ラプターズを勝利に導いたカワイ・レナードの決勝ブザービーター

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トロント・ラプターズとフィラデルフィア・76ersのイースタン・カンファレンス・セミファイナル第7戦、ラプターズのカワイ・レナードは、第4クォーター残り4.2秒でインバウンドパスを受けた。

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ベン・シモンズのマークを受けながら、レナードは右サイドへ向かう。パスカル・シアカムのマークを外したジョエル・エンビードがダブルチームを狙うが、レナードの進行方向を変えるのではなく、シモンズを遮ってしまった。

サージ・イバカが空けた右コーナーのスペースにドリブルで向かったレナードは、止めにきたジョエル・エンビードより早くショットに持ち込む。ブロックさせまいと、ボールを高く上げなければならなかった。

試合後、レナードは「高く打たなきゃいけないことだけは分かっていた」と振り返っている。

「あの場面の少し前に、同じような3ポイントショットを打ったけど、短かったんだ。だから、それよりもっと高く打たなきゃいけないと思った」。

ベンチにいた76ersのJJ・レディックは「短いようだった」と認めている。

だが、高く描いた弧がカギを握った。

ニック・ナース・ヘッドコーチは「入ると思った」と話している。

最も大きかったのは、最初にリングを弾いた時だ。リングの手前側に当たり、高く上に上がった。

76ersのブレット・ブラウンHCは「あの角度で当たり、ああやって上がったら、チャンスがあると感じるものだ」と述べている。

ラプターズのベンチでショットを打ったレナードの背後にいたフレッド・バンブリートは「僕らがいたところの角度からは、最初はまったく入りそうになかった。少し左だと思ったんだ」と明かす。

勝利につながったのは、2度目のバウンドだ。1度目と同じところに当たり、だが今度は反時計回りの回転でリングの反対側に向かう。

バンブリートは「ああやって1回、2回とリングに当たったら、『これがカワイだ』って感じさ。決まるだろう、ってね」と述べた。

3度目のバウンドは、リングの反対側に当たって上に上がる。そして最後の4度目、最も弱かったバウンドは、3度目と同じところに当たってから、そっとネットを通過した。

この夜のレナードにとって39本目のショットは、NBAの歴史で初めてとなる第7戦でのブザービーターとなり、スコシアバンク・アリーナは沸き、レナードはチームメイトたちにもみくちゃにされる。エンビードは涙を流し、マルク・ガソルが彼を慰めた。

エンビードは「ハードファイトした試合で、あんな風に最後のショットで負けるなんて、説明できない」と述べている。

「ただただ、最悪だよ」。

最も幸運なバウンドと、最少点差で、ラプターズは92-90と勝利し、球団史上2度目となるカンファレンス・ファイナル進出を果たした。

第7戦は激戦となった。両チームのプレイが悪かったからではなく、互いにとてもよく守ったからだ。

レナードは「誰だって負けたくない」と話した。

「すべてがぎりぎりだった。守備のミスで相手に簡単な得点チャンスを与えたくない。両チームの選手たちが、攻守両面でそういうプレイをしたと思う」。

そんな好ゲームを締めくくったのが、本当に最後の一発だったのだ。

原文: Kawhi's killer shot punctuates instant classic by John Schuhmann/NBA.com(抄訳)


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ