クレイ・トンプソンのスターターとベンチのスタッツ比較:リザーブでウォリアーズにどう影響?

Gilbert McGregor

坂東実藍 Miran Bando

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プロスポーツの世界において、犠牲と妥協は紙一重の差だ。NBAシーズンが終わりに向かっていくなかで、ゴールデンステイト・ウォリアーズはこの2つのコンセプトのバランスを完璧に見いだしつつある。

最も大きな変化は、苦しんでいたクレイ・トンプソンがセカンドユニットになったことだ。ルーキーシーズン以来となるベンチスタートだが、34歳のトンプソンは新しい役割を冷静に受け止めた。そしてその結果、全員が恩恵を受けている。

トンプソンとスティーブ・カー・ヘッドコーチ、そしてウォリアーズのその他の選手たちの間に、どのような妥協がなされたのだろうか。

ここでは、トンプソンがベンチスタートになった理由や、それによって本人やウォリアーズにどう影響したかをまとめる。

なぜクレイ・トンプソンはベンチスタートに?

トンプソンはロサンゼルス・クリッパーズに5点差で敗れた2月12日(日本時間13日)の試合で、荒れたパフォーマンスの末に終盤で大きなミスを犯し、その後ベンチスタートになった。

翌日、ウォリアーズはオールスターブレイク前最後の試合となったユタ・ジャズ戦でスターティングラインナップを変更。トンプソンにとっては、2012年3月以来となるベンチスタートとなった。

これはトンプソンに対する罰ではなく、新人ブランディン・ポジェムスキーを入れて違いとするための決定だ。

トンプソンはこの変更を受け入れ、ジャズ戦で7本の3ポイントショットを沈め、今季自己最多の35得点をマーク。チームはジャズに競り勝った。

試合後、トンプソンをベンチスタートにしたことについて問われると、カーHCは「クレイがベンチから出て我々に大きな火力を与えてくれる」と話した。

「少し様子を見て、そこからどうなるかを見ていこう」

変更後のウォリアーズは、5試合で4勝1敗という成績。敗れたのは昨季王者デンバー・ナゲッツをホームに迎えた一戦だけだ。

クレイ・トンプソンのスタッツ比較:スターターとベンチ

サンプル数は少ないが、今季のトンプソンはスターターの時よりもリザーブとしてかなり出来が良くなっている。フィールドゴール9本中1本成功で3得点にとどまった試合がひとつあったことを考えれば、リザーブとしてのスタッツはより印象的だ。

  スターター ベンチ
試合 49 5
平均出場時間 30.6 27.2
平均得点 17.0 19.3
平均リバウンド 3.5 3.4
平均アシスト 2.2 2.4
フィールドゴール成功率 41.5 47.9
3ポイントショット成功率 36.8 44.9
フリースロー成功率 91.6 100.0

また、トンプソンが早い段階で仕事をしていることも注目に値する。第1クォーターの中盤あたりで途中出場しているからだ。ここまでは得点の50%以上を前半に記録している。ジャズ戦では17得点、ナゲッツ戦では23得点をそれぞれ前半にあげた。

ウォリアーズのセカンドユニットにはクリス・ポールが負傷から復帰した。層の厚さはシーズン終盤、そしてポストシーズンでアドバンテージとなるかもしれない。

原文:Klay Thompson stats: Warriors guard thriving off the bench and bringing new life to Golden State in reserve role(抄訳)
翻訳:坂東実藍

Gilbert McGregor

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Gilbert McGregor first joined The Sporting News in 2018 as a content producer for Global editions of NBA.com. Before covering the game, McGregor played basketball collegiately at Wake Forest, graduating with a Communication degree in 2016. McGregor began covering the NBA during the 2017-18 season and has been on hand for a number of league events.

坂東実藍 Miran Bando

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。