【NBAトレード評価】クレイ・トンプソンのウォリアーズからマーベリックスへの移籍をどう見るか

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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ダラス・マーベリックスはルカ・ドンチッチ、カイリー・アービングのほかに安定して3ポイントショットを沈められるサポート役を欠き、タイトルの望みが絶たれることになった。そこで、クレイ・トンプソンを獲得することで、即座にその問題の解決に動いている。

『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によれば、トンプソンは複数チーム間のサイン&トレードでマーベリックスに加入するという。

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シャーロット・ホーネッツがジョシュ・グリーンを、ゴールデンステイト・ウォリアーズがドラフト指名権を得ると報じられている取引について、各チームに応じて評価する。

マーベリックスの評価

マーベリックスはこの夏を迎えるにあたり、チームを改善するための道が多くないと見られていた。キャップスペースがなく、タックスペイヤー・ミッドレベル例外条項の500万ドル(約8億500万円/1ドル=161円換算)しかない。

だが、彼らはクリエイティブな取引をした。クエンティン・グライムズと引き換えに、ドラフト指名権とともにティム・ハーダウェイJr.を放出。トンプソン獲得のためのトレード例外条項につなげた。

現在のトンプソンは、数年前に相次いで負傷した以前の選手ではなくなっている。かつては守備も優れていたが、今ではもっとスローなフォワードしか守れなくなった。そして攻撃面で彼に託された役割が過剰となり、ウォリアーズが試合を失うこともあった。

だからこそ、これはトンプソンにとってキャリアの最終ステージに完璧な役割となる。動きの中からのシューターとして相手にとって致命的であることは変わらない。ドンチッチ、アービングと一緒にプレイすることで、久しぶりに最高のかたちでショットを打てるようにもなるはずだ。2023-2024シーズンの38.7%から3P成功率が向上すると考えられる。

3年5000万ドル(約80億5000万円)という条件は、2023-24シーズンにウォリアーズで手にした年俸4060万ドル(約65億3660万円)からかなりの減額となる。マーベリックスのスターターの平均年俸にも満たない。彼らにとってはバーゲン価格だ。トンプソンを獲得するための方法を見いだした創造力は、高い評価に値する。

評価:A-

ホーネッツの評価

このトレードを成立させるために、マーベリックスは一部選手のサラリーを手放す必要があった。ホーネッツはNBAドラフト2020でマーベリックスが全体18位で指名したグリーンを獲得している。

キャリア序盤は上位指名ながら活躍できない選手になっていくかもしれないと思われたグリーンだが、2023-24シーズンは3P成功率38.5%を記録するなど、良いシューターとなっている。また、激しいプレイをするハードなディフェンダーだ。ホーネッツが狙うべき、攻守両面において有望な若手だろう。彼らにとっては良いビジネスだった。

評価:A-

ウォリアーズの評価

ウォリアーズ王朝にとっては悲しい終わりだ。しかし、法外なラグジュアリータックス(ぜいたく税)の支払いを抑えたいという彼らを責めるのは酷だろう。2023-24シーズンは1億7700万ドル(約284億9700万円)のぜいたく税を支払い、プレイオフに進出できなかった。トンプソン放出は、可能性がある中で最も現実的な最善策だったのだ。

このトレードでウォリアーズは代わりの選手を獲得しておらず、報酬負担がない。マーベリックスからは2つのドラフト2巡目指名権を獲得した。4つの優勝リングを勝ち取った選手を手放すリターンとしてはわずかだろう。

評価:C

原文:Klay Thompson trade grades: Did Mavericks, Warriors or Hornets win blockbuster deal involving sharpshooter?(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。