8月24日、男子バスケットボ―ル日本代表の国際試合「International Basketball Games 2019」がさいたまスーパーアリーナで行なわれ、日本代表とドイツ代表が対戦した。FIBAワールドカップ2019に向けたこの強化試合で、日本はワシントン・ウィザーズの八村塁が試合最多となる31得点、メンフィス・グリズリーズの渡邊雄太が20得点と日本人NBAプレイヤー2人で合計51得点と大活躍し、強豪ドイツに86-83で勝利を収めた。
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攻守で日本を牽引した八村は、30分52秒の出場で2点フィールドゴールを16本中10本、3ポイントショットを3本中2本、フリースローを5本をすべて成功させる精度の高さを見せたほか、5リバウンド、2スティール、1ブロックを記録した。第1クォーターだけで12点をマークすると、前半終了間際にはドイツの司令塔でオクラホマシティ・サンダーに所属するデニス・シュルーダー越しにロングジャンパーを成功。後半もダンクに3Pにブロックにと獅子奮迅のプレイで勝利の立役者となった。
八村は「勝ったんですけど、リバウンドを見ても負けている部分がありますし、それでも勝ったって言ったら良いっちゃあ良いんですけど…」と勝利に一定の満足感を得ながらも、同時に反省点を口にした。
「リバウンドをしっかり修正すれば、僕らがどれだけ強くなれるかということが今日これでわかりました。今日はディフェンスは良かったんですけど、リバウンドのところで負けてしまったので、世界大会に向けて、短い期間ですけど、チームでしっかりやっていくしかない」。
八村の活躍に呼応するように、渡邊も20得点、6リバウンド、2アシスト、2スティール、1ブロックと数字を残した。右足首の故障でこれまで出場時間に制限がかかっていた渡邉は、この日はそのリミットが解かれ、27分20秒プレイした。3点リード(84-81)、残り数秒の場面のディフェンスでは、ドイツからボールを奪う"決勝スティール”、さらに直後に獲得したFT2本をどちらも決めてリードを5に広げ、日本の勝利を決定付けた。最後のスティールは、もしドイツに3Pを決められていたら同点に追いつかれてしまう場面だっただけに、値千金の好守だった。
渡邊も、八村と同様に「課題はまだまだ残っている。ドイツは2試合連続だったということで疲労も多少あったんじゃないか」と、気を引き締める。それでもやはり、欧州の強豪相手に競り勝ったことは日本にとって大きい。2日前のアルゼンチン戦では善戦しながらも勝ち切れなかっただけに、なおさらだろう。
「前半少し離された時間帯もありましたけど、粘って最後勝ち切れたというのはすごく自信に繋がります。ワールドカップに向けて大きな1勝だったんじゃないかなと思います」。
NBAサマーリーグに出場した馬場雄大とこの試合で先発出場した比江島慎は揃って10得点をあげ、NBA選手の2人を援護射撃。そのほか、ニック・ファジーカスが8得点、5リバウンド、田中大貴が4得点、4リバウンド、3アシスト、3スティール、篠山竜青が3得点、4リバウンド、3アシストを記録した。
現役NBA選手4人を擁するドイツは、前半を7点リード(42-35)で折り返したものの、後半を41-51と失速して逆転負けを喫した。司令塔のデニス・シュルーダー(オクラホマシティ・サンダー)がチーム最多の16得点に加えて8リバウンド、4アシスト、3スティールを記録したほか、元シカゴ・ブルズのポール・ジプサーが12得点、ロビン・ベンジンが11得点と3選手が二桁得点をマークした。その他、ボストン・セルティックスのダニエル・タイスとダラス・マーベリックスのマキシ・クリーバーがそれぞれ8得点を記録した。
会場には、22日のアルゼンチン戦の1万6211人を上回る1万8355人の大観衆が詰めかけ、スタンドは日本代表のメインカラーである真っ赤に染まった。試合終盤の緊迫した場面では、一際大きな声援が送られ、日本代表の面々を後押しした。
日本代表は翌25日に同会場でチュニジア代表と対戦。8月31日に中国で開幕するワールカップ本戦の1次ラウンド(上海)では、9月1日にトルコ、3日にチェコ、5日にアメリカと対戦する。