現在のハーデンがトレードでクリッパーズにもたらせることは?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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ジェームズ・ハーデンがリーグのトップ5常連だったのが遠い昔のようだ。

実際には、ハーデンが平均34.3得点で得点王に輝き、MVP投票で3位だったのは、2019-2020シーズンのことである。

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ハーデンがもはや当時のような選手でないことは確かだ。だが、彼が終わった選手だというのは非常に大げさだろう。オールスター級の選手であることに変わりはない。『ESPN』のラモーナ・シェルバーン記者によれば、NBAコミッショナーのアダム・シルバーにもっと早くに伝えていれば、負傷者の代役として昨季のオールスターゲームに選ばれていたという。

34歳となったハーデンのプレイには、衰えた部分がある。だが、それ以外の部分ではまだエリート級の選手だ。NBAで15年目を迎えたハーデンの状態をまとめる。

ジェームズ・ハーデンはどれくらい優れた選手?

ハーデンがリーグで最も優れたパサーのひとりであることは変わらず

見事なパサーながら、ハーデンはそれだけの評価をされてこなかった。平均10.7アシストを記録した昨季を含め、これまでに2回アシスト王に輝いている。

昨季は2試合で20アシストを記録しており、76ersの球団記録タイとなる21アシストをマークしたこともあった。クリエイティブなパサーで、何度も美技を見せてきた選手だ。

さらに、それらは数字だけのアシストではない。過去3シーズン、ハーデンが所属したチームは攻撃でトップ5入りしている。そのすべてのシーズンでハーデンは二桁アシストを達成した。

ハーデンのリムでのフィニッシュの力は大きく低下

ハーデンのプレイで最も衰えが見られるのは、ドライブの能力だ。『Basketball-Reference』によると、リムでのフィニッシュはMVP受賞のころと比べて7%低下している。

もっと若いころはリムでディフェンダーに挑もうとしていたが、昨季プレイオフではそれよりもレイアップからパスを出す場面が見受けられた。

フリースロー試投も大きく減った。全盛期は1試合平均で二桁のFT試投だったが、昨季は6.2本まで減っている。得点力も平均21.0得点に下がった。どちらも、オクラホマシティ・サンダーでシックスマンを務めていたころ以来の数字だ。

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ハーデンの守備はかつてないほどの浮き沈み

守備の評価が良くないハーデンだが、それだけの理由はある。激しい守備を見せる時もあるが、レギュラーシーズン中はあきらめて抜かれる傾向にある。

しかし、ハーデンにはポジティブなスキルもある。ディフェンシブリバウンドはまずまず拾うし、驚くほど見事にポストで耐える力も持つ。それでハーデンの所属チームはできるだけスイッチで彼を使うようになるのだ。

ハーデンはいまだトップ25の選手

大半のメディアによれば、ハーデンはいまだトップ30に入る選手だ。スポーティングニュースでは、直近のランキングで22位としている。『Hoops Hype』は23位、『The Ringer』は36位だ。

ハーデンはオールスター級の選手ということであり、投票する人たちも同意見だ。昨季はファン投票でイースタン・カンファレンスのガード部門の4位、選手投票とメディア投票でそれぞれ5位だった。

もちろん、ハーデンがレギュラーシーズンで素晴らしい選手ながら、プレイオフになると最悪の瞬間を迎える時があるのが変わらないのは確かだ。

昨季、ハーデンは76ersで何度か非常に重要なパフォーマンスを披露した。セルティックスとのシリーズでは第1戦と第4戦で45得点、42得点をあげ、勝利に貢献している。だが、76ersが敗退となった第7戦では、フィールドゴール11本中3本成功の9得点、5ターンオーバーという内容にとどまった。

しかし、シーズン全体を通じて言うなら、ハーデンがいまだに3Pをうまく決める力を持ち、エリート級の攻撃を活性化させる、史上有数の配給役であることは変わらない。

原文:How good is James Harden? Scouting report shows what star guard brings to Clippers in trade(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。