デンバー・ナゲッツのジャマール・マレーには、カナダのオンタリオ州キッチナーで暮らしていた当時、何度か人種差別を受けた経験がある。
「高校時代、父と夜に通りを歩いていたんだ。練習を終えたところで、夜の9時ごろに歩いていたら、パトカーのサイレンが鳴って、警察官から『ちょっと調べさせてもらっても大丈夫かな?』と声をかけられた。道を歩いていただけの自分に、警察官2人が近づいてきたんだ」と、マレーは6月5日(日本時間6日)のZoomコールで語った。
「父は『応じられない。どうして私たちを調べたいんだ?』と返答した」。
マレーによれば、父が職務質問された理由を警察官に尋ねても、明確な回答はなかったという。
「まさかそんなことを聞かれるとは思っていなかったのだろうね。そのときの警察官からすれば、やりたいようにやって、彼らが考える方向に持って行きたかったのだと思う。そうすれば好きなように対応できただろうからね。でも、そんなやり方は間違っている」。
またマレーは、速度制限を守って高速道路を走行中にも不当な職務質問を受けた経験があったという。これらの経験、そしてミネアポリスで起こったアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんの警察官による暴行死亡事件により、マレーはアメリカの全州、そして他国でも抗議デモが起こっている現状に理解を示している。
「コミュニティが一丸となって行動している」と、マレーは言う。
「やらないといけないことだし、変わらないといけない。変化を起こすには、この行動に加わらないといけない」。
「抗議デモは、正しい方向に進むための方法だ」。
マレーによれば、先日ナゲッツのバスケットボール運営部門代表を務めるティム・コネリーから連絡があり、デンバーでの平和的なデモに加わるように言われたという。今後はナゲッツのコーチ、選手とも話し合い、変化を起こすために何ができるかを相談するそうだ。
「皆がひとつになって、話し合う。アイディアを練って、何をすればいいか話し合いたい。変化を起こしたいから、皆で話したいんだ」。
原文:Denver Nuggets’ Jamal Murray: We want change in America by Alex Labidou/Nuggets.com(抄訳)