アメリカ代表デビュー戦で苦しんだジョエル・エンビード 五輪に向けて心配すべき?

Gilbert McGregor

坂東実藍 Miran Bando

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ジョエル・エンビードはアメリカ代表のジャージーでもっと良いスタートを切ることができたはずだ。

カナダ代表に勝利した強化試合で、エンビードは存在感を完全に発揮することができなかった。12分間の出場で5得点、6リバウンド、2アシスト、4ターンオーバーというスタッツだ。代表チームでのデビュー戦でスターティングラインナップ入りしたエンビードに期待された数字には遠く及ばない。

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なぜ、エンビードはカナダ戦で苦しんだのか。ここでは、アメリカ代表でのデビュー戦についてまとめる。

ジョエル・エンビードのアメリカ代表デビュー戦

アメリカ代表に加わるというエンビードの決断は大きなものだった。カメルーンや、市民権を持つ開催国のフランスではなく、アメリカを選んだからだ。

フィラデルフィア・76ersでの最終戦を終えてしばらく日が経ち、エンビードはケガに苦しめられたシーズンから回復し、アメリカ代表のインサイドで違いを生む選手になることが期待されていた。

対戦相手のカナダは、先発センターのドワイト・パウエル、控えビッグマンのケム・バーチとケリー・オリニク以外にサイズがない。エンビードは自分の狙いどおりにやれると期待された。だが、強化試合の最初から、エンビードがなかなかそのようにできないことは明らかだった。

アメリカは序盤、エンビードにペリメーターとポストでボールを持たせ、活躍させようとした。だが、試合開始から最初の数分で、エンビードは遠距離からのショットを沈められず、ポストからの何本かのショットも決められなかったのだ。

すぐに、バスケットを背にしたエンビードが序盤で苦戦したのは、コンタクトを始め、笛に頼ろうとする傾向が理由だという指摘の声が上がった。

また、フィジカルに関してもエンビードは苦しんだ。必ずしも、カナダのフィジカルさや、FIBAの試合だったからという理由ではない。相手に対して自分のフィジカルで優位に立てたかどうかだ。

7フィート(約213センチ)、280ポンド(約127キロ)のエンビードは、オリンピックでも有数のフィジカルを誇る選手となるはずだ。だが、それを生かせず、12分間で5つのファウルを犯すことになった。この点も、ファウルアウトまでが6ファウルのNBAから適応しなければならない。

序盤にリズムに乗れなかったエンビードは、試合を通じて苦しむことになった。

76ersでのエンビードは、ファウルをもらって力強いスタートを切ることに大きく頼っている。2023-2024シーズンは出場39試合にとどまったが、1試合平均のフリースローは10.2本第1クォーターで平均11.4得点をあげている。いずれもリーグ最多の数字だ。

しかし、カナダ戦では序盤にファウルを得られず、リズムに乗ることができなかったエンビードは、2023年にMVPを受賞した選手らしくないパフォーマンスにとどまった。

選手とチームにとって朗報なのは、まだたったの1試合ということだ。2023-24シーズンを通じてエンビードは多くのケガや健康問題に対処しなければいけなかった。カナダ戦は5月2日(日本時間3日)に行われたNBAプレイオフ2024のファーストラウンド第6戦以来となる試合だったのだ。

そのさびつきをエンビードが落とせば、アメリカ代表は序盤に彼を乗せることがもっと重要になる。ニコラ・ヨキッチ、ヤニス・アデトクンボ、ルディ・ゴベア、ビクター・ウェンバンヤマらが控える金メダルへの道のりにおいて、エンビードの存在は違いとなるかもしれないのだ。

カナダ戦のジョエル・エンビードのスタッツ

  • 出場時間:12
  • 得点:5
  • リバウンド:6
  • アシスト:2
  • スティール:0
  • ブロック:0
  • ターンオーバー:4
  • フィールドゴール:5本中2本成功(40.0%)
  • 3ポイントショット:1本中0本成功(0.0%)
  • フリースロー:2本中1本成功(50.0%)
  • ファウル:5

原文:Joel Embiid's USA Basketball debut, explained: 76ers star underwhelms vs. Canada in Olympic exhibition game(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Gilbert McGregor

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Gilbert McGregor first joined The Sporting News in 2018 as a content producer for Global editions of NBA.com. Before covering the game, McGregor played basketball collegiately at Wake Forest, graduating with a Communication degree in 2016. McGregor began covering the NBA during the 2017-18 season and has been on hand for a number of league events.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。