6月25日(日本時間26日)に行なわれた『2018 NBAアウォーズ presented by Kia』で、ヒューストン・ロケッツのジェームズ・ハーデンが2017-2018シーズンのMVP(最優秀選手賞)を受賞した。アウォーズ終了後、ハーデンがメディアとの質疑応答に応じた。
――おめでとう。以前にもあなたは受賞に近づいた。待つ価値はあったと感じているか。受賞してみて、少し待ったことの違いをどう感じるか。
そうだね。この4年はドアをノックし続けているみたいだった。ようやくここにたどり着いたね。毎年、前年を上回ろうとし、トロフィーを手に入れようとしてきた。大きな意味がある。でも、ここで止まるわけじゃない。僕らの道のりはまだ長い。でも、受賞できて良い気分だ。
――おめでとう。キャリアにおける自身の進化について少し聞かせてほしい。ステージでシックスマン賞からMVPにたどり着いたことについて少し話していたが、それだけではなかったはず。シックスマン賞、ロケッツへのトレード、球団を背負えるかとの懐疑的な見方、MVPに届かない…今年はプレイオフで少し及ばなかったが、MVPを受賞した。選手として全般的に進化したことでここにたどり着いたのでは?
毎年言ってきたが、自分はよりうまくなろうとしている。前の年にうまくいかなかったことを見出して、毎年夏にそれを加えていくんだ。トレードされて、どうリーダーになるかを見出さなければいけなかった。時間が必要だったよ。毎年ね。バスケットボールをしていて最もやりやすかったのは2年前からだ。コートでそれを示せると確信している。
あなたが言ったように、今年の僕たちは少し足りなかった。夏に練習して、来シーズンに備えるよ。そして優勝を目指す。
――自分のプレイについて、そして個人的にどうやって向上してきたかについて聞かせてもらえるか。アルティシア高校、アリゾナ州立大学の時代から、今のここまでどう向上してきたのか。何が原動力となったのか。成長について聞かせてほしい。
ずっと頑張ってきたけど、多くの選手たちと同じように、あれやこれやとやってきただけだ。昨夏はジムで必要なことをトレーニングした。時間をつぶすために行くわけじゃない。夏のトレーニングではそういう心構えでいて、それをシーズン中も続ける。そしてそのシーズンの良かったところは忘れて、もっと改善できるところを探し、上達しようと取り組むんだ。毎年のことだよ。止まることはない。
みんな知ってのとおり、より若いタレントがどんどんうまくなっていく。だから、しっかり準備ができるようでなければいけない。
――我々の多くがこのMVP受賞を予想していた。スピーチを用意せず、即興で話すと言っていたが、なぜ紙に書いて準備しなかったのか?
正直、知らなかったからだ。去年も自分が受賞すべきだったと感じた。だから、去年と今年の違いが分からなかったんだ。受賞できたら、壇上に上がり、ずっと助けてくれたみんなに感謝しようと思っていた。しかるべき敬意を払おうとね。もちろん、ロケッツがこの6、7年で自分に与えてくれたチャンスとその大事さは分かっていた。家族がとても大切だったのはもちろんだ。そしてさっき言ったように、助けてくれたみんなもね。
――成長するうえで夏が大事だったと言っていたが、昨夏特に今季への刺激となったのはどんなことだったか?
何もないさ(笑)。もちろん、負けてあのトロフィーを手にできなかったというのはある。だけど、僕はワーカホリックなんだ。毎日仕事をする。肉体だけでなく、精神的にもね。だから何も違いはなかった。ジムに行き、同じチームで、集中し、前年のことを心配しない。何も違わなかった。
ドリューリーグでプレイするのは、謙虚でいるためだ。自分がどこから来たのかを常に忘れない。そして今年の夏も同じだ。
――来季の優勝争いに向けて、次のレベルに自分がたどり着く助けとして周囲に必要なのはどんなピースだと思うか。
ファイナルまではもう少しだった。だから、加えるべき、あるいは捨てるべきピースはないと思う。今の僕らは素晴らしい。上から下まで、フロントからコーチングスタッフ、そして選手たちから職員までね。僕らはより向上し、より健康でいて、やるべきことをやるのに主に集中している。クリス(ポール)も、PJ(タッカー)も、ルーク(バー・ア・ムーテ)も、ほかの新顔たちも、みんな1年目だった。それでここまできたんだ。もう少し一緒にやったらどうなるかを想像してくれ。かなり脅威になるはずだよ。
――ドラフトで指名されたばかりの若手にどんなアドバイスを?
彼らは始めたばかりだ。まだ何もしていない。彼らの名前が呼ばれると多くの人がリラックスするけど、呼ばれなかった選手もたくさんいる。そして彼らはハングリーだ。旅は始まったばかりだよ。
今は財産にしなければいけない。自分がドラフトされたときはそういう考えだった。
僕はかなり早くに悔しい思いをした。全体3位で指名され、自分はスターターになると思っていた。それが目立てず、ベンチに座らされたんだ。最初から謙虚にさせられた。仕事をし続けて、頑張って、そうしてここにいるみんなが僕に生涯一度のチャンスを与えてくれたんだ。
――ここにたどり着く助けとなった人について聞かせてもらえるか。コーチなのか、リバウンドをしてくれる仲間たちか、一緒に走ってくれる人たちか、NBAのMVPとなった選手を助けた人たちについて教えてほしい。
自分は恵まれており、幸運にも本当に、本当に良いコーチたちと出会えた。高校時代のスコット・ペラ、大学でもペラ・コーチだった。それからNBAに入ってからも。今のコーチングスタッフもだ。それに、僕は本当に素晴らしい友人たちに恵まれた。
良いときも、悪いときも、良くない試合のときでも、彼らはリバウンドし、走ってくれた。彼らのオフシーズンと僕のオフシーズンは一緒なんだ。どんなトレーニングをしても、どんなワークアウトをしても、彼らは一緒にいてくれた。それが僕を駆り立て、ベストプレイヤーになろう、最高の人間になろうとし続ける今の自分にしてくれたんだ。