンテイビアス・コールドウェル・ポープとカイル・クーズマを放出

ウェストブルックの取引はすぐに大失敗となった。彼とドラフト2巡目指名権を引き換えに、レイカーズはコールドウェル・ポープとクーズマ、モントレズ・ハレルを手放したのだ。

ジェームズとウェストブロックを組ませるのは理にかなわなかった。在籍中、スペーシングはひどく、ウェストブルックはファンからブーイングされた。2シーズンと経たないうちにレイカーズはあきらめ、ディアンジェロ・ラッセル、ジャレッド・バンダービルトとトレードしている。

一方で、コールドウェル・ポープはオールディフェンシブチーム候補級となり、優勝したデンバー・ナゲッツの重要な一員だった。移籍以降の3P成功率は40.5%だ。レイカーズのほうは、コールドウェル・ポープが去った穴を埋められていない。

また、クーズマもワシントン・ウィザーズで活躍した。今季は平均22.2得点、6.6リバウンド、4.2アシストを記録している。コールドウェル・ポープもクーズマも、その後ペリンカGMが失敗した選手層の厚みをもたらすロールプレイヤーだ。

ジェイデン・マクダニエルズのトレード

レイカーズには2020年のドラフトで全体28位指名権があったが、それを使う計画はなかった。マクダニエルズを指名し、ダニー・グリーンと一緒にトレードしてデニス・シュルーダーを獲得したのだ。

シュルーダーは、昨季のプレイオフでレイカーズをウェスタン・カンファレンス・ファイナルに導く上で良いところも見せた。しかし、それはFAで契約して以降のことだ。最初にレイカーズに所属した時は、出場61試合でボストン・セルティックスに移籍している。

ペリンカGMがマクダニエルズとの交渉権をとどめていたら、これもまた素晴らしい3&Dを手にすることになっていたはずだ。マクダニエルズはリーグ有数の優れたフォワードのディフェンダーであり、カッティングが素晴らしい。3P成功率は通算35.4%だ。今ポストシーズンでミネソタ・ティンバーウルブズの重要なスターターのひとりとなっている。

ブルック・ロペスとイビツァ・ズバッツの放出

レイカーズはビッグマンの層が薄く、その穴を埋めることができていない。毎シーズン、ペリンカGMは様々な選択肢を試してきた。だが、ロスターに残しておけたはずの選手が2人いる。不可解にも彼はそれらの選手を手放した。

2017-18シーズンのレイカーズでプレイしたロペスは、彼はFAで残ることを望んだ。だが、レイカーズはミルウォーキー・バックスとミニマム契約を結ばせた。その後、ロペスは年間最優秀守備選手賞の候補となっている。

ズバッツのトレードはさらに困惑させるものだった。2巡目指名からの素晴らしいサクセスストーリーだったが、3年目の途中にベテランのマイク・マスカーラとのトレードで放出されたのだ。

マスカーラはそのシーズン後に退団。一方、ズバッツはそれ以降、ロサンゼルス・クリッパーズで先発センターの立場を確立させている。

原文:Lakers biggest regrets: Alex Caruso, Kentavious Caldwell-Pope lead completely avoidable mistakes of Pelinka era(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。