3月24日、2020年夏に開催予定だった東京オリンピックが1年程度、遅ければ2021年の夏まで延期されることが発表された。世界的に感染拡大している新型コロナウイルスの影響を受けて下された決断で、国際オリンピック委員会(IOC)と日本政府が合意に達した。
延期されるオリンピックの具体的な開催時期は未定だ。これによって、多くの国の代表チーム構成に影響が出ることは間違いない。NBA選手で構成される予定だった男子バスケットボールのアメリカ代表もその影響を大きく受けることになる。
USAバスケットボール(アメリカバスケットボール協会)のジェリー・コランジェロ・マネージングディレクター(以下、会長)は、「単純なことだ。NBA選手がいるかいないか。もしいなければ違う選択肢を考慮する」とAP通信に話している。
AP通信によると、コランジェロ会長は2021年まで自身の役割をまっとうする予定であり、アメリカ代表のヘッドコーチであるグレッグ・ポポビッチ(サンアントニオ・スパーズ)、アシスタントコーチのスティーブ・カー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ロイド・ピアース(アトランタ・ホークス)、ジェイ・ライト(ビラノバ大学)も同様だ。
しかし、それも全て、延期されるオリンピックのスケジュールがどう組まれるかによって変わってくるだろう。通常通り夏に開催されるのであれば、NBAのオフシーズンに当たるため、選手やコーチの起用が可能となる。NBAのプレイオフは通常であれば6月中旬まで続くため、その最中、もしくはそれ以前の開催となれば当然難しくなってくる。
さらにNBAの2019-20シーズン自体も現在停止中で、再開時期が決まっていないことも影響する可能性がある。このままシーズン終了という可能性もあれば、再開させて終了を後ろ倒しにする可能性もある。後者の場合、2020-21シーズンのスケジュールにも影響を及ぼすこととなり、2021年の夏になってもNBAのシーズンが終わっていないシナリオも存在する。もしくは、2020-21シーズンの終了がオリンピック開催直前となり、疲労の溜まっている選手が出場を辞退するという場合もあるかもしれない。
コランジェロ会長はAP通信に「今はとにかく来夏の同じ時期に(オリンピックが)開催されることを期待している」と語る。
「まずは我々がコントロールできない多くのことが決まらなければならない。この状況に関して、我々は従う立場にある。NBA、FIBA(国際バスケットボール連盟)、USOC(アメリカオリンピック委員会)、IOCなど、多くの組織とやりとりをしている。今はとにかく、開催時期がいつになるかを待つ必要がある。我々が具体的に動けるのはそれからだ」。