カワイ・レナードが静かに再びスーパースターのように クリッパーズに貢献

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

カワイ・レナードが静かに再びスーパースターのように クリッパーズに貢献 image

化けの皮がはがれた、健康を保てない、もう彼がいるロサンゼルス・クリッパーズは勝つことができない――カワイ・レナードに関して耳にした様々なすべてを、今季の厳然たる事実と比べよう。

今季のレナードはシーズンを通じて欠場がない。出場時間はリーグのトップ15に入っている。平均23.3得点、フィールドゴール成功率50.3%、3ポイントショット成功率42.1%と、キャリア平均を上回る数字だ。そしてクリッパーズは12月12日(日本時間13日)のサクラメント・キングス戦で大勝し、5連勝を達成。13勝10敗という成績だ。

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この数年、レナードのキャリアを大きく損なってきたケガの数々を考えれば、これがいつまで続くのかと懐疑的になるのも無理はない。だが、今の彼は再びトップ10入りする選手のようだ。そのプレイは上昇傾向にある。

先週のユタ・ジャズ戦では、FG成功率60.9%で今季自己最多の41得点をあげた。続くポートランド・トレイルブレイザーズ戦では34得点、そしてキングス戦ではFG14本中11本成功で31得点をマークしている。

レナードがいかに優れているか、再び注目すべきタイミングだ。今の彼は再びNBAのエリートクラスの頂点に立とうとしているからだ。

カワイ・レナードの一線級の得点力は変わらず

チームが大事な得点を必要としている時、レナードはまだリーグ有数のアイソレーションプレイヤーだ。

力強く自分のスポットに向かうという点で、彼以上の選手はいないかもしれない。相手が弱いディフェンダーなら、エルボーに下がってフェイダウェイショットを沈めたり、抜いてリムにたどり着く

こういった類の得点は、プレイオフでより貴重になる。レナードは前回健康だった時にそれを証明した。最も直近のポストシーズンで、リーグトップの平均34.5得点、FG成功率54.5%を記録している。重要な局面において、彼がまだリーグ有数のクローザーであることは変わらないのだ。

カワイ・レナードの守備は一歩後退も必要な時は健在

レナードの守備は年間最優秀守備選手賞を2回受賞し、オールディフェンシブチームに7回選ばれたほどの安定感でなくなっている。だが、全力で守る時の彼は、今でも守備でゲームチェンジャーになれる選手だ。

ウィークサイドから飛んできてボールをさらうことができる。スクリーンの対応は卓越したままだ。相手がやわなレイアップをしようものなら、観客席に叩き込む。おそらくはすべきでないかもしれないが、体を投げ出すこともいとわない。テイクチャージはクリッパーズでトップだ。

レナードはすでに試合を救うような守備のプレイを見せてきた。ジャズ戦ではクリス・ダンを相手に重要なストップをしている。ゴールデンステイト・ウォリアーズ戦ではステフィン・カリーを相手に激しい守備を披露した。

オフボールのカワイ・レナードの脅威

ジェームズ・ハーデンがクリッパーズに加入したことで、レナードはこれまでよりもボールを持たないところからプレイしている。それにより、ショット成功率が大きく飛躍した。今年ほど、イージーなかたちをお膳立てされたことはない。

カワイ・レナードのアシストからのショット成功率NBA Stats
シーズン アシストからのショット成功率
2019-20 36.3
2020-21 37.8
2021-22 欠場
2022-23 40.6
2023-24 52.8

当初は荒れた出だしだったが、ハーデンとレナードは良いケミストリーを構築し始めた。ハーデンはクリッパーズで最もレナードにパスしており、3Pにつなげるパスは素晴らしい。

レナードはそういったキャッチ&シュートの3Pが素晴らしく、成功率48.4%を記録している。見事なタッチだ。フローターの3Pなど、今までなかったようなかたちからのショットを決めている。

また、レナードはカッターとしても素晴らしく、そういったプレイから90.9%という数字を残している。今のリーグで、レナード以上にカットからの得点力が高い選手はいない。

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カワイ・レナードと本当に合うクリッパーズ

タロン・ルー・ヘッドコーチは『Substack』のジャスティン・ルッソ記者に、この序盤にレナードとポール・ジョージをこれだけ出場させたことで、近年と比べてクリッパーズが試合に勝てるようになったと話している。

慣れることがクリッパーズに必要だった時期を経て、それは真実と証明された。

ラッセル・ウェストブルックをベンチスタートにしてから、クリッパーズはオーランド・マジックに続く2位の10勝3敗という成績だ。ネットレーティングは7.4と、61勝のチームに匹敵する。

そしてその間、レナードがクリッパーズのベストプレイヤーだったことは疑いない。彼はチームにとって重要な存在であり、これまで複数回優勝できたのと同じような優れた選手となっている。

リーグは注目すべきだ。レナードが戻ってきたのだから。

原文:Kawhi Leonard quietly looking like a superstar again: How The Claw is helping Clippers reach full potential(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。