【FIBAワールドカップ2019】アメリカ戦でチーム最多18得点と奮闘した日本の馬場雄大をドノバン・ミッチェルも称賛

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7月のNBAサマーリーグでダラス・マーベリックスの一員として4試合に出場した日本代表の馬場雄大(アルバルク東京)が、王者アメリカを相手に強烈なインパクトを残した。このアメリカ戦での活躍は、馬場の選手人生を大きく変えるターニングポイントになるかもしれない。

9月5日に中国・上海の東方体育中心(オリエンタル・スポーツ・センター)で行なわれたFIBAバスケットボール・ワールドカップ2019のグループE 1次ラウンドのアメリカ戦で、馬場はチーム最多となる18得点をマークした。第4クォーター残り5分だけで9得点を記録した馬場は、試合合計でフィールドゴール15本中8本成功、3ポイントショット4本中2本成功、3スティールと、45-98と54点差の大敗を喫した日本のなかで最も印象に残る活躍を見せた。

「得点うんぬんに関係なく、アグレッシブにいった結果だと思う」と自らのプレイを振り返った馬場は、第4クォーター終盤にスティールからの速攻によるワンハンドダンクを叩き込んで自慢の身体能力を披露し、さらにその30秒後には1対1の状況から3Pも沈めて会場を沸かせた。

チームとして戦うことの重要性を理解しつつも、個々の能力の高いアメリカを相手に攻める姿勢を失ってはいけないという高い意識を持ち、それをコートで実践したことが生んだパフォーマンスだった。

馬場は、「チームとして戦わなければいけないのはわかるんですけど」と前置きした上で、「パス、パスとなって後手後手になるのは、こういった舞台ではしてはいけないことだと思ったので、先陣を切って走りました。自分のしたいようにプレイしたという感じです」と、相手がアメリカだからといって萎縮するのではなく、戦う姿勢を保つことを心がけたという。

「(アメリカは)個々の能力が高くて、本当に1対1でアグレッシブにディフェンスしてくる。そういったところを打開する力があると自分は思っている。それを信じてプレイした結果がああいった点数になったのかなと思います」。

日頃からNBA入りの夢を口にしてはばからない馬場は、「この(アメリカの)選手たちとやることが夢」と語り、アメリカとの試合を待ち望んでいたという。

「この選手たちを相手にどこまで通用するのかというのを楽しみにしていました。そういったことを意識してプレイした結果かなと思います」。

試合を通じて一度もリードを奪えず、最大62点もの大差をつけられた試合でも、馬場は最後まであきらめずにアメリカに食らいつこうとした。日本の印象を問われたアメリカのドノバン・ミッチェル(ユタ・ジャズ)は、そんな馬場の姿勢を率直に褒め称えた。日本チームの戦う姿勢に敬意を表したあと、ミッチェルは馬場の名を挙げてそのプレイを称賛している。

「馬場は何度も自らボールを運んでダンクや3ポイントを決めてチームを引っ張っていた。とても印象的だった」。

奥田中学(富山県)時代の後輩である八村塁(ワシントン・ウィザーズ)も、馬場の活躍に目を細めた。この試合で第4Qをベンチで過ごして24分4秒出場、4得点、4リバウンド、FG8本中2本成功に終わった八村だったが、地元の先輩である馬場の躍動について「すごく嬉しいです」と喜んだ。

「僕の中学校からの先輩として活躍してほしかった。こういうところで活躍することで、NBAのコーチも見てましたし、いいチャンスになったと思うので、すごくよかったと思います」。

馬場は、世界最高峰のチームが相手でも「戦える」手応えを感じている。アメリカを相手に自らのプレイを表現できたことで、「これまでやってきたことが間違いじゃなかった」と、より自信を深めることができたようだ。

「こういった点差になりましたけど、やっていって何か一つきっかけが掴めれば、経験(の差)を埋めることができれば、絶対戦えるなというのはすごく感じました。ここからがスタートです」。