ネッツをプレイオフに導いたケニー・アトキンソンHC

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ケニー・アトキンソン・ヘッドコーチが、シーズンを21勝で終えたブルックリン・ネッツの指揮を託されたのは、わずか3年前のことだった。

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1年目は20勝だったが、3年目となった今季、アトキンソンHCはネッツを2015年以来となるプレイオフに導いた。4月7日(日本時間8日)のインディアナ・ペイサーズ戦で41勝目となる白星を手にし、ポストシーズンに駒を進めている。

昨季より13勝も多くの勝ち星を記録し、堅実に前進するとともに、個々の選手も成長させてきたアトキンソンHCは、年間最優秀HC賞の候補に挙げられるほどとなった。

ジョー・ハリスは「毎年の向上ぶりを見れば、リーグのどのコーチにも劣らない仕事をしてきたのは確かだ」と賛辞を寄せている。

「もちろん、毎日彼といるから、僕の見方は偏っているかもしれない。でも、僕は彼のアプローチや競争心、タフネスを見てきた。彼が教えてきたことは、僕ら全員に浸透している。彼のようなリーダーがいなければ、僕らはここまでこられなかっただろう。今季の僕らの成功は彼の功績だ」。

リッチモンド大学を卒業後、アトキンソンは欧州で10年以上にわたってプレイした。当時ヒューストン・ロケッツのアシスタントGMだったデニス・リンジーが、パリで指導者キャリアを始めていたアトキンソンを知ったのも欧州だった。

2007年、リンジーはサンアントニオ・スパーズのフロント入りした際、ロケッツのダリル・モーリーGMにアトキンソンを推薦する。こうして、ロケッツの選手育成コーチとして、アトキンソンはNBAの舞台にたどり着いた。40歳の“新人”だ。

それから10シーズンもしないうちに、アトキンソンはヘッドコーチにまでのぼり詰めた。

リンジーは「人としての質が見られたのだと思う。彼がいかに競争的で、いかに責任感があるか、ということだ。それで彼はスピード出世したんだよ。本人もその早さに驚いているんじゃないかな。だが、彼の人としての質、そして仕事の質によるものだと思う」と述べている。

ネッツにおけるアトキンソンHCの見事な手腕の一つは、個々の選手の成長ぶりだ。

2017-18シーズンは、今季も進化を続けたハリスやスペンサー・ディンウィディー、キャリス・ルバートといった選手たちの成長が著しかった。

今季は、20歳の2年目、ジャレット・アレンが成長した。ただ、特にブレイクしたのが、ポイントガードのディアンジェロ・ラッセルだ。ネッツでの1年目はひざの手術で離脱したが、NBAで4年目となる今季はオールスターに選ばれるまでとなった。

ラッセルは「ケニーはベテランと若手の中間のコーチみたいに感じる。少し昔ながらのところがありつつ、若さの勢いもある。かなり良い感じだね」と話している。

2016年夏にアトキンソンHCと一緒にネッツに加わり、指揮官の1年目から今でもチームに残っている4選手の一人であるハリスは、「彼は今でもクレイジーさ」と語った。

「初めてここに来たときと、まったく同じなんだ。タフで競争的、みんなを同じように扱う。僕が来たときから、彼が求めるものは同じだ。アプローチはほとんど変わっていない。選手に練習でしっかり考えさせることはずっと変わらない。その良い習慣を変えずに発展させてきた」。

アトキンソンHCは、アトランタ・ホークス時代にマイク・ブーデンホルザーHC(現ミルウォーキー・バックス)がオープンな風土を取り入れ、スタッフ全員に意見を求めたおかげと話す。その哲学をネッツに取り入れたアトキンソンHCは、「私にとっては協力のプロセスがすべて」と、チームの成功はスタッフの功績だと言う。

「分析部門、パフォーマンス部門、アシスタントコーチたち、映像部門と、私はすべてから情報を仕入れる。もちろん、決断は下さなければいけない。でも、今の自分がスタッフから得られるサポートが10年前もあったかは分からない。素晴らしいスタッフで、正直、全員が必要なんだよ。私を実際の私以上に優れているようなコーチにしてくれた。謙虚とか謙遜とか言うかもしれないけど、それが事実なんだ」。

原文: KENNY ATKINSON HAS PLAYOFF BOUND BROOKLYN NETS AHEAD OF SCHEDULE by TOM DOWD/Nets.com(抄訳)


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ