3月12日(日本時間13日)、ロサンゼルス・クリッパーズのファンたちは、カワイ・レナードが再び負傷したことを聞いて騒然となった。ミネソタ・ティンバーウルブズに敗れた試合で、レナードは開始から12分で腰の問題のためアリーナを後にしている。
クリッパーズのタロン・ルー・ヘッドコーチは試合後、レナードが数日にわたって腰の問題に悩まされていたことを明かした。ウルブズ戦でそれを悪化させたようだ。
レナードのケガがどれほど長引くのかは分かっていない。だが、ウェスタン・カンファレンスの様相を一変させ、クリッパーズのシーズンを狂わせる可能性がある。
オールNBAレベルのプレイを見せていたカワイ・レナード
レナードはファンタスティックなシーズンを過ごしていた。ウルブズ戦までは欠場わずか6試合だった。しかし、その数は増えることになるだろう。
今季のレナードは全盛期のようだった。大きな手を生かしてボールを奪い取り、パスレーンを阻むなど、守備で再び相手を大きく苦しめるようになっていた。ショットも3ポイントショット成功率42.6%、エフェクティブフィールドゴール成功率が自己最高の58.5%とベストシーズンのひとつと言える出来だった。
レナードは今季、リーグのトップ10に入る選手だったのだ。そのプレイもあって、クリッパーズは2月第1週にわずかながら首位にも立った。レナードがいなければ、まったく違うチームだろう。
カワイ・レナード不在だと苦しむクリッパーズ
第1クォーターだけでレナードがいなくなったクリッパーズは、ウルブズに18点差で敗れた。それは驚きではない。レナードがいなかった試合で、クリッパーズは3勝3敗という成績だった。相手に38点差をつけられている。
シーズンを通じ、レナードが出場していない時のクリッパーズは悪かったのだ。『Basketball-Reference』によれば、レナード出場時のクリッパーズは相手を100ポゼッションあたり8.8点上回っているが、レナード不在時は3.1点下回っている。
オールインワンのスタッツでも、レナードは今季最も価値ある10選手のひとりだ。
価値 | 順位 | |
---|---|---|
EPM | +5.7 | 7位 |
DARKO | +5.6 | 4位 |
LEBRON | +3.6 | 11位 |
RAPTOR | +7.4 | 4位 |
ポール・ジョージが得点を増やさなければいけなくなるが、彼もまたケガの問題を抱えている。シーズンを通じて左ひざ半月板の問題に対処してきた。
また、クリッパーズはラッセル・ウェストブルックも失っている。手を手術したウェストブルックは、レギュラーシーズンの残り試合を欠場する見込みだ。
カワイ・レナードの西地区順位における影響
クリッパーズはニューオーリンズ・ペリカンズとウェスト第4シードの座を争っている。3月12日(同13日)終了時点で2ゲーム差。15日(同16日)に直接対決を控えている。
ホームコートアドバンテージを賭けた争いが、その直接対決で重要となる。今季ここまで、クリッパーズは1勝2敗とシリーズをリードされているのだ。ここ数シーズンの対戦で、クリッパーズはペリカンズに直近14試合で11勝を許している。そのひとつ、2022年のプレイイン・トーナメントでは、ポストシーズンに進む希望を断ち切られた。
じつはペリカンズは現在のリーグで最も調子の良いチームのひとつだ。12日(同13日)までは4連勝を飾り、攻守両面でリーグのトップ10に入る成績を残している。攻撃が8位、守備が6位だ。今季は健康面であまり良くなかったが、層が非常に厚く、それでも39勝25敗という見事な数字を残してきた。
また、レナードの負傷で、クリッパーズは西地区上位争いからも外れることになる。0.5ゲーム差ずつのオクラホマシティ・サンダー、デンバー・ナゲッツ、ウルブズによる三つ巴の争いとなるのだ。クリッパーズもシーズンの大半でその混戦に含まれていた。だがこれからは、第4シードに食らいつくことが希望となる。
原文:How Kawhi Leonard's back injury impacts Clippers title odds, Western Conference standings(抄訳)
翻訳:坂東実藍