2月8日(日本時間9日)のトレードデッドライン後、クリーブランド・キャバリアーズのコービー・アルトマンGMは、より才能があり、より身体能力の高い選手を獲得できたと繰り返し語った。
同日の米国東部標準時間午後3時に設定されたトレード期限までに、キャブズは複数のトレードを成立させた。メディアとの電話取材に応じたアルトマンGMは「疲れていて何もできない。ガス欠状態だ」と答えた。
まずキャブズはアイザイア・トーマス、チャニング・フライ、2018年ドラフト1巡目指名権と交換で、ロサンゼルス・レイカーズからジョーダン・クラークソン、ラリー・ナンスJr.を獲得。これはまだ序の口にしか過ぎなかった。
その後サクラメント・キングス、ユタ・ジャズとの3チーム間トレードを決め、ジェイ・クロウダーとデリック・ローズをジャズに放出し、その見返りとしてジャズからロドニー・フッド、キングスからジョージ・ヒルを獲得した。キングスはジャズからジョー・ジョンソン、キャブズからイマン・シャンパート、キャブズのドラフト2巡目指名権を得た。
そして、プロテクトされた2024年ドラフト2巡目指名権との交換でベテランのドウェイン・ウェイドをマイアミ・ヒートにトレード。このトレードにより、キャブズはおよそ150万ドル(約1億6300万円)のトレード・プレイヤー例外条項を生み出すことに成功している。
このロスター大改造について「ここまでのものを得られるとは思っていなかった」と語ったアルトマンGMは、即チームに貢献できる若いウィングの獲得を希望していたという。ウェイドの放出については、トレード後も引き続き出場時間が減ると感じたと説明している。
アルトマンGMは「目標はチームの若返りだった。それは明らかなことだ」と言う。
「より才能があり、確実に以前より身体能力が高い選手を獲得できた」。
アルトマンGMは、手持ちのカードを切り、チームを再び活性化させることを望んだ。活力と情熱を失いかけていたチームに息吹を与えたいと考えた。
アルトマンGMは、球団初優勝時のメンバーであるシャンパートとフライを含め、今回のトレードで放出した選手たちの貢献に感謝している。その一方で、新メンバーについて聞かれると「興奮している」とコメント。中でもアクロン出身のナンスJr.は、トレードを伝えると涙を流して喜んだという。アルトマンGMは、25歳のナンスJr.が将来的にチームの中枢を担う存在になると考えている。
クラークソンについても、アルトマンGMは「非常に能力の高いスコアラー、ボールハンドラー」と表現。フッドについては「チームに即インパクトを与えられるダイナミックな選手」と形容した。
アルトマンGMは、若い選手の獲得について「我々はチームの資源を枯渇させるのではなく、水源を求めている。今回は、水源になれる選手を獲得できたと思っている」とも語った。また、若手の加入によりオールスターフォワードのレブロン・ジェームズも若返ると続けた。アルトマンGMによれば、球団が獲得する選手について、ジェームズからの意見もあったという。
「彼こそチームが行きたい場所に連れて行ってくれる選手だ。彼に適する選手で周りを固めたい」。
アルトマンGMは、若い選手の増加でチームの将来が安泰になっただけではなく、ジェームズが残りの現役生活をキャブズで送ることを決断する要因になると信じている。
アルトマンGMは「チームの誰もが目標達成のための力になれる。そういう姿勢や考え方を生み出すことができるだろう。今回のトレードは間違いなくチームに推進力を与えてくれる」と言う。
アルトマンGMは、昨夏カイリー・アービングとの交換でボストン・セルティックスから獲得したトーマスの放出は望んでいなかった。だが最終的にチームに適していなかったと判断し、より身体能力に優れた選手をジェームズの周りに置きたいと考えた。
アルトマンGMは「我々は、徐々に悪い方向に進んでいた。それを回避したかった」と話す。
「もっと生き生きとした選手、ボールに対して速く反応できる選手が必要だった。そうすれば楽しいプレイができる。これで健全な球団になったと思う」。
原文:Koby Altman: Cavs 'were marching a slow death' before trades by Ron Clements/Sporting News(抄訳)